第167回 振袖戦略
 

リユース業の強み活かした振袖販売作戦
販売とレンタルのボーダレス化で選択増やす

5月決算は、前期比10・2%増で33・7億円の売上げであった。今期は売上目標を40億円に設定している。そこで増加分の6.3億円はどうやって伸ばすかという事である。

商品的な面から見ると、今期は明確に浴衣と振袖を伸ばす計画だ。浴衣は前期の2.5億円を倍増し、5億円にするために現在「サマーショップゆかたバザール」を全店で展開。同時に30店舗を超す催事出店を、全国の若い人同けの商業施設を中心に展開している。今年7月は、1ヵ月で3.3億円の浴衣販売を計画している。市場規模138億円の浴衣において、5億円は3.6%のシェアになる。

振袖市場694億 先ずはシェア1%

次に振袖だが、こちらは浴衣よりはるかに大きな市場規模がある。振袖の年間販売額は412億円、レンタルの売上高が282億、合計すると694億円で、浴衣の約5倍以上である。しかし、弊社の振袖関連の売上げは約2億円と、浴衣の実績より小さく、市場シェアでいうと0.3%にも満たないのが現状である。
 
今期はこれを一気に1%を目指したいと考えている。その為にまず、市場の現状を分析してみた。今年成人式を迎えた女性人口は約58万人である。この内、成人式の為に振袖を購入又はレンタルする方は約40万人。つまり70%近い人が振袖の段取りをしたと推定される。

異なる振袖セットで6千セット販売

この中で新品振袖の市場は、生産高から推定すると約11万人が平均37・5万円の振袖セットを購入して、412億の市場とみられる。一方レンタルは、約29万人が平均10万円近い単価でレンタルして、282億円の市場を構成していると推定できる。この市場でまず1%のシェアを取る為に、販売において準備したのが10万円と5万円のセットである。

前者は新品の振袖仕立上がりと袋帯で合計10万円と、価格的に市場平均より4分の1近くリーズナブルだ。これを今期3000セットで3億円。後者はリユースセットで、リユース品の振袖と袋帯で合計5万円。これも同じく今期3000セットで1.5億円。両方で合計4.5億円の売上げプラスを計画している。

新たにこの6000人に振袖を購入頂く為の明確な戦略が必要である。従来の振袖ビジネスは、成人式対象者の名簿を購入し、そこへ繰り返しDMを送りつける方法である。しかし、これには大きな問題が2つある。1つ目は個人情報保護法ができて以来、対象者名簿の入手と使用が、コンプライアンス上困難になりつつある事である。2つ目がコストの問題で、豪華なカタログやDMを送り続け、その後電話でフォローするコストが膨大で、結果そのコストを振袖価格に転嫁せざるを得ない事である。

我々の強みは名簿に依存しないビジネスモデルの確立である。そしてこの結果、リーズナブルな価格での提供である。では、具体的にどうやって名簿と豪華カタログ、DMに依存せず、新たに6000セットもの振袖を販売するかという事だ。

広告であえてレンタル強調

ずばりその答えは、年間東京・大阪で計4回ずつ、合計8回の本部催事と、年間約100回の百貨店催事、全国120店舗での年間延べ約60万人のお買上げ人数にある。具体的には、8回の本部催事と100回の百貨店催事で5000セットを売りたい。その為の告知が鍵を握っている。
 
従来これらの催事では、毎回顧客と一般に向け相当の広告を行ってきたが、今期はこの中に、しっかり振袖の告知を入れる。そして、メインタイトルをあえて「振袖レンタルコレクション」にし、 サブタイトルに「振袖リユースセット5万円、振袖新品セット10万円」をもってくる。

その理由は、全体の70%以上の人は、購入よりもレンタルを基本に考えているので、メインにレンタルを持ってきた方が、集客が増えると考えている。

そして、たんす屋の「着物レンタルステーション」の振袖セットは1.6万円から品揃えがあるので、ハードルは更に低くなる。

そして極めつけの作戦は、リユース業ならではの強みを活かしたものである。新品セット10万円もリユースセット5万円も販売用であると同時に、販売価格の50%でレンタル対応もする事とした。つまり、新品セットが5万円、リユースセットが2.5万円でレンタルできるのである。レンタルと販売をボーダレス化する事で、お客様の選択肢が増える。

さらにレンタルで集客したお客様が、2.5円でレンタルするより5万円で購入することを、または新品を5万円でレンタルするより、10万円で購入する事を選択する方も出てくると考えている。

そして「Tokyo 135°」を中心に、東西約10店舗を振袖強化店舗として、常時最低でも50セット以上の振袖を在庫として置き、年間100セットが売れる様なプロモーションを計画している。これら振袖強化店舗の店頭で、年間1000セットを販売し、催事と合わせて6000セットを販売したいと考えている。

そして近い将来、浴衣で目指すシェア3.6% に、振袖も追いつけば、将来的に振袖で25億という数字も見えてくる。浴衣で開拓する若いお客様を振袖に誘う仕組みができれば、たんす屋成長の次のシナリオが見えてくると考えている。

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