第172回 下取り企画の威力
 

85%がすぐ催事場で使用
お買い物券が2千万円の売上貢献

11月で中間決算を迎えるたんす屋では、5月に本決算市を開催し、この中間決算のタイミングに大決算市を開催する。 

今年は11月20日〜23日の4日間、有楽町交通会館B階のダイヤモンドホールで、大決算市を開催させてもらった。最近の本部催事では、集客の手段として、ご来場特典を企画している。中でも回を重ねる毎に効果を上げているのが『きもの・帯下取りします!』企画である。

具体的にこの企画は着物、帯、羽織、コート、浴衣、なんでも1点につき500円で下取りをするというものだ。ただし、催事当日に会場にお持込み頂き、お一人様上限を5点とさせて頂いている。更に、500円は現金ではなく、たんす屋のお買い物券で下取りする事を告知している。

上限を5点にしているのには訳がある。それは、女性が一人でお持ち頂ける限界を考えての事だ。着物は平均1枚1キロの重さがある。つまり、着物5枚は約5キロで、これ以上は重くてなかなか持って来られない。実際は、5枚でもキャリーバッグ等に入れて引っ張って来る方も多い。 

果たして500円のたんす屋お買い物券で、大切な着物や帯をお持ち頂けるかという事であるが、実際はすごい勢いだ。

引き取る着物は査定額ゼロ 

理由を考えてみると、一般的に持ち込まれる着物や帯の多くは、査定金額はゼロになる。それは、たんす屋の場合買い取った、又は査定ゼロで引き取った着物や帯は、すべて新潟県十日町市にある加工センターで、丸洗い・殺菌加工・抗菌加工・消臭加工をした上で検針をし、プレス加工を施す。そして出来上がった状態を見て値付けをする訳であるが、このときに3000円以上の価格が付かないと推定される物は、査定時にゼロ査定となる。 
 
つまり、上記のリファイン(再生)という一連の加工コストを考えると、査定金額をお支払いしていたら、商売にならないのが現実である。では、たんす屋の様にリファインと言う様な加工を施さない業者はどうだろうか。

彼らは家庭から買い取った着物や帯を、一般的に"市"と呼ばれ るオークションに持ち込む。市は限られた時間に多くの着物や帯のオークションをして、その出来高の一定%を開催者が取る仕組みになっている。よって上記の様な、たんす屋で査定ゼロになる商品を持ち込むと、値が付かず時間の無駄になるので、出張買取業者は引き取りすらしないのが一般的だ。

来場者の28%が下取り企画によるもの

それでは、なぜ我々はこの下取り企画をスタートし、有効と考えて継続しているのであろうか。理由は4つある。

①圧倒的な集客力を発揮してくれる
今回の大決算市でも案内のパンフレットや新聞広告で告知した結果、4日間の期間中917人のお客様が、この下取り企画で来場された。今回の大決算市の来場組数は3291組だったので、実に約28%の来場が下取り企画によるものであっ た。 

ちなみに、たんす屋の催事の来場は、組数でカウントしている。例えば、お母様とお嬢様2人でご来場されても1組と数えているので、今回の大決算市の来場人数は約5000人と推定している。そしてこの917人が、3749点の着物や帯、羽織、コート、浴衣をお持込みになった。つまり、お一人平均4・09点であった。 

そしてこの917人のお客様に、500円のお買い物券を3749枚総額187万4500円のお買い物券を差し上げた。

②実際の売上げにつながる
お買い物券は、有効期間が半年あるが、なんと会場で85%が消化された。つまり、会場で約780人がお買い物をされたと推定される。 

今回会場でのお買い上げ客単価は3万200円だった。よって、これらの下取りご来場者で2355万円が売れ、159万円の値引きが発生し、2196万円の売り上げ貢献をしてくれたと推定される。

③下取りの中にはお宝あり
これだけでもすごい威力だが、実は下取りの着物や帯を弊社で査定する人間がチェックしたところ、約3%が査定ゼロではなく、買い取れる商材が含まれている事がわかった。もったいないが、ありがたい事だ。

空の引き出しがバキューム効果

④お客様のタンスに空きができる
タンスを整理して、不要な着物を5枚取り出すと、ダンスの引き出しが1つ空になる。すると、ここに真空状態が生まれ、この引き出しがバキューム効果を出す。つまりこの空間に、また新たな着物や帯を入れたくなるという潜在意識が働くのである。多くのお客様が、着物や帯を購入される折に決断を鈍らせるファクターのひとつが、タンスが一杯、つまり、収納場所が無い事がネックになるのである。 

この下取り企画は、打つ度にお客様の来場を促進し、500円券5枚で購入意欲を刺激し、更にはその度タンスの引き出しを1つずつ空にしてくれる。"まさに下取り企画の威力、恐るべし!"を実感した大決算市であった。

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