委託販売を全店へ導入準備
手数料配分を期間限定で55%に

 リユ-ス業にとって買取りは命である。コンスタントに良品を買取り続ける事が事業の安定的拡大を支えてくれる。たんす屋では買取りに加えて、昨年から催事の集客手段として下取りを開始した。
 通常年間50万点の着物、帯、羽織、コート、嬬衿、浴衣等の買取り・引き取りをしているが、今期(平成26 年6月1日~平成27年5月13日)は、十数回の下取企画を実施した結果、約10%増の55万点が見込まれている。
 下取りは、1回お1 人5点を上限にしている。よってこの企画で、この1年間で約1 万人が約5万点の下取り品を持ち込んで頂ける事になるだろう。1 点につき、たんす屋の500円お買物券で下取りしているので、5 万点は2500万円のお買物券に変わる。
 買取りと下取りの決定的な違いは、ここにある。つまり、下取りのお客様は必ず売上げにつながるのだ。実際は2500万円の80%にあたる2000万円が消化され、約5000 万円の売上げになる。
 将来的にこの下取企画は、年間8回(東西各4回)の本部催事と大小約100回の百貨店催事、そして全店の4回の店頭催事で、集客企画として徹底して多用する。そうすれば近い将来、この下取りの5万点を50万点に出来ると考えている。そして50万点の下取りが実現し、2億5000万円のお買物券を出せば、約5億円の売上げにつなげられると思う。

箪笥の肥やしをお買物券へ転換

 この下取り対象の着物や帯は、実際に買取りすれば査定ゼロになる内容が85%である。しかし裏を返せば15% は買取れる内容が含まれているのである。下取り企画は箪笥の肥やしの底辺商材をお買物券に転換し、次のお買物につなげる優れた企画である。
 一方、昨年から実験を始めた『コンサインメント』は真逆の企画だ。箪笥の肥やしの中でも、状態の良い着物等をお預かりして委託販売する企画である。
 具体的には、仕付け糸が付いたままで一度もお召になっていない状態か、着た後のお手入れや丸洗いが出来ており、そのまま次にお客様にご購入頂けるコンディションの着物や帯をお預かりして委託販売をするのである。

お客様とたんす屋の5つの優位性

 コンサインメントの優位性はいくつかあての優位性は、①通常の買取りと比較してお客様が手にする金額が高くなる。当然ながら、たんす屋が在庫リスクを持って買取り、その後丸洗い・殺菌・抗菌・消臭加工をし、更に検針・プレスをしてから値入れをして販売する事と比較すれば、同じ上代金額で売れたとしてもお客様が手にされる金額は多くなる。たんす屋のコンサイメントは、販売金額の50%をお客様にお支払している。②販売価格を相談できる。買取りの場合は、たんす屋の査定した金額を了解するか、否定するかしかない。コンサイメントの場合は、店舗が売れる可能性の高い上代価格をお伝えするが、お客様が売りたい価格をお客様自らコントロールする事ができる。
次にたんす屋にとっての優位性は、③在庫リスクが存在しない。委託販売であるから、売れてからしか仕入れは発生しない。つまり在庫リスクはゼロである。④資金負担がない。コンサインメントの商品は、販売して入金頂いてからの支払いであるので、資金の負担はない。⑤物流コストがかからない。通常店頭で買取った買取った商品は、新潟県十日町市の加工センターに送られ、そこで上記のリファインという一連の加工をした上で、江戸川区臨海町の本部に送られる。そして店長に仕入れされ、更に店舗に送る。つまり、最低でも3回運賃をかけて移動させるのである。一方コンサイメントの商材はお預かりした店舗で販売するので、物流コストはゼロだ。

委託販売システムのチラシ

売れない場合は3つの選択可能

 このように書くと、お客様にもたんす屋にも良いことばかりに見えるが、当然ながらデメリットも存在する。
 お客様にとっての非優位性は①即効性がない。たんす屋では最長5ヶ月間お預かりさせて頂くので、売れるまではお金を手にすることができないのである。②必ず売れる保証がない。店舗としてお預かりしたからには5ヶ月以内に売れるように最善を尽くすが、売れないリスクは存在する。因みに5ヶ月間経過しても売れない場合は、売値を下げて更に半年預かるか、お客様にお返しするか、たんす屋で査定して買取りするか、という3つの選択肢をご用意してある。
 たんす屋にとっての非優位性は、③粗利益率が50%と通常リユース品の粗利益率よりも低い。④店舗でのオペレ-ションが、余分で負担がかかる。
 この様にコンサインメントには一長一短が合い半ばするが、コンディションの良い着物や帯に関して言えば、時間的制約の無いお客様にとっては、優位性が勝ると考えている。
 6月から新しい期、第55期に入るまでに全店でコンサインメント導入の準備を整え、全面拡大のキャンペーンをスタートしたいと考えている。そのキャンペーンでは、導入促進の為に期間を限定してお客様への手数料配分50%を会社設立55周年記念で55%にアップしたいと考えているが、いかがだろうか。

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