着物メーカーや問屋がFCオーナーに
自ら小売りしてリアルマーケティング実現

 2月に中目黒にきくちいまの「ひきだし屋」と「恵比寿店」を、3月に「渋谷道玄坂店」、「土浦店」、4 月3日に京都の「四条河原町店」、6日に「平塚店」、23日に「神田店」、25日に渋谷109にTokyo135°渋谷店」の出店を計画している。これらの8店舗はすべて直営店であるが、一方直営店のFC 化も進捗している。
 5月に船橋店と池袋店、6月に本八幡店と銀座店をFC化する計画である。これらのオーナーは、個人は弊社のOBや業界のOB、そして法人は、業界のメ-カー、問屋、加工業者などである。
 たんす屋の今後の方向性の一つが、着物業界の再編成を見越したピンポイントSPA (製造から小売まで一貫して行う業態)だ。

SPAの席巻で問屋が激減

 40年前の日本橋堀留町界隈は、繊維問屋の一大集散地であった。数百社の繊維問屋が軒を並べ、その出荷額は年間3兆円規模で、街は活況を呈していた。しかし私は、今から16年前に堀留の呉服問屋は絶滅すると実感し、業態転換を図った。
 その後、呉服問屋に限らず、アパレルもテキスタイルも寝具も和装もほぼすべての繊維問屋が凋落の一途をたどっている。 原因は明確である。全ての市場に於いてS PA(製造小売)が席巻し、問屋の役割が急速に減少した結果だ。アパレルに例を挙げれば、ユニクロやユナイテッドアロ-ズ、海外からは、ザラやH&M が急成長して従来アパレル問屋から仕入れていた小売業態を駆逐したのである。
 着物業界に於いても、SPA化する事が市場を再活性するエンジンである事は間違いない。しかし残念ながら、我々着物業界では、リテーラー(小売業者)のリードするSPAは芽生えなかった。原因は色々あるが、今後も期待出来るとは思えない。
 弊社はその中にあって、リユースアイテムでこのSPAを実現した。家庭からたんす屋の主力商品の原材料である着物や帯を現金で仕入れる。そしてこれらを新潟県十日町市の加工センターで丸洗い、殺菌、抗菌、消臭加工、検針し、プレス加工し、値付けして自社の店舗で販売する。これは紛れもないSPAである。
 更に新品アイテムに於いても、例えば秩父銘仙については、たんす屋立ち上げ以来この15年間、秩父の逸見織物で銘仙を織ってもらい、それを海外で.縫製製品化して自社の店舗で販売している。

ノウハウ・商品全て依存OK

 私は着物市場には、潜在需要が無尽蔵に存在していると確信している。この潜在需要を顕在化するためには、業界の再編成を伴うSPA化が必要である。
 何故ならば、従来の、小売業が顧客の創造を充分に果たして来っなかた事が原因で、この40年間市場の右肩下が続いた。そのためにメーカーも問屋も閉塞状態に陥って、次の一手が見えない状況にあるからだ。
 例を挙げて言えば、4月1日から、たんす屋直営店の某店舗をFC化した。オーナーは、名の知れた産地の帯の問屋さんである。彼らがもしSPA化して、顧客の創造を自らで挑戦しようとすれば、店舗を探し、保証金を支払って借り、内装をし、什器を入れ、人材を採用し、着物屋に必要な在庫を仕入れ、広告を打ちお客様をゼロから開拓する必要があるのである。
 このように、このショップが顧客を獲得し収益が合うまで、相当の時間と資金が必要になる。小売の経験が無いメ-カ-や問屋が、これに耐えられるとは思えない。我々の提案するピンポイントSPAは、メーカ-や問屋等で自社が従来かっら扱ている商品だけSPA化して、それ以外は我々のノウハウと商材に依存する事である。
 たんす屋の加盟店になって、直営店をFC化しオーナ-になれば、216万円の加盟金と300万円の保証金でショップと内装・什器・在庫とスタッフ、更には顧客も揃う。先ほどの某店舗を例にすれば、ここから、自社の帯だけをピンポイントにSPAすれば良いわけである。本日4 月8日までの8日間であるが、新品の自社の帯が6本売れている。結果、前年同日比較でこの店舗の売上は181%だ。

6月にFC化する計画のたんす屋本八幡店

 何が起きたかと言えば、有名産地の帯問屋が、従来のたんす屋直営店のFCオーナーになった事で、一気に生産地から直送型ピンポイントSPAが実現した訳である。
 彼らは、自らが価格設定した帯を自らの手でエンドユーザーに販売する事で、リアルマーケティングを実現したのである。これにより、自信を持って次の帯造りに活かせる。同時に、自らが設定した価格で売りたいと言う小売店に卸すこともできるのである。
 彼らは近いうちに、2店舗、3店舗、5店舗と拡大を目指すであろう。我々本部は、FC化した結果、短期間で飛躍的に向上した売上の成果を加盟店と分け合うと同時に、彼らの帯のピンポイントSPAの結果生まれた新たな売れ筋商品を他店舗にも投入し、売上向上に活かせる。
 この様なメーカーや産地の問屋がFCのオーナ-になって頂く事は、ピンポイントSPAを通して着物業界を再編成し、その結果、着物市場のターンアラウンドを可能にさせたいと確信している。

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