経産省に和装振興の施策を提案
オリンピックで選手に未来の着物を

きくちいまさんの出版記念パーティー。中央がきくちいまさん

着物関連株3・4倍一週間で急上昇

 6月16日に経済産業省が、第一回「和装振興研究会」の成果をプレスリリースした。お国に和装振興の音頭を取って頂ける事はありがたい話である。
 その結果、株式市場が信じられない様な過剰反応をした。6月17 日水曜日から一部の着物関連株がストップ高となったのである。因みに現在着物関連株は小売が4社、卸が3社の合計7社しかない。そして週明けの22日月曜日は、上場企業全3656社の値上がりベスト10に着物関連企業がなんと6社もランクインする異常事態にっなたのである。
 中でも一部上場の「さが美」は、16日に95円だった株価が、23 日にはなんと324円と一週間で3・4倍に急上昇した。今日現在(7月7日)は205円に落ち着いているが、それでも倍以上になっている。
 この和装振興研究会は着物業界の内外から十数名が召集され、5回にわたって議論が重ねられた。そのメンバーでユニークなところでは、お笑い芸人のピース又吉さんもメンバーであった。また残念ながら私は参加していないが、以前から"きくちいまのひきだし屋"でお世話にっなている着物エッセイストでイラストレーターのきくちいまさんもメンバーに入っていた。
 たまたま、この和装振興研究会のプレスリリ-スの三日後、6月19日にきくちいまさんの出版記念パーティーが原宿であり、主賓としてお呼び頂き喜んで出かけた。パーティーには着物好きのいまさんファンが数百人参加されていた。参加者全員が思い思いの素敵な着物姿で、主賓としてご挨拶とお祝いを最初にさせて頂くのも嬉しく、感謝に耐えないイベントであった。
 実は、この後にご挨拶に登壇されたのが経済産業省の大臣官房審議官である小川誠氏であった。きくちいまさんと和装振興研究会でお近づきになられたご縁でご出席されたのだと思うが、見事な着物姿であった。
 今回のプレスリリ-スの中で、和装がもっと日常の中に普通に入り込む事が一つの目的で、その為に例えば着物の日を設けて経産省の職員が自ら和装で出勤し、仕事をする日があってもいいのではないか、と言う表現があり、それが出来たら素晴らしいと私も思っていた。
 しかしこの日、小川氏の着物姿を目の当たりにし、その本気度に深く感銘した。私は、着物屋である事に強い誇りを持ち、仕事に於いては100%着物姿で働いている。しかし、実は着物業界に於いても着物を着ている経営者はごくごくまれである。
 そんな中、和装振興をリードされようとしている経済産業省のお役人に、その本気度を感じた。
 そこで、私自身が以前から考える和装振興の為の具体的施策を、この和装振興研究会にお伝えしたいと思ったのである。その旨を小川氏にお話したところ、快くお聞き届け頂いた。そして後日、弊社の営業・上村多葉を伴って経済産業省を訪れ、下記の様な提案をさせて頂いた。

天皇陛下にもお着物を

 ① 和装振興の鍵は着物業界の革新にある。ずばり言えば、アパレル業界同様、SPA (Speciality store of Private reval of Apparel)つまり製造小売への革新が不可欠なので、流通革新助成を推進して欲しい。
 ② 和食、和紙に次いで、和服のユネスコ世界文化遺産登録を目指し既に各産地、各組合、又は企業でバラバラの動きが始まっているが、この動きを行政がリードして取りまとめてほしい。
 ③ 「2020プロジェクト」。これは2020年7月24日午後8 時スタートする東京オリンピック開会式の日本選手団のコスチュームに関するプロジェクトである。東京オリンピックを日本文化の素晴らしさを世界に発信する場と位置づけ、陸上や水泳といった全参加チームと、日本中の染織産地を一堂に集め、プロジェクトリ-ダ-がチームと産地をマッチング。各々デザイナーを付け、産地は盛夏に相応しい素材の開発を担い、デザイナーはチームに相応しいデザインを担当。全チームが素材とデザインの異なった盛夏に相応しい涼やかな着物、もししくは未来の着物で入場行進を目指すプロジェクトを立ち上げて欲しい。
 ④ 最後に、天皇陛下にお着物を公私いずれの機会にもお召し頂くためのプロジェクトの提案である。ご存知のように、昭和天皇の時代から皇后陛下のお着物姿は、公私共々の場面で頻繁にお見かけした。それは、平成にっなてからも美智子妃殿下にも受け継がれ、国民からも歴代の皇后陛下のお着物姿は憧れの的であり、着物美の象徴でもあった。しかし、残念ながら天皇陛下のお着物姿はお見かけしていない。多様な事情はあるかと思うが、このタイミングで天皇陛下にお着物をお召し頂ける様に行政がリードしてもらえると、我々着物業界人も応援しやすく実現性が高まると思っている。
 上記4つの具体的な提案が実行に移れば、和装振興は俄かに加速すると確信しているが、いかがだろうか。

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