第186回 きものや じゃぽん
 

素人目線のプロレーベル
桜美林大生と着物*プロジェクト

2月5日、博多の天神ビブレ2階で「Tokyo135°」の9店舗目がオープンした。約10年前に原宿で産声をあげたこのレーベルは、中央大学商学部の秋澤光教授の起業家ゼミの3年生メンバー数名が中心になって立ち上げたショップである。
 
"日本の中心からきもの文化を世界に発信する!"がショップの立上げコンセプトだ。実はこの代表を務めた山口君を紹介してくれたのが、京都でリサイクル着物店「ichi.man.ben(いちまんべん)」を立ち上げた初期メンバーの大津君であった。

「ichi.man.ben」は約13年前に京都大学内にあるNPOアイセックの中の「京都きもの企画」と言うサークルが、たんす屋とコラボして誕生したショップである。当時京都大学経済学部3年生の石田君が、サークルの代表で大津君が副代表。"国際交流を通しての世界平和の実現"と言うアイセックのミッションに沿って、留学生と京都の四季を着物で楽しむ事を目的に出来たサークルであった。

大学生は高額な着物は買えないので、一万円程で着物と帯が揃えられるショップを自分達の手で運営したい思い誕生したのが、「ichi.man.ben」*で*ある。コンセプトは"一万円できものを一万遍ぐらい着てみたい"で、一万遍は京都大学のキャンパスがある地名の百万遍をもじったそうだ。オープンして数年後には弊社の直営店になったが、現在も京都三条柳馬場に「ichi.man.ben」のショップ名で繁盛店として存在している。

講義に関心その場で立ち上げ 

この様に、今までも大学生とのアライアンスで若者向けのショップが誕生してきたが、このたび桜美林大学の学生さん達と、新たなショップを立ち上げる事になった。

きっかけは、私が桜美林大学、川西重忠教授の講座「日本の経営者」に3回お呼び頂き、講義をさせて頂いた事である。この講座は数年継続している人気講座で、毎回受講生が増え続け今では複数の学部から三百数十名が参加している。講義を終えて川西先生の部屋に戻って来ると、私の講義に関心を持ってくれた学生数名が集まって話が盛り上がり、その場で「桜美林きものプロジェクト(OKP)」が立ち上がった。

OKPの代表は着物好きの3年生・角田遥奈さんが就任し、一年生の山本さん、佐藤さんがOKPのイニシャルメンバーになった。彼女らの思いは色々あるが、まとめると以下のような感じだ。 

①着物に関心があるが、敷居が高いのでOKPをきっかけに身近なものにしたい。 

②同世代の若者の中にも着物にあこがれる気持ちが潜在しているので、OKPがその顕在化をしたい。 

③桜美林大学は北京で開校した歴史もあり、大学には中国人を筆頭に留学生が多く在籍している。彼ら彼女らにも着物体験を通して日本文化を知ってもらいたい。

④上智大学の浴衣デーが複数のメディアに取り上げられ全国区で有名になった様に、桜美林大学も名物着物イベントを創りたい。 

⑤現役大学生でいながらOKPで起業を擬似体験してみたい。

起業を目指す学生達の共通点

以前の京大生、中大生達との共通点は、自分達の消費者目線・同世代の若者をターゲット・留学生・外国人も巻き込みたい・日本文化の素晴らしさの再発見・アントレプレナーシップ(起業家スピリッツ)、この様なキーワードの様である。 

彼ら彼女らがユーザー目線と起業家スピリッツを持った上で、着物のプロの我々とアライアンスを組む事は双方に大きなメリットが生まれる。経験が乏しく資金の無い学生はその道のプロと組む事で、ショップを立ち上げるまでの多くの障害を乗り越えられる。我々はリアルユーザーを登き込むことで、よりリアルなMD(マーチャンダイジング)が可能になる。結果、素人目線のプロレーベルを誕生するポテンシャルが高まるのである。

OKPのメンバーとミーティングを重ねた結果、いくつかの事が決定した。 

①ショップ名は「きものや じゃぽん」②出店場所は町田の109地下一階③出店時期は3月3日④弊社担当は営業部上村係長⑤店長は角田さん、副店長は弊社の田嶋君⑥立ち上げは"きもので花見"。4月上旬に桜の木が沢山ある桜美林大学キャンパス内での着物イベント⑦メディアへのプレスリリースはOKPが担当⑧次は浴衣イベントを企画⑨その次は浴衣デビューから着物デビューへ誘うイベント企画⑩成人式の振袖提案・レンタル・ リユース・新品・ママ振り(母親の振袖)、これらを年間通して1、2年生を対象にリアルユーザーの1年生らが企画提案⑪秋からは卒業式の着物・袴の提案。これもリアル対象ユーザーの3、4生が自ら企画提案。 

こんな感じで年間のMD計画がおぼろげながら見えてきた。桜美林大学の学生達と企画する「きものや じゃぽん」が京大生の生んだ「ichi.man.ben」、中大生の生んだ「Tokyo135°」を凌駕するレーベルに育つ事を楽しみに夢見ていますが、いかがだろうか。

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