第187回 東京着物レンタルショップ
 

若者と外国人の需要増は確実!
浅草に着物レンタル専門店

現在浅草にたんす屋が6店舗あり、最も集中的に出店してきたエリアである。因みに、出店の古い順番に並べると、浅草店(観音通り)、梅園前店、新仲見世店、浅草公会堂前店、くろちくミーツたんす屋、浅草雷通り店だ。

そして、4月には7店舗目の出店を予定している。7店舗目は従来のたんす屋ではなく、カジュアル着物のレンタルショップを計画している。 

目的は、観光客の着物レンタル需要の拡大への対応である。現在も一部の店舗でレンタルを受けているが、販売と併用だとお客様が立て込んだ時にはどうしても販売が優先されがちで、レンタルのお客様にご迷惑をおかけしてきた。そこで、純粋にレンタルだけのショップを企画する事にしたのである。

ターゲットは、浅草に来る観光客の中でも若者と外国人だ。傾向は、現在観光客のカジュアル着物レンタルが大流行の京都を見ても顕著だ。昨年過去最高の1974万人を記録した来日外国人も、東京オリンピック開催の2020年に3000万人が見込まれている。

更にここにきての変化は、リピーターの増加である。リピーターの特徴は「物から体験」だ。つまり爆買いから日本文化の体験へと移行して行く傾向にある。その中にあって観光地での着物体験は、これからも増々需要が高まる事が見込まれる。

社長直結チームで素早いジャッジ

新規事業を立ち上げ、成功に導くには、いくつかのステップがある。 
 
先ずは人だ。チーム"東京きものレンタルショップ"を立上げた。メンバーは三人で社長直結チームである。やはり社長直結でないと、素早いジャッジが出来ない。 

次は場所の選定。私の新規事業の挑戦は、小さく生む事が基本である。理由は修正や撤退が容易だからだ。新規事業は成功しなければならない。しかし100%の成功はありえない。途中で修正を加えたり、場合によっては撤退もありえる。その時、初期投資の大きさ故に判断が遅れては駄目だ。

今回は浅草で最高のロケーションの二等立地にご縁があった。具体的には新仲見世通りの東武線浅草駅側から入って、二件目の右側の二階である。真向かいが地下鉄銀座線の出口で、雨にも濡れず徒歩5秒だ。これは他のたんす屋6店舗に優るロケーションであるが、路面の二階はやはり二等立地だ。更に面積が10坪程度の事もあり、賃料もリーズナブルである。 

次は提供するサービスの内容と告知方法だ。着物レンタルは物販ではなくサービス業である。リユース業とレンタル業は親和性はあるが異業種だ。現在たんす屋でフォーマル着物のレンタルは行っているが、レンタル専門店となると全く別である。お客様のターゲットを若者と外国人に絞り込んだので、アイテムは新品のポリエステルの着物と、正絹の小紋、紬のリユース品に、帯は新品の半巾帯と正絹名古屋帯のリユース品にした。 

次にこれらのコーディネートを、たんす屋のアドバイザーであるきくちいまさんにお願いする事にした。彼女のコーディネートはセンスがよく、季節感を表現するのが上手だ。

レンタルする着物や帯、そのコーディネートにこだわったかわりに、価格は世間相場にある程度合わせていく方針だ。 

専用サイトは5ヵ国語対応

そして最も創意工夫を問われるのが、告知方法である。告知は大きく2つの方法に分かれる。1つはアナログ告知である。具体的には既に浅草に来ている観光客の方々に、お知らせする方法だ。雷門の前で人力車のお兄さんがお客に行う声掛けは、最もアナログだが有効な手段である。幸いたんす屋は浅草に6店舗あるので、この店頭で着物レンタルのご案内をする事と、東京きものレンタルショップの一階で、フライヤーを手配りして直接ご案内する方法は一定の効果があると見込んでいる。 
 
しかしこれに優るのは、今の時代やはりなんと言ってもネット告知であろう。たんす屋は着物マーケットでネットの時代をリードすると決めた。だから今回の"東京きものレンタルショップ"の成功も、専用サイトの立上げとその告知力にかかっていると言っても過言では無いであろう。特に海外から事前予約が出来る事や、実際にレンタルを体験したお客様が、その感想を友人と共有し拡散してくれる事も重要だと考えている。

現在、専用サイトは日本語以外に英語、韓国語、中国語での表示を計画している。まだ迷っているのは、中国語を繁体字にするか簡体字にするか、両方にするかだ。ご存知の通り中国大陸からの観光客数は、既に台湾からの観光客を超えた。彼らは簡体字を使っている。一方台湾からの観光客の方は、日本文化に関して好意的である。

今回の新規プロジェクトは、市場が存在し成長していくことは確実である。あとは商圏と立地と人材に恵まれ、サービス内容と価格戦略がお客様にマッチし、そして最終的には着物体験に興味を持つ国内外の方々にいち早く告知できたならば、必ず成功すると確信している。

*リサイクル通信*バックナンバー

【第206回 】KPI装着ゲーム
 2017.10.25 掲載
【第205回 】産着に挑戦
 2017.9.25 掲載
【第204回 】コンサイメントを強化
 2017.8.25 掲載
【第203回 】着物の買取強化策
 2017.7.25 掲載
【第202回 】山本会長お疲れ様でした!
 2017.6.25 掲載
【第201回 】捨てるか売るか?
 2017.5.25 掲載
【第200回 】チーム着物2020
 2017.4.25 掲載
【第199回 】軽井沢でISAKとかるちゃ出店
 2017.3.25 掲載
【第198回 】たんす屋塾賞
 2017.2.25 掲載
【第197回 】チーム2020
 2017.1.25 掲載
【第196回 】磯村みどりの着物遊び処たんす屋
 2016.12.25 掲載
【第195回 】ウランバートルのファッションショー
 2016.11.25 掲載
【第194回 】成人式が変わる
 2016.10.25 掲載
【第193回 】日本フランチャイズチェーン協会
 2016.9.25 掲載
【第192回 】着物お手入れ得意店世界一を目指す
 2016.8.25 掲載
【第191回 】クロスメディア戦略
 2016.7.25 掲載
【第190回 】小学校の卒業式は着物で
 2016.6.25 掲載
【第189回 】2回の引越し
 2016.5.25 掲載
【第188回 】きものプラス
 2016.4.25 掲載
【第187回 】東京きものレンタルショップ
 2016.3.25 掲
【第186回 】きものや じゃぽん
 2016.2.25 掲載
【第185回 】さよなら池田重子さん
 2016.1.25 掲載
【第184回 】ネット集客
 2015.12.25 掲載
【第183回 】和装振興協議会
 2015.11.25 掲載
【第182回 】TOKYO KIMONO STATION by Tansuya
 2015.10.25 掲載
【第181回 】ガイアの夜明け
 2015.9.25 掲載
【第180回 】リクルート MOMO HACK
 2015.8.25 掲載
【第179回 】和装振興研究会
 2015.7.25 掲載
【第178回 】下諏訪きものプロジェクト
 2015.6.25 掲載
【第177回 】全通全景プレミアム袋帯
 2015.5.25 掲載
【第176回 】ピンポイントSPA
 2015.4.25 掲載
【第175回 】コンサインメントに全面拡大に挑戦
 2015.3.25 掲載
【第174回 】ハードオフとのシナジーを模索
 2015.2.25 掲載
【第173回 】中村喜久蔵コレクション
 2015.1.25 掲載
【第172回 】下取り企画の威力
 2014.12.25 掲載
【第171回 】富士山清掃
 2014.11.25 掲載
【第170回 】父の三回忌
  2014.10.25 掲載
【第169回 】夏に強いたんす屋実現へ
 2014.9.25 掲載
【第168回 】誕生祭の成功に向けて
 2014.8.25 掲載
【第167回 】振袖戦略
 2014.7.25 掲載
【第166回 】JFA大会
 2014.6.25 掲載
【第165回 】たんす屋大宮ステラタウン店オープン
 2014.5.25 掲載
【第164回 】ブランディング
 2014.4.25 掲載
【第163回 】ハギレの力
 2014.3.25 掲載
【第162回】たち吉meetsたんす屋
 2014.2.25 掲載
【第161回】徹底して夏に強いたんす屋になる
 2014.1.25 掲載
【第160回】消費増税をチャンスに変える!
 2013.12.25 掲載
【第159回】ABCクッキングスタジオ
 2013.11.25 掲載
 
 
 
 
リサイクル・リユース市場を読み解く業界唯一の経営情報専門誌