第188回 きものプラス
 

細かな季節・シーンに合わせたコーデで
女性の着物スイッチをONに!

アパレルの市場規模は約10兆円と言われている。一方着物の市場規模は3000億円にすぎない。アパレルのわずか3%である。着物市場はこの40年間で2兆円から3000億円に凋落し、いまだに下げ止まらない。
 
アパレルの市場規模がこの40年間で7兆円弱から1.5倍に成長した事を考えると、着物に携わる者として情けないかぎりである。

着物の潜在需要は無尽蔵

弊社は創業以来92年間、着物ビジネスに特化してきた。私が社長に就任して23年間には、その途上アパレルやジュエリー、子供服にも挑戦した。しかし今から16年前に、リサイクル着物ショップたんす屋を立ち上げて以来、結果として着物ビジネスに再度集中する事に決めた。
 
理由は明確である。近隣市場に進出して痛感した事は、着物の潜在需要は無尽蔵であるのに対し、アパレルを始め近隣市場はシェアの取り合いであると言う事だ。

ユニクロなくても洋服は着る

具体的に説明すると、例えば世界一のアパレル企業のZARAが日本に上陸して沢山出店し売上を伸ばしたとする。多くの消費者がZARAで洋服を買うわけであるが、その中に「もしZARAが日本に進出して来なければ、私は洋服を着る事が無かった」と言うお客様はいるだろうか、と言う事である。又は、ユニクロの柳井社長に会った消費者が「柳井社長、もし私がユニクロに出会わなかったら、私は洋服を着る事は無かったです」と言うお客様がいらっしゃるだろうか、と言う事である。
 
いずれも答えはNOだ。ZARAが年商4兆円を超える世界一のアパレル企業で、ユニクロが年商1.8兆円を超える日本一のアパレル企業であってもだ。
 
一方、年商わずか40億円で年間お買い上げ客数述べ60万人のたんす屋社長である私は、今までに何百回もお客様から「たんす屋さんが無かったら私は着物を着ていなかった!」と言われてきた。着物を商う商人としてこれ以上の賛辞はない。

市場凋落の原因は顧客創造の努力次第

先般、着物エッセイストでイラストレーターである、きくちいまさんの出版記念パーティーに招待され、主賓でご挨拶をさせて頂いた。その著書「40代からの新・着物生活」の前文に〝日本女性の背中にはみんな〈着物スイッチ〉がついています〟との一文がある。私はこれを読んで思わず膝をたたいた。〝そうだその通りだ!!〟と、我が意を得た。
 
我々着物業界はこの40年間、着物スイッチがONになっているわずか数パーセントの顧客に、繰返し着物を重ね売りする事に邁進し、着物スイッチがOFFになったままの膨大な潜在顧客の着物スイッチをONにする為の努力を怠ってきた。これが着物市場が凋落し続けてきた最大の原因だと痛感した。
 
そこで、きくちいまさんと相談した上で、早速私はこの〈きものプラス〉の商標登録申請をした。その思いは無尽蔵にある着物の潜在需要を顕在化である。今までもたんす屋は、着物ライフソリューションカンパニーを自称し、着物にまつわる一切の面倒を解決する努力をしてきた。
 
具体的にはリユースの着物で〝着物は高い!〟問題を解決してきた。そして〝着物を一人で着られない!〟問題も、付け帯や楽詩帯(袋帯、名古屋帯の補助器具)で解決。更にシンプルな手順でスッキリきれいに着られる着付け教室「鞠小路スタイル」との提携でも解決をしてきた。
 
そしてこの度、きくちいまさんによる季節と着用シーンにピッタリ合わせたテッパンコーデをご提案する。どの季節のどんなシーンに、どの様なコーディネートで出かけすれば良いかを迷っているお客様の難儀を解決する店を、新たに立ち上げたいと考えたのだ。

髙島屋でお試し出店

この様な考えに賛同頂いたのが、百貨店の中でも最も着物に注力されており、弊社との取引も多い髙島屋さんであった。老舗の呉服屋出身である百貨店でも店頭での顧客創造、つまり着物の潜在需要の顕在化には頭を悩ませて来られたようだ。
 
先ずは、髙島屋さんの中でも旗艦店舗・横浜店で〈きものプラス〉の期間限定お試し出店が内定した。8階の呉服売場で5月下旬から2週間のトライアルである。
 
今回きくちいまさんと、四季を更に6つに分けた二十四節気に合わせた着用シーンのテッパンコーデのご提案と、ひとりで着物が着られない問題の解決の為に楽詩帯と簡単着付けの鞠小路スタイルを一体化したショップで、老舗百貨店と一緒になって無尽蔵の着物の潜在需要の顕在化に新たな挑戦をしたいと考えている。
 
着物にまつわる〝着物はお高いんでしょう〟問題や〝着物を一人で着られない〟問題、更に〝どのシーンにどの様なコーデで出かければ良いか〟問題を解決する事で、多くの方に着物のある生活を感動を持って提供したいと考えている。
 
この〈きものプラス〉トライアルが、多くの女性のスイッチをONにしてくれ、次のステージにつながる事を目指しているが、いかがだろうか。

⇧ 「PDF版」はコチラをクリック

*リサイクル通信*バックナンバー

【第206回 】KPI装着ゲーム
 2017.10.25 掲載
【第205回 】産着に挑戦
 2017.9.25 掲載
【第204回 】コンサイメントを強化
 2017.8.25 掲載
【第203回 】着物の買取強化策
 2017.7.25 掲載
【第202回 】山本会長お疲れ様でした!
 2017.6.25 掲載
【第201回 】捨てるか売るか?
 2017.5.25 掲載
【第200回 】チーム着物2020
 2017.4.25 掲載
【第199回 】軽井沢でISAKとかるちゃ出店
 2017.3.25 掲載
【第198回 】たんす屋塾賞
 2017.2.25 掲載
【第197回 】チーム2020
 2017.1.25 掲載
【第196回 】磯村みどりの着物遊び処たんす屋
 2016.12.25 掲載
【第195回 】ウランバートルのファッションショー
 2016.11.25 掲載
【第194回 】成人式が変わる
 2016.10.25 掲載
【第193回 】日本フランチャイズチェーン協会
 2016.9.25 掲載
【第192回 】着物お手入れ得意店世界一を目指す
 2016.8.25 掲載
【第191回 】クロスメディア戦略
 2016.7.25 掲載
【第190回 】小学校の卒業式は着物で
 2016.6.25 掲載
【第189回 】2回の引越し
 2016.5.25 掲載
【第188回 】きものプラス
 2016.4.25 掲載
【第187回 】東京きものレンタルショップ
 2016.3.25 掲
【第186回 】きものや じゃぽん
 2016.2.25 掲載
【第185回 】さよなら池田重子さん
 2016.1.25 掲載
【第184回 】ネット集客
 2015.12.25 掲載
【第183回 】和装振興協議会
 2015.11.25 掲載
【第182回 】TOKYO KIMONO STATION by Tansuya
 2015.10.25 掲載
【第181回 】ガイアの夜明け
 2015.9.25 掲載
【第180回 】リクルート MOMO HACK
 2015.8.25 掲載
【第179回 】和装振興研究会
 2015.7.25 掲載
【第178回 】下諏訪きものプロジェクト
 2015.6.25 掲載
【第177回 】全通全景プレミアム袋帯
 2015.5.25 掲載
【第176回 】ピンポイントSPA
 2015.4.25 掲載
【第175回 】コンサインメントに全面拡大に挑戦
 2015.3.25 掲載
【第174回 】ハードオフとのシナジーを模索
 2015.2.25 掲載
【第173回 】中村喜久蔵コレクション
 2015.1.25 掲載
【第172回 】下取り企画の威力
 2014.12.25 掲載
【第171回 】富士山清掃
 2014.11.25 掲載
【第170回 】父の三回忌
  2014.10.25 掲載
【第169回 】夏に強いたんす屋実現へ
 2014.9.25 掲載
【第168回 】誕生祭の成功に向けて
 2014.8.25 掲載
【第167回 】振袖戦略
 2014.7.25 掲載
【第166回 】JFA大会
 2014.6.25 掲載
【第165回 】たんす屋大宮ステラタウン店オープン
 2014.5.25 掲載
【第164回 】ブランディング
 2014.4.25 掲載
【第163回 】ハギレの力
 2014.3.25 掲載
【第162回】たち吉meetsたんす屋
 2014.2.25 掲載
【第161回】徹底して夏に強いたんす屋になる
 2014.1.25 掲載
【第160回】消費増税をチャンスに変える!
 2013.12.25 掲載
【第159回】ABCクッキングスタジオ
 2013.11.25 掲載
 
 
 
 
リサイクル・リユース市場を読み解く業界唯一の経営情報専門誌