第194回 成人式が変わる
 

市場本格参入への大チャンス
成人年齢変更で振袖特需!

成人年齡 20才から18才へ

先日、自民党が成人年齢を18才へ変更する法案を提出する事を決めた。この法案が可決される事は確実であるので、非常に近い将来日本の成人は20才から18才に引き下げられる。

選挙権はすでに前の参議院選挙から、18才の選挙権が認められるようになった。成人年齢が引き下げられたとしても、飲酒と喫煙は20才で変更の予定はないようだ。

何か大きく変わるかと言えば、18才の男性が犯罪を犯した時、従来の「少年A」から実名での表記になり、成人としての対応になる。

振袖は着物市場の最大アイテム

さて我々着物業にとって大問題は、成人式がどうなるのか、という事である。これまで1月の第2月曜日が成人の日に制定されおり、ほとんどの自治体がこの日に20才を対象に成人式を実施している。新成人は、例年約120万人。この内半分の約60万人が女性で、この内60%の約36万人が振袖を着て成人式に参加する。
 
この成入式の振袖市場規模は推定640億円で、着物市場2830億円の約22・6%を占める。着物市場にとって最大のアイテムである。

この内販売は約400億円。イメージで言うならば平均40万円の振袖セットが10万人に売れている。またレンタルは約240億円。イメージでは平均16万円の振袖セットを15万人に貸している。そして残る11万人は「ママ振」と言われるお母様の振袖である。

この一大市場が、成人式年齢が18才に変われば大変な事になる。今は大学2年生か社会人2年生の1月に成人式があるわけだが、これが高校3年生の1月に変わるのである。そうなると多くの対象者は大学受験の直前で、落ち着いて振袖を選んだり、成人式に出席したりできないかもしれない。

そこで着物業界の一部では、成人が18才になっても成人式は20才で継続してくれる様、署名運動を推進している。

しかし私の考えは、成人が18才になれば、成人式も18才の方が自然だと思っている。成人を18才に決める事も、成人の日を1月の第2月曜に決めているのも、共にお国だ。しかし、成人式を開催している主体は地方自治体である。それゆえに、現在でも自治体によっては成人式を帰省の多い8月に開催しているところもある。 

結果としては成人式を18才でするのか20才で従来通りするのかの判断は、自治体に委ねられる可能性は高い。それにより成人式を18才に変更する自治体が多くなる事が予想される。 

成人式の2つの変更方法

しかし、実際に一度に20才を18才に変更する事は大変なことである。具体的には2つの可能性が考えられる。 

ひとつ目は一度に18才にする方法だ。会場のキャパシティを考えると、第2月曜に3学年合同は無理だろう。よってこの場合、例えば1月の第2月曜に20才、第3日曜に19才、 第4日曜に18才と、成人式を3週間に分けてやる事になる。 

二つ目は第2月曜に20才の、第3日曜に19才の成人式を行い、翌年は第2月曜に19才の、第3日曜に18才の成人式を開催する方法である。 

このいずれかの段階を踏まないで、いきなり翌年から18才にした場合、2学年の人達は 成人式が無しになってしまう。これはあまりに可哀そうなので、ありえないと思う。

振袖女性36万人から100万人に

いずれかの可能性が現実になっても、振袖市場は大変化が起きる事だけは間違いない。私は、これをたんす屋が振袖市場に本格参戦する為の絶好のチャンスと考えている。 

つまり、例年36万人だった振袖を着て成人式に参列する女子が、一度に108万人、又は2万人が2年連続でする可能性が近い将来、非常に高いわけである。私はこれを振袖特需と捉えている。 

2011年東関東大震災で1億円に落ち込んだ浴衣の売り上げを、戦略的に取り組むことで、今年は5億円にする事に成功した。浴衣の市場規模は約130億円であるので、約3・8%のシェアになる。 

たんす屋の振袖は現在2・5億円で、シェアはわずかに0・4%に過ぎない。

仮に浴衣と同じシェアを獲得できれば、約25億円と、現在の10倍になる。つまり伸び代が大きいという事である。同時に現在のシェアが低いので、振袖市場に大変な変化が起きても失うものはない。

我々は来るべき振袖市場の大変化に向け、18才のお嬢様とその両親というリアルターゲットに向けて、一番買いやすい借りやすいビジネスモデルの確立に、全身全霊を傾ければ良いわけである。 

具体的には、成人式の振袖を買おうか、借りようか、母親の振袖で間に合わそうか迷っているいわゆる"無党派層"の琴線に最も触れるアプローチを店舗とネットと紙媒体をミックスして強力に訴求出来る事にかかっていると確信している。 

来るべき振袖特需をたんす屋の次の大きなチャンスにしていきたいと考えているが、いかがだろうか。

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