第201回 捨てるか売るか?
 

提案年間廃棄コスト84万円が丸々利益に
売れない廃棄物が買取対象に!?

たんす屋をスタートする時、実際にお客様の自宅に出張買取に行って実感した事がある。それは、お客様にとって着物がいくらで売れるかも大事な事だが、それ以上に着物が塞いでいるスペースを取り戻すという事が大事だということだ。
 
かつて着物は質草のトップだったので、着物の二次流通はいたって活発だった。しかし着物市場の凋落に伴い、着物の二次流通も落ち目になり、業者はだんだん換金力の高い着物しか買取をしなくなった。
 
その結果、業者はお客様のたんすの中からごく一部の換金性の高い着物だけを買取っていき、一方、消費者は残された多くの換金性の乏しい着物の処分に頭を抱えている状況が続いていた。
 

不要品でも全て引き取る

そこでたんす屋は、お客様が不要と思う全ての着物、帯、羽織、コート、和装小物を査定額がゼロであっても、お客様のリクエストがあれば、引取ることに決めた。
 
今は不要品を処分するのにもお金がかかる時代である。過日、引越の折に複数のリユース業者に不要品の買取り・引取りをお願いしたが、布団やマットレスはどこのリユース業者も引取ってくれなかった。結局、廃棄業者に依頼したが、結構な費用がかかった。

つまり、我々たんす屋は不要な物を無料で引取ることも、明確なサービスの提供と考えている。更にその査定額ゼロの着物や帯を引取る折の口上も、重要な事と考えている。たんす屋では決して「それでは、手前どもで処分させて頂きます」とは言わない。「それでは、たんす屋で最後の切れ端一枚まで、どなたかのお役に立てる様に最善を尽くします」と言うようにしている。

なぜならば、長年愛していた着物ほど瑕疵があって査定額ゼロの可能性が高いが、逆にそのような着物ほど愛着が強いものであるからだ。そのような着物が処分されると思うと、寂しくて心が痛むものだ。しかし、誰かが使ってくれると思うと納得出来るものである。

たんす屋では、実際に査定額ゼロの着物でも、販売できる可能性のあるものは丸洗いをかける。その結果、着物として売ることが厳しいと判断すると、ほどいてキレイな部分だけをハギレとして販売する。
 
しかし、それでも現在毎日平均20ケース程度の廃棄せざるを得ない物が発生している。今までは、これらの処分品を専門業者に依頼して廃棄していた。廃棄コストは月間7万円で、年間84万円である。

自主物流を利用

そこでこの度、古繊維を目方で海外輸出している兵庫県の企業「Kurokawa」の黒川社長にこの件で相談した。すると黒川社長から、1日分(20ケース)を一度本社に送ってくれ、と言われ試しに送ってみた。

問題は価格以上に物流費用だ。たんす屋の買取センターは新潟県十日町市にあり、「Kurokawa」の本社は兵庫県高砂市である。しかし、黒川社長からの答えは意外なものであった。

「Kurokawa」の自主物流を利用することで、弊社の物流費用を抑え、その上でキロ単価で買取りをしてくれると言うことであった。

実際に「Kurokawa」では、全国に回収の為の物流ネットワークが組まれており、新潟から十日町市を経由して前橋に集め、更にそこから横浜港に送り、そこから輸出をするそうだ。1ケース平均12キロなので20ケースで240キロ。1ヵ月平均22日と計算して5280キロになり、年間6万3360キロ。よってキロ数円としても年間幾許かの金額になる。この売上と廃棄コスト84万円を合算した金額をわずかと考えるのは大間違いである。

確かに経費を84万円削減し、従来廃棄していたものを売るわけだが、この84万円プラスアルファは確実に経常利益に反映される金額だ。来期の経常利益目標を5%としているたんす屋にとっては、経費削減分のみで考えても経常利益84万円は売上1680万円に匹敵する。これは年間無休店舗の日販に換算すると4万6027円である。

この様に考えると、お客様から査定額ゼロで引き取った着物や帯を、捨てるか売るかの違いは偉大である。
 

経営の目は売上拡大に向きがち

経営の目はいつも売上拡大に向きがちだ。当然ながら新店舗を出店しての売上拡大、更に既存店の店頭日販の為の具体的な施策を次々投入しての売上拡大、更には本部催事や百貨店催事をパワーアップしての売上拡大、と積極的な攻めの経営に目が行きがちである。しかし実際の経営は、売上拡大と経費削減の両輪から成り立っている。
 

それを考えると、今回の廃棄対象物をわずかな金額であっても買取ってもらえるシステムに乗せられた事は偉大な事ではないだろうか。同様に古着を買取っているリユース業者の皆様も、一度自社の廃棄対象物を現状どの様に処分されているかをチェックし、場合によってはたんす屋と同じく「Kurokawa」に買取ってもらう事が大きな優位性につながる可能性があると思える。是非とも一度メールか電話でお間い合わせされてはいかがだろう。
 

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