第204回 コンサイメント(委託販売)を強化
 

コンサイメントをバージョンアップして
ヘビーユーザーの囲い込みを狙う

前回のコラムでは、店舗での買取強化の具体的な施策を書いた。店頭で買取を実施する店長及びスタッフには、買取研修と同時に日本リユース業協会が主催するリユース検定を受験させ、それに合格してリユース営業士の資格取得を義務づけていく様にした。
 
我々たんす屋にとって買取と同じく大切になっているのが「コンサイメント」、つまり委託販売である。
 
たんす屋の場合、買取した着物や帯はそのまま店舗で販売せず、必ず一旦新潟県十日町市の加工センターに送る。そこで全品丸洗いし、殺菌加工、抗菌加工、消臭加工をして検針し、更にプレス加工をする。
 
この一連の加工をリファインと呼んでいるが、ここに時間と手間とコストをかけている事が、多くの消費者のご支持を得ている所以と考えている。
 

「買取価格が安い」お客から指摘

この買取に加えて約5年前から店舗でコンサイメントを始めた。きっかけは、お客様からたんす屋の買取価格が安いとのご指摘を頂いた事だった。たんす屋は買取をした後に、リファインにコストをかける為、どうしても買取価格が安くなる傾向は否めない。
 
その点コンサイメントは、在庫リスクをたんす屋が負わないので、着物や帯を持ち込まれたお客様に、お戻しできる金額も高くなる。しかし、それでもお客様にお支払いできる金額は販売価格の50%である。
 
例えば買取の場合、持込み頂いた訪間着を買取査定担当が5000円と査定すれば、お客様はそれを了承するか否かしかない。但し、現在「たんす屋お買物券」で受取る選択をすれば、受取金額を倍付するキャンペーンを実施している。よって現金5000円を受け取るか、お買物券1万円を受け取るかの選択ができる。
 

お買い物券なら現金の150%

一方コンサイメントの場合は、お客様がお持込みになられた訪間着を、店長が上代価格3万円でなら売れると査定しても、お客様はその価格をある程度は交渉できる。「なんとか4万円で売れないの?」と言った具合である。当然まったく可能性の無いような価格はお受けできないが、お客様がご希望されれば売れる可能性は下がる事を了承頂いた上で、上代価格4万円でお預かりできる。
 
この訪間着が売れた場合、現在であれば50%の現金2万円をお客様にお支払いしている。しかし、「たんす屋のお買物券で受け取れば150%キャンペーン」を9月から計画している。つまりお客様はお買物券を選択すれば、3万円のお買物券を受け取る事が出来る様になる。
 
これがたんす屋のコンサイメントバージョンアップの具体的な施策である。この施策で、たんす屋のヘビーユーザーを囲い込みが出来るのではないかと期待をしている。
 
典型的なたんす屋のヘビーユーザーである私は、年間300日は着物を着ている。今ままではとことん着て相当コンディションが劣化してからたんす屋に売りに出し、うんと安い査定価格に甘んじてきた。最近はたんす屋の催事で「5点まで1500円のお買物券で下取サービス」を利用する事が増えた。
 
しかし先日、自宅の最寄りのたんす屋笹塚店に、着る事が無くなった着物4点をコンサイメントに持ち込んだところ、その内1点がすぐに売れた。上代価格8000円だったので、4000円を受け取ったが、この時にもし「たんす屋お買物券で150%」の選択肢があれば、確実に6000円のたんす屋お買物券を受け取ったに違いないと痛感した。これが偽らざるユーザー感覚である。
 
たんす屋サイドで考えても、現金で4000円支払うよりも、たんす屋お買物券6000円をお渡しする方が、はるか大きな優位性が存在する。
 

加工料金は売れた後でOK

更に持ち込まれた着物や帯がまったくの新品か又は洗いをして日が浅い場合、コンサイメントとしてそのままお預かりできるが、多くの場合販売する前にリファインと言う加工が必要になってくる。通常このリファインの価格は3800円である。多くの場合3点、5点、10点と複数の着物や帯を持ち込まれるので、3800円でも10点あればコンサイメントを依頼する以前に38000円もの金額が必要になる。この事に多くのお客様は躊躇される。
 
そこで、コンサイメントの場合、事前のリファインに必要な加工代金を販売時にその原価分だけ差し引く様にした。具体的にはリファインの原価2000円を、販売時の支払いから差し引く。例えば先ほどの4万円の訪間着が事前にリファイン加工が必要だったとする。その場合、あらかじめコストは1円も発生せず、4万円で売れた折に現金での受け取りを選択すれば「2万円-2000円=18000円」の現金を受け取るか、たんす屋お買物券を選択すれば「3万円-2000円=280000円」のお買物券を受け取るかになる。
 
このコンサイメントのバージョンアップで、ヘビーユーザーの囲い込みが大いに進捗すると考えていますがいかがだろうか。
 

⇧ 「PDF版」はコチラをクリック

*リサイクル通信*バックナンバー

【第216回 】バイセルテクノロジーズ
 2018.8.25 掲載
【第215回 】あきのや きもの処
 2018.7.25 掲載
【第214回 】横森美奈子のおしゃれ着物コーデ帖
 2018.6.25 掲載
【第213回 】GINZA SIX 薪能
 2018.5.25 掲載
【第212回 】上海逆求人
 2018.4.25 掲載
【第211回 】二刀流に挑戦!
 2018.3.25 掲載
【第210回 】和服と漢服
 2018.2.25 掲載
【第209回 】結果にコミット
 2018.1.25 掲載
【第208回 】チームj-culuture2020
 2017.12.25 掲載
【第207回 】上海2大学で講演
 2017.11.25 掲載
【第206回 】KPI装着ゲーム
 2017.10.25 掲載
【第205回 】産着に挑戦
 2017.9.25 掲載
【第204回 】コンサイメントを強化
 2017.8.25 掲載
【第203回 】着物の買取強化策
 2017.7.25 掲載
【第202回 】山本会長お疲れ様でした!
 2017.6.25 掲載
【第201回 】捨てるか売るか?
 2017.5.25 掲載
【第200回 】チーム着物2020
 2017.4.25 掲載
【第199回 】軽井沢でISAKとかるちゃ出店
 2017.3.25 掲載
【第198回 】たんす屋塾賞
 2017.2.25 掲載
【第197回 】チーム2020
 2017.1.25 掲載
【第196回 】磯村みどりの着物遊び処たんす屋
 2016.12.25 掲載
【第195回 】ウランバートルのファッションショー
 2016.11.25 掲載
【第194回 】成人式が変わる
 2016.10.25 掲載
【第193回 】日本フランチャイズチェーン協会
 2016.9.25 掲載
【第192回 】着物お手入れ得意店世界一を目指す
 2016.8.25 掲載
【第191回 】クロスメディア戦略
 2016.7.25 掲載
【第190回 】小学校の卒業式は着物で
 2016.6.25 掲載
【第189回 】2回の引越し
 2016.5.25 掲載
【第188回 】きものプラス
 2016.4.25 掲載
【第187回 】東京きものレンタルショップ
 2016.3.25 掲
【第186回 】きものや じゃぽん
 2016.2.25 掲載
【第185回 】さよなら池田重子さん
 2016.1.25 掲載
【第184回 】ネット集客
 2015.12.25 掲載
【第183回 】和装振興協議会
 2015.11.25 掲載
【第182回 】TOKYO KIMONO STATION by Tansuya
 2015.10.25 掲載
【第181回 】ガイアの夜明け
 2015.9.25 掲載
【第180回 】リクルート MOMO HACK
 2015.8.25 掲載
【第179回 】和装振興研究会
 2015.7.25 掲載
【第178回 】下諏訪きものプロジェクト
 2015.6.25 掲載
【第177回 】全通全景プレミアム袋帯
 2015.5.25 掲載
【第176回 】ピンポイントSPA
 2015.4.25 掲載
【第175回 】コンサインメントに全面拡大に挑戦
 2015.3.25 掲載
【第174回 】ハードオフとのシナジーを模索
 2015.2.25 掲載
【第173回 】中村喜久蔵コレクション
 2015.1.25 掲載
【第172回 】下取り企画の威力
 2014.12.25 掲載
【第171回 】富士山清掃
 2014.11.25 掲載
【第170回 】父の三回忌
  2014.10.25 掲載
【第169回 】夏に強いたんす屋実現へ
 2014.9.25 掲載
【第168回 】誕生祭の成功に向けて
 2014.8.25 掲載
【第167回 】振袖戦略
 2014.7.25 掲載
【第166回 】JFA大会
 2014.6.25 掲載
【第165回 】たんす屋大宮ステラタウン店オープン
 2014.5.25 掲載
【第164回 】ブランディング
 2014.4.25 掲載
【第163回 】ハギレの力
 2014.3.25 掲載
【第162回】たち吉meetsたんす屋
 2014.2.25 掲載
【第161回】徹底して夏に強いたんす屋になる
 2014.1.25 掲載
【第160回】消費増税をチャンスに変える!
 2013.12.25 掲載
【第159回】ABCクッキングスタジオ
 2013.11.25 掲載
 
 
 
 
リサイクル・リユース市場を読み解く業界唯一の経営情報専門誌