第205回 産着に挑戦
 

新品が良いが一度限りはもったいない
新品をウリにした産着レンタル

通過儀礼と着物は大きな関わりを持ってきた。日本人にとって大切な通過儀礼は、お宮参り、七五三、入学式、成人式、卒業式、結婚式、そして葬式などである。
 
この中で一番最初にやって来るのがお宮参りだ。お宮参りは、生後1ヵ月頃に氏神様にお詣りをするしきたりである。正式には男児は生後31日目、女児は生後32日目にお詣りするのが決まりだが、天侯や両親、祖父母の都合で決めていることが多いようだ。この時に赤ちゃんにかけるのが産着である。たんす屋はこの一番最初にやって来るお宮参りをしっかりと応援して、その後につなげていきたいと考えている。
 

従来の当たり前を逆手に取る

そこでこの度「たんす屋の新品産着レンタル」を企画することにした。この企画の特徴は“新品レンタル”である。通常レンタルは繰り返しお貸しするものだが、たんす屋は産着のレンタルを新品に特化してアピールすることに挑戦しようと考えている。従来の常識の逆転である。
 
従来の常識は、レンタルは繰り返しお貸しするもので、誰かが借りたものを又お貸しすることが当たり前だ。そして購入は、新品を買うことが当たり前だ。この従来の当たり前を、逆手に取って見ようと言う挑戦である。つまり、レンタルを新品に特化してアピールするのである。
 
産着の使用回数は基本的に1回限りである。昔の様に5人兄弟、6人兄弟が当たり前の時代と違って、今はほとんどが子供1人か2人の夫婦である。つまり、1回使用した産着を、次に弟や妹に着せるチャンスはごくごく稀だ。それ故に買うのはもったいないという気持ちが働くが、知らない誰かが使ったものを借りるのも気が進まない。この様な気持ちになる人が少なからずいる様に感じる。
 
これは単なる顧客心理の予測ではなく、等身大の実感である。実は年内に初孫が生まれる予定だ。当然ながら近い将来ジジババになる2人は嬉しくて仕方がない。産着は当然用意するつもりだが、高額な新品を購入することは1回限り、それもわずか1時間かそこらのお宮参りの為だけに、と考えると正直躊躇する。そうかと言って、貸衣装で何回も着まわした産着を初孫に着せるのも気が進まない。正直な思いは“新品をレンタル出来るなら、多少通常のレンタルより高くてもいい”これが私個人の偽らざる実感である。
 

価格は新品の三分の一以下

現在、価格帯を松竹梅のスリープライスで計画している。松が2万円、竹が15000円、梅が1万円だ。我が初孫には、松の2万円をレンタルしたいと思う。新品を購入する事と比較すると3分の1以下である。そして何よりレンタルは、返却してしまえば後の保管とメンテナンスの手間から解放される。
 
店舗には店長の希望に従って男児、女児の現物を1点ずつ在庫投入し、あとはカタログで見てもらう様にする。例えば、松の男児1点と、竹の女児1点を在庫しても良いし、梅の男児、女児を各1点ずつ在庫してもいい。
 
お客様への訴求の切り口は、あくまで「たんす屋の新品産着レンタル」であるが、新品の購入を希望された場合は、松を5万8000円、竹を3万8000円、梅を2万8000円で販売することも視野に入れている。
 

“新品と見紛う”で再レンタル&販売

次に「新品産着レンタル」から返ってきた産着を、どうするか、が最も大事な課題である。私の現在の考えは「新品産着レンタル」から返ってきた産着を「新品と見紛うリユース産着」とネーミングする予定だ。一度だけ、1時間程度赤ちゃんに掛けただけの産着なので「新品と見紛うリユース産着」と言っても決して大袈裟ではない。
 
そしてこの「新品と見紛うリユース産着」をレンタルならば、梅を例にすると7000円でレンタルするか、又は2万円で販売する様に考えている。更に、「新品と見紛うリユース産着」がレンタルから返ってきたら、「新品とほぼ(・・)見紛うリユース産着」とネーミングする予定である。これを更にレンタルする場合には、同じく梅を例にすると5000円で、又、リユース産着として販売する場合には1万5000円で販売する。これがレンタルから戻ってきたら、今度はただの「リユース産着」とネーミングする。これをレンタルする場合には3000円で、販売する場合には1万円で販売する。
 
つまり「たんす屋の新品産着レンタル」を切り口に、レンタルとリユースとセルを一体化しようと言う計画である。この発想は、“実はレンタル事業は売れ筋リユース商材の製造プロセス”という考えが根底にある。産着市場に挑戦するプロセスで、この新品レンタルと売れ筋リユース商材の製造がリンクして機能し出せば、他のアイテムにも応用できると確信している。9月20日から実験を予定しているが、果たしてこの仮説が実際に消費者の琴線に触れることができるだろうか。
 

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