リユース着物 たんす屋

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2025年09月01日

着物で旅行!  準備・コーデ・マナー完全版:後編

着物で旅行!準備・コーデ・マナー完全版後編トップ画像



前編・中編と続いてきた「着物で旅行!準備・コーデ・マナー完全版」。前編では旅の準備と着物選び、中編では着物のパッキング術から旅先での着崩れや汚れへの対処法まで、実践的なノウハウを解説してきました。

最終章となる後編では、旅先での着物の美しい振る舞い方、レンタルサービスの賢い利用法、そして思い出を彩る写真術まで、着物旅を最高の体験にするための具体的なヒントと細やかな配慮を凝縮してお届けします。


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目次

7. 快適に歩く・座る・食べる
 7-1. 歩く:裾も帯も乱れない“基本フォーム”
 7-2. 階段・段差の裾さばき
 7-3. 座る:帯をつぶさない“浅掛け”
 7-4. 食べる:袖・衿・帯を守る三種の神器
 7-5. バッグ&荷物の持ち方
 7-6. 交通機関での所作(列車・バス・タクシー)
 7-7. トイレで崩さない手順(洋式)
 7-8. 写真映えの“5秒所作”
 7-9. 30秒ドリル(ホテルで練習)
 7-10. マナーのミニ注意
 7-11. 旅の“ラク見え”小ワザ
8. リユース&現地サービスの賢い使い分け
 8-1. リユース店の選び方(購入・下見のポイント)
 8-2. レンタル店の選び方(現地利用)
 8-3. 自前×レンタルの “ミックス術” 3レシピ
 8-4. ヘアセット&撮影プランの選び方
 8-5. 契約・トラブル回避チェック(保存版)
 8-6. “旅の導線”にハマる店舗選び
 8-7. リユース購入×レンタル併用のスケジュール例(2泊3日)
 8-8. 旅費を賢く使う“コスパ配分”
 8-9. ちょい足しアイデア(独自性UP)
 8-10. ミニチェックリスト(サービス活用編)
9. マナー&写真術:気持ちよく楽しむために
 9-1. 共通マナーの基本(どこでも通用)
 9-2. 神社仏閣・史跡の配慮ポイント
 9-3. 町家・路地・店舗前での心遣い
 9-4. 飲食店での所作(帯&袖を守る)
 9-5. リユース着物の“魅せ方”マナー
 9-6. ポージング:帯・衿・手先がきれいに見える
 9-7. 構図&光:着物が映えるセオリー
 9-8. スマホ撮影の即効テク
 9-9. “使えるショットリスト”(旅の定番10カット)
 9-10. 雨・風・雪・夜景の撮り分け
 9-11. ことばのミニ台本(お願い・お礼)
 9-12. SNS投稿前のチェック
 9-13. 直前1分“映え”チェック

付録A:旅の持ち物チェックリスト(リユース着物版)

付録B:用語ミニ辞典(旅で役立つひとことメモ付き)

7. 快適に歩く・座る・食べる

着物で旅するって、ちょっとドキドキしますよね。この章では、着物姿を一日中素敵に保つための、歩き方、座り方、食事のちょっとしたコツをご紹介します。

慣れない所作も、これを読めばきっと安心。旅先での時間を、もっとゆったりと、そして優雅に楽しむためのお手伝いができれば嬉しいです。

用語メモ
裾さばき
:歩く・階段で裾を乱さず運ぶ所作。
浅掛け:椅子に浅く腰掛け、帯に体重をかけない座り方。
懐紙(かいし):口元・食器・衣服の保護に使える和紙。
(百貨店の和装小物やリビング用品売り場、文具店・茶道具店で手に入りやすい)
おはしょり:腰のあたりの折り返し部分。ここが整うときれいに見える。

7-1. 歩く:裾も帯も乱れない“基本フォーム”

着物での旅行は、歩き方一つで着崩れや疲れが変わってきます。このセクションでは、美しい着物姿を保ちながら快適に歩くための基本をご紹介します。

立ち姿セット(3秒)

  • つま先はやや内向き、かかとをこぶし1個分開けましょう。
  • みぞおちを斜め上に伸ばす(反らない)。
  • 両手はみぞおち下に軽く重ねる(写真映え&袖の安定)。

歩き方

  • 歩幅は足1足分。大股は裾落ちの原因。
  • ひざは前へ滑らせる意識。上下に弾まない。
  • 風の強い日は左手で前合わせを軽く押さえる。右手は荷物。
  • 信号待ち:右足を半歩後ろに引くと裾が揺れにくい。

リユース正絹は落ち感が良い分、歩幅が広がりがち。5%だけ狭めるを意識。

7-2.   階段・段差の裾さばき

着物で階段や段差を上り下りする際は、裾さばきが重要です。着崩れを防ぎ、美しくスムーズに移動するためのポイントを解説します。

上り

  • 左手で前裾の端だけを2–3cm持ち上げる。
  • 体はやや前傾、足裏全体で踏む。
  • 片手は手すり、もう片手で前合わせを押さえる

下り

  • つま先から小さく
  • 帯の重さが後ろに行かないよう低重心
  • 視線は1~2段先。裾は持ち上げすぎない(足首が見えすぎ注意)。

7-3.   座る:帯をつぶさない“浅掛け”

着物姿での座り方は、帯を傷めず、美しい姿勢を保つための大切な所作です。椅子や畳での「浅掛け」を中心に、帯をつぶさずに快適に座るコツをご紹介します。

椅子

  • 椅子の半分手前に立つ。
  • 帯を手で軽く後ろへ押さえながら、真下へ腰を降ろす。
  • 骨盤を前へスライドして背もたれとの隙間を作る(帯枕を背につけない)。
  • 裾は両手でひざ上で扇状に整える。

ソファ(沈む椅子)の回避策

  • できれば縁に浅く
  • クッションがあれば腰の後ろに入れて帯枕の段差を埋める。

畳(座礼)

  • 右足→左足の順で膝をつく(裾が乱れにくい)。
  • 帯枕が当たる人は、半幅帯低い帯枕にしておくのが旅向き。

7-4.   食べる:袖・衿・帯を守る三種の神器

着物での食事は、袖や帯、衿元への配慮が欠かせません。大切な着物を汚れから守り、スマートに食事を楽しむための「三種の神器」と具体的な所作をご紹介します。

和服食事する女性の写真

三種の神器懐紙/ナプキン/袖クリップ

  • 懐紙:膝の上に敷く→汁物の滴りをブロック。
  • ナプキン:帯上に水平で一枚(ベルトのように広げて置く)。
  • 袖クリップ:食器洗い用のミニ洗濯ばさみ+紐でも代用可。肘上で一時固定

衿の防御

  • ラーメン・汁物は顔を器へ近づける(器を持ち上げるのは店のルールに合わせて)。
  • 取り分け時は右肘を体側につけると袖が広がらない。

におい対策(焼き物・揚げ物)

  • 上に薄ショールをふわっと。食後は屋外で10秒振ってから収納。

7-5.  バッグ&荷物の持ち方

着物で旅行する際、バッグや荷物の持ち方も着崩れや疲労に影響します。美しい着物姿を保ちながら、スマートに荷物を持ち運ぶためのポイントをご紹介します。

  • 斜め掛けは帯の上を横切るためNG。
  • 手持ち or 肘掛けが基本。
  • 重い荷物→キャリーに任せる。手提げは右手、左手は前合わせキープ。
  • カメラは短めストラップで胸上に。帯に当てない。

7-6.   交通機関での所作(列車・バス・タクシー)

列車、バス、タクシーなどの交通機関を利用する際も、着物姿を美しく保つための所作があります。限られた空間でも着崩れせず、快適に移動するためのポイントをご紹介します。

タクシーに乗る和服女性の写真

  • 座席:浅掛け+帯に体重を乗せない。
  • 立つとき:両足を椅子の真下に、上体を起こしてから立つ。
  • 網棚:正絹や主役帯は足元 or 膝上。落下と温度差を避ける。
  • ドア付近の風:前合わせを左手で押さえる癖付け。

7-7.  トイレで崩さない手順(洋式)

旅先で着物姿のままトイレを利用する際、着崩れや汚れを防ぐためのコツがあります。洋式トイレでのスマートな手順と、袖や裾を守るための工夫をご紹介します。

  • 右手でおはしょりを帯ごと胸側に持ち上げ、左手で前裾をまとめる
  • まとめた布を帯上に一時挟み背面の帯結びを触らない
  • 袖は袖クリップで軽く束ねる。
  • 終了後は上から順に降ろす(裾→おはしょり→前合わせ→帯まわりを手のひらでならす)。

    ※和式は裾の汚れリスクが高いので、旅先は洋式推奨

7-8.   写真映えの“5秒所作”

せっかくの着物姿、写真で最高の思い出を残したいですよね。ほんの5秒でできる所作で、あなたの着物姿をより美しく見せるコツをご紹介します。

  • 斜め45度で立ち、背中側の足を半歩うしろへ(帯が立体的)。
  • 両手はみぞおち下で軽く重ね、親指を内側に隠す。
  • 顎は水平~やや引き
  • 歩きショットは歩幅小さく、前裾を2cmだけ持ち上げると動きが出る。

7-9.   30秒ドリル(ホテルで練習)

旅先で急に着崩れたり、所作に迷ったりしないためにも、ホテルでのちょっとした練習が効果的です。たった30秒でできる簡単なドリルで、着物での動きを体に馴染ませましょう。

  • 浅掛け→立つ3回:帯枕に体重をかけずに動けるか確認。
  • 階段3段:上り下りで裾を2cmだけ持ち上げる→手を離しても崩れない位置を体に記憶。
  • 懐紙セット:膝→帯上の順で置く所作を鏡でチェック。
  • 前合わせキープ:左手親指で衿の重なりをそっと押さえ、自然に見える手の角度を探す。

7-10.   マナーのミニ注意

着物で旅を楽しむ上で、周囲への配慮も忘れてはなりません。気持ちよく過ごすための、ちょっとしたマナーの注意点をご紹介します。

  • 店内の椅子は背もたれを汚さない(帯の粉・金箔移りに注意)。
  • 神社仏閣・文化財では壁や欄干に寄りかからない
  • 混雑時の撮影は10秒ルール(場所を占有しない)。
  • 香りは弱め。香道・食事処では特に配慮。

7-11.   旅の“ラク見え”小ワザ

着物での旅を、もっと快適で美しいものにするためのちょっとした工夫をご紹介します。着崩れしにくく、疲れにくい「ラク見え」のコツを味方につけて、旅の思い出を最高のものにしましょう。

  • 帯が下がりやすい人は、帯枕下に薄ハンカチ一枚で段差補正。
  • 裾が重い日は腰ひもを5mmだけ上に結び直す。
  • 正絹で滑る椅子→ショールを背もたれに一枚。
  • 長時間移動は**半幅帯(貝の口/カルタ)**が快適。

    これで動きのストレスを最小化できます。

8.  リユース&現地サービスの賢い使い分け


せっかくの着物旅、賢くお得に楽しみたいですよね。この章では、お財布に優しく、しかも自分らしい着物スタイルを見つけるためのヒントをお届けします。リユース着物の選び方から、旅先でのレンタルサービスの活用法、さらにはヘアセットや撮影サービスまで、あなたの着物旅を彩る素敵なアイデアが詰まっています。

8-1. リサイクル着物店の選び方(購入・下見のポイント)

賢くリサイクル着物、リユース着物を選ぶことは、旅の費用を抑えつつ、個性的なスタイルを楽しむ秘訣です。リサイクル着物店、リユース着物店の見極め方から、購入・下見の際にチェックすべきポイントまで、失敗しないためのヒントをご紹介します。

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A. 状態ランクと実物チェック

  • ランク表記:S/A/B/C は目安。写真の光撮影角度で見え方が変わるので、
    • 衿・袖口・裾回りの擦れ
    • 胴裏の黄変(白生地がクリーム色化)
    • におい(旧防虫剤・カビ)

      を必ず確認。
  • しつけ糸(未使用の目安)が残っていても、保管年数で劣化はあり得る。

B. サイズの“赤信号”

  • が自分の裄−2cm以上短い
  • 身丈が身長−5cm以上短い(おはしょりが薄くなる)
  • 前幅+後幅でヒップに不足(歩くと前が開きやすい)

C. 旅向きの素材・柄

  • 正絹の無地~細小紋:写真で高見え。
  • 銘仙・紬:一点ものの表情。日中の街歩きに。
  • アンティーク帯:主役力高いが金銀箔の剥離には要注意。

D. サービス面

  • 簡易お直し(裄直し/半衿付け)可否
  • クリーニング提携の有無(旅後のケアがラク)
  • 返品・交換ルール(通販の場合)

旅前の下見は衿・袖口・裾匂いサイズの順で。迷ったら動画通話で実物を見せてもらうのもアリ。

8-2.   レンタル店の選び方(現地利用)

旅先で着物をレンタルする際は、お店選びが重要です。快適な着物旅を叶えるために、予約時や来店時に確認すべきポイントと、賢い選び方をご紹介します。

レンタル着物で観光の写真

A. 必ず聞くべきこと

  • 返却方式:当日返却の最終時刻/翌日返却の追加料金
  • 雨天対応:雨コート/草履カバー/安心補償の範囲(泥・化粧汚れ・ほつれ)
  • サイズ展開:身長・裄・ヒップ・足(草履)
  • 着付け時間:繁忙期の所要・予約時間帯(朝イチは混雑回避)
  • ヘアセット:料金・所要・髪飾りの貸出
  • 支払い:現金/IC/クレジット、身分証の種類

B. 衛生面の安心材料

  • 足袋:新品購入 or 使い捨て提供があるか
  • 肌着:自前推奨(汗問題)
  • 半衿:化繊で洗濯済みか確認

C. 写真・移動が多い人向けプラン

  • 半幅帯可のプラン(座り・移動がラク)
  • 翌日返却可:夕景~夜景撮影や温泉街の宵に強い

8-3.   自前×レンタルの “ミックス術” 3レシピ

着物での旅行を最大限に楽しむには、自前のアイテムとレンタルサービスを上手に組み合わせるのが賢い選択です。あなたの旅をより豊かにする「ミックス術」を3つのレシピでご紹介します。

レシピ1:主役帯だけ自前

  • レンタル=着物・長襦袢・小物一式
  • 自前=一点ものリユース帯+帯留
  • メリット:写真の“格”が一段上がる/荷物は帯1本分のみ

レシピ2:衿元だけ自前(顔まわり勝ち)

  • レンタル=着物・帯
  • 自前=半衿(色/レース)+帯締め
  • メリット:顔映り&個性出し/サイズ難民対策に有効

レシピ3:足元&衛生優先

  • レンタル=着物・帯・小物
  • 自前=足袋(新品)+肌着+タオル
  • メリット:清潔&フィット感/長時間歩行が快適

いずれも、レンタル店に事前持ち込み可否組み合わせの規約を確認。

8-4.  ヘアセット&撮影プランの選び方

着物旅の思い出をより美しく残すために、ヘアセットと撮影は欠かせない要素です。あなたの着物姿を一層引き立てるための、賢いヘアセットと撮影プランの選び方をご紹介します。

和服に合う髪飾りの写真

A. ヘアセット

  • 所要:15~30分。朝イチ予約で人混み前に撮影へ。
  • 雨風対策ミニスプレー(無香)とUピンを自前で。
  • 飾り:アンティーク簪 or ガラス玉など軽めが旅向き。

B. 撮影(カメラマン or セルフ)

  • カメラマン手配
    • 開始時刻開門直後夕方の逆光タイム
    • 移動距離撮影許可/入場料の扱いを事前共有
    • 雨天時の代替プラン(アーケード・資料館)
  • セルフ
    • 広角+セルフタイマー、三脚NGの場所多し→小型クリップスタンドで柵に固定は不可。手すり使用も避ける。
    • 10秒ルールで場所を占有しない。

8-5.   契約・トラブル回避チェック(保存版)

着物レンタルや各種サービスを安心して利用するために、事前に確認すべき重要事項があります。旅先での思わぬトラブルを避け、気持ちよく過ごすためのチェックポイントをまとめました。

キャンセル規定(前日・当日・天候)

延滞翌日返却料金

汚損基準:どこから補償対象?油・化粧・泥・雨染み

サイズ交換の可否・無料回数

営業時間最終返却時刻

身分証・支払い方法

郵送返却の可否(温泉街→他県移動時に便利)

8-6.   “旅の導線”にハマる店舗選び

着物での旅行を快適に楽しむには、着付けやレンタルをするお店の立地も重要です。旅のスケジュールに無理なく溶け込み、移動や撮影がスムーズに進むような店舗選びのポイントをご紹介します。

  • 駅近 or 目的地の手前:着付け後すぐ撮れる導線。
  • コインロッカー動線:大荷物は先に預ける。
  • 雨の逃げ道:アーケード/博物館/町家カフェが徒歩5分圏内だと撮影継続が容易。

8-7.   リユース購入×レンタル併用のスケジュール例(2泊3日)

自前のリユース着物と現地でのレンタルサービスを賢く組み合わせることで、旅のスタイルはぐっと広がります。2泊3日の着物旅をより充実させる、具体的なスケジュール例をご紹介します。

日程午前午後
1日目現地着→レンタル着付け(半幅)まち歩き・工房体験宵の撮影(翌日返却プラン)
2日目自前リサイクル正絹+主役帯で神社・庭園カフェ・美術館ホテルで夜ケア
3日目雨予報→ポリ着物に切替駅土産→返却/発送帰路

8-8.   旅費を賢く使う“コスパ配分”

着物旅をより充実させるには、費用を賢く配分することが大切です。どこにお金をかけ、どこで節約するか。あなたの旅の満足度を高めるための、効果的な“コスパ配分”のヒントをご紹介します。

金沢駅前の和服女性の写真

  • 投資1位帯(主役)…写真で最も効く。
  • 投資2位ヘア&撮影…1時間のプロ撮影で旅の記憶が形に。
  • 節約:肌着・足袋は自前でOK/小物は三分紐+帯留だけでも十分華やぐ。

8-9.   ちょい足しアイデア(独自性UP)

あなたらしい着物旅をさらに特別なものにするために、ちょっとした“ちょい足し”の工夫を凝らしてみませんか。小物や着こなしに独自性をプラスして、忘れられない思い出を作りましょう。

  • 帯に現地の“色”を入れる:地場ガラス・染めの帯留をその場で調達。
  • 反物の端切れ帯揚げに即席アレンジ(幅を折って使う)。
  • 現地レンタルの羽織を1時間だけ追加(天候でON/OFF)。

8-10.   ミニチェックリスト(サービス活用編)

着物旅を計画する上で、各種サービスをスムーズに利用するための確認事項は多岐にわたります。忘れがちなポイントを網羅したチェックリストで、安心して旅の準備を進めましょう。

□ レンタル:返却時刻/補償/雨具/サイズ

□ ヘア:開始時刻/雨風対策/飾り

□ 撮影:許可・移動距離・代替案

□ ミックス:持ち込み可否/組み合わせルール

□ 支払い・身分証・ロッカー動線

9. マナー&写真術:気持ちよく楽しむために

着物で訪れる場所では、周りの方への心遣いも大切にしたいもの。この章では、心地よい旅のための基本的なマナーと、せっかくの着物姿を最高に美しく残すための写真術をご紹介します。

思い出を素敵に残しながら、訪れる人々や場所への感謝の気持ちを忘れずに、心温まる着物旅を実現しましょう。

カメラを持つ和服女性

9-1.   共通マナーの基本(どこでも通用)

着物での旅は、訪れる場所や人々に敬意を払うことで、より豊かな体験となります。どこへ行っても通用する、基本的なマナーの心構えをご紹介します。

心がけるべきこと

  • 歩行や参道はを歩く。行列や狭い路地では立ち止まらない
  • 私有地・店舗前・住居の敷地境界(石段・敷居)を越えない。
  • 撮影は10秒ルール:さっと構図→撮る→譲る。
  • 人物が入る時はひと声:「こちらで写真、よろしいですか?」
  • ゴミ・外したマスク・ショールは自分のバッグへ即収納

避けるべきこと

  • 三脚・自撮り棒の常用(禁止の場所が多数)。
  • 文化財・店内のフラッシュ
  • 他人の住居・車・洗濯物が写る私的空間の撮影
  • 建物や欄干・灯籠に寄りかかる/腰かける

9-2.   神社仏閣・史跡の配慮ポイント

厳かな神社仏閣や歴史ある史跡では、着物姿だからこそ一層気をつけたいマナーがあります。神聖な場所への敬意と、美しい着物姿を保つための配慮ポイントをご紹介します。

  • 鳥居で一礼→参道は端→手水→拝殿へ。
  • 立入禁止の結界は超えないこと。賽銭箱周りでの長時間撮影は避ける。
  • 撮影禁止の札・御神体・仏像の内部撮影はNG。
  • 玉砂利は草履が沈むので歩幅小さく、裾2cmだけ持ち上げる。
  • 神職・僧侶・巫女さんを撮る場合は必ず許可を得る。

9-3.   町家・路地・店舗前での心遣い

風情ある町家や趣のある路地、店舗前での着物姿は絵になりますが、そこには住民の生活やお店の営みがあります。周囲への感謝と配慮の気持ちを持って、スマートに過ごすための心遣いをご紹介します。

町家でくつろぐ和服女性の写真

  • 玄関や格子戸は私有地。敷居に腰かけたり、商品に触れての撮影は不可。ゴミを放置するのはもってのほかです。
  • 住民・配達の動線を塞がない。撮る前に左右後方を確認。
  • 早朝~午前中が狙い目。人通りが少なく10秒ルールが守りやすい。

9-4.   飲食店での所作(帯&袖を守る)

着物でのお食事は、帯や袖への配慮が欠かせません。大切な着物を汚さずにスマートに食事を楽しむための所作と、飲食店での心遣いをご紹介します。

  • 椅子は浅掛け、帯枕を背に当てない。背もたれが汚れないようショールを一枚
  • 懐紙を膝、ナプキンを帯の上に水平置き。
  • ラーメン・汁物は顔を器に近づける(お店の作法に従って)。
  • 香りは控えめ。香道やカウンター割烹では無香推奨。

9-5.   リサイクル着物の“魅せ方”マナー

リサイクル着物、リユース着物は、その独特の風合いや歴史が魅力です。せっかくの着物姿を写真に収めるなら、リユースならではの個性を最大限に引き出し、かつ周囲への配慮を忘れない“魅せ方”のコツをご紹介します。

  • アンティークの微細なヤケや織ムラ接写で“味”に
  • 一方でほつれ・箔剥離は無理に引っ張らない・触らない。
  • 店舗や人のブランド・顔が写る場合は掲載前に確認を。

9-6.   ポージング:帯・衿・手先がきれいに見える

せっかくの着物姿を写真に残すなら、帯や衿、手先の美しさにもこだわりたいもの。わずかな意識で、あなたの着物姿が格段に華やぐポージングの秘訣をご紹介します。

ポージングする和服の女性の写真

立ち姿 基本セット(5秒)

  • 体をカメラに対して45度
  • 後ろ足を半歩うしろ、かかとをこぶし1個分開く。
  • 両手はみぞおち下で重ね、親指は内側へ。
  • 顎は水平~やや引き、肩は下げる

動きのある所作

  • 歩きショット:歩幅は小さく、左手で前合わせを軽く押さえる。
  • 帯見せ:体を後ろ45度に、顔だけカメラへ。帯上に光を拾う。
  • 袖の表情:片手で袖口の輪郭をつままず、手の甲を内側に

9-7.   構図&光:着物が映えるセオリー

着物姿の美しさを最大限に引き出すには、写真の構図と光の使い方が鍵となります。旅の思い出をより鮮やかに彩る、着物が映える撮影のセオリーをご紹介します。

  • 逆光(夕方):帯の面が柔らかく光る。露出を−0.3~−0.7に。
  • サイド光(回廊・縁側):紬・絞り・銘仙の生地感が際立ちます。
  • リフレクション:雨上がりの石畳・水面で足元と裾の反射を狙う。
  • リーディングライン:回廊・参道・欄干で奥行きを演出。
  • 色のエコー:主役帯の1色を背景の提灯・暖簾・植物で拾う。
  • 余白:背景のごちゃつきは壁面・障子・空で抜く。

リユースの一点ものは柄の“物語”が鍵。背景に同時代感(レトロ看板・古家の木部)を少し混ぜると世界観が締まります。

9-8.   スマホ撮影の即効テク

特別な機材がなくても、スマートフォン一つで着物姿を魅力的に残すことは可能です。旅の思い出をSNS映えする一枚にするための、手軽で効果的な撮影テクニックをご紹介します。

スマホ撮影する和服女性の写真

  • レンズを拭く(指紋で眠い画になりがち)。
  • 全身は腰~胸の高さから。見上げ/見下ろしは被写体が歪む原因になります。
  • 顔にタップ→長押しでAE/AF固定→露出スライダーで−側へ微調整。
  • 等倍~2倍で歪み回避(超広角は体が広がる)。
  • 3~10秒セルフタイマー連写で自然な瞬間を拾うのがコツ。
  • 動画は横位置・ゆっくりパン。帯・袖の揺れが美しい。

9-9.   “使えるショットリスト”(旅の定番10カット)

せっかくの着物旅、思い出を写真に収めるなら、ベストショットを逃したくないですよね。旅の定番シーンで映える、押さえておきたい10のショットをご紹介します。

  • 全身正面(45度)
  • 帯アップ(逆光)
  • 袖と手元(茶器や冊子と)
  • 足元×石畳(反射・落ち葉)
  • 衿元アップ(半衿/帯締めの色エコー)
  • 階段俯瞰(裾のライン)
  • 背中+町並み(被写界深度浅め)
  • 小物フラットレイ(帯留・扇子・懐紙)
  • 横顔の所作(髪飾り見せ)
  • “物語”の手(欄干や暖簾に触れず近くに添える

9-10.   雨・風・雪・夜景の撮り分け

天気や時間帯によって、着物姿の美しさは様々に変化します。雨、風、雪、そして夜景といったシチュエーションで、着物の魅力を引き出す撮影のコツをご紹介します。

夜の街和服の女性の写真

  • :黒や藍の傘で顔に影→露出+0.3。石畳の反射を主役に。
  • :ショールを帯色にエコーさせ、裾は左手で2cm持ち。連写で“止まりすぎない”画。
  • 露出+0.7で白飛びに注意。雪は払うだけで触らない。
  • 夜景:光源を背に逆光シルエット。ISO上がりすぎる前に明るい場所へ半歩移動

9-11.   ことばのミニ台本(お願い・お礼)

着物姿での旅は、周囲の方々との心温まる交流が生まれることもあります。感謝の気持ちを伝えたり、配慮をお願いしたりする際に役立つ、スマートな「ことばのミニ台本」をご紹介します。

  • 店先で:「外から数枚だけ撮らせていただいてもよろしいですか?」
  • 神社で:「人が写らない角度で、フラッシュは使いません。撮ってよい場所はどちらでしょう?」
  • 人物に:「すてきなお召し物ですね。肩から上だけ撮ってもよろしいですか?」
  • 退出時:「ありがとうございました。長居せず失礼します。」

9-12.   SNS投稿前のチェック

撮影した着物姿の写真をSNSに投稿する前に、ちょっとした確認をするだけで、思わぬトラブルを防ぎ、安心して思い出をシェアできます。公開前に確認すべきポイントをチェックしましょう。

□ 他人の顔・車のナンバー・店の非公開情報は写っていない?

撮影禁止エリアのカットは入っていない?

□ 位置情報の公開は安全?(宿・自宅近辺は非公開推奨

□ お店のロゴや作品が写る場合はタグ付けor掲載可否を確認。

9-13.   直前1分“映え”チェック

写真を撮る直前に、ほんの1分でできる「映え」のための最終チェックです。着物姿をより美しく、そしてスマートに見せるためのポイントを確認しましょう。

□ 帯の水平/おはしょりフラット

□ 衿のV字が左右対称

□ 髪の後れ毛・ピンの見え

□ 袖クリップの付け忘れ/付けっぱなし

□ スマホの露出−0.3で色が締まるか

付録A:旅の持ち物チェックリスト(リサイクル・リユース着物版)

目的
忘れ物ゼロ・現地トラブル最小化。印刷して□をチェック。スマホのメモにコピペしても使えます。


1) 基本セット(“これが無いと着られない”)

□ 着物(天候に合わせて:ポリ1/リサイクル正絹1が鉄板)

□ 長襦袢(半衿付き)

□ 帯(名古屋/半幅)

□ 帯板/帯枕/帯揚げ/帯締め

□ 腰ひも×3/伊達締め×2/コーリンベルト×1

□ 襟芯/衣紋抜き(あれば)

□ 足袋(日数分+予備1

□ 肌着(上下 or ワンピ型)/ステテコ系


2) コーデ&個性出し(少数精鋭)

□ 半衿×2(白+色/レース)

□ 帯留×1~2(主役色を拾う

□ 羽織 or 薄ショール

□ 髪飾り(軽いもの/Uピン数本)


3) 雨・汚れ・温度差対策

□ 折りたたみ傘(濃色は色移り注意

□ 撥水ショール or 雨コート(セパレート)

□ 草履カバー or 底ゴム草履

□ 使い捨てカイロ(冬)/汗取りインナー(夏)

□ 予備足袋/足袋インナー


4) メンテ&応急(“現地ミニメンテキット”)

□ 懐紙/柔らかティッシュ/キッチンペーパー(当て布代替)

□ ベビーパウダー(油染み吸着)

□ 極やわらかブラシ(歯ブラシ可)

□ ウェットティッシュ(ノンアル

□ 透明ほつれ止め(ごく少量)/針と糸(帰宅後推奨)

□ コーリンベルト予備/和装クリップ×2

□ シリカゲル小袋(不織布の外側に)

□ ミニ当て布(綿ハンカチ)

□ 絆創膏・低刺激テープ(鼻緒ずれ)


5) リサイクル着物特有のケア用品

□ 薄紙(ティッシュでも可)…畳むに一枚

□ 防臭用:活性炭 or 重曹パック(直接触れさせない

□ 不織布袋×2~3(ビニール密閉はNG

□ ハードケース(帯留・簪用/メガネケース流用OK)


6) 収納・運搬ツール

□ 風呂敷(100cm前後)×1–2

□ メッシュポーチ(和装ユニットコーデユニットメンテ用に色分け)

□ たとう紙 or ガーメントバッグ(吊り移動用)

□ ハンガー×2(身頃・袖)

□ クリアファイル(半衿の折れ防止)

□ 小型体重計(必要なら荷物超過対策に)


7) 貴重品・支払い・連絡

□ スマホ/充電器/モバイルバッテリー

□ クレジットカード/交通系IC/小銭(賽銭・ロッカー)

□ 身分証(レンタル時に必要)

□ 予約情報(着付け・撮影・飲食)/緊急連絡先

□ 絆創膏・常備薬

帯の中にスマホやカードを直入れしない(落下・磁気不良・汗で劣化)。サコッシュ小を外に。


8) 1・2・3泊の“完成パック”例

1泊2日

  • 基本セット一式/帯:名古屋1+半幅1
  • 半衿:白+色/帯揚げ2・帯締め2・帯留1
  • 雨具(折りたたみ傘+草履カバー)/メンテキットS

2泊3日

  • 着物:ポリ+リサイクル正絹
  • 帯:主役名古屋1+半幅1(必要ならリバーシブル半幅を追加)
  • 小物:半衿3・帯揚げ3・帯締め3・帯留2
  • 薄羽織/ミニメンテキットS/ハンガー2

3泊4日

  • 着物:無地系正絹+柄系(銘仙等)+薄羽織
  • 帯:主役名古屋1+半幅1+“写真用”一点もの1
  • 小物:半衿3・帯揚げ3・帯締め4・帯留2
  • 雨寒両用:撥水ショール・カイロ・草履カバー
  • メンテキットM(薄紙・活性炭・シリカゲル追加)

9) 当日持ち歩き(外出用ミニポーチ)

□ 懐紙/ティッシュ/ウェットティッシュ

□ 袖クリップ×2

□ ベビーパウダー(小瓶)

□ 絆創膏・低刺激テープ

□ 口紅・ヘアピン・ミニスプレー(無香

□ モバイルバッテリー(薄型)


10) 帰宅後の“しまい”チェック

吊るして完全乾燥→手のひらで面プレス

□ 衿・袖口の汚れ確認(正絹は触りすぎない

□ たとう紙 or 不織布袋へ(防虫剤は直接接触NG

□ シリカゲルの交換日メモ

□ 写真の整理&次回の改善メモ(重かった物・使わなかった物)


11) 1ページ版(コピー用)

□ 着物/長襦袢/帯(名古屋・半幅)/帯板/帯枕/帯揚げ/帯締め

□ 腰ひも×3/伊達締め×2/コーリン/襟芯/足袋(+予備)

□ 半衿×2/帯留/羽織orショール/髪飾り

□ 折り傘/撥水ショール/草履カバー/カイロor汗取り

□ 懐紙/ノンアルウェット/ベビパ/やわらかブラシ/当て布

□ 和装クリップ×2/コーリン予備/ほつれ止め/シリカゲル

□ 風呂敷/不織布袋/メッシュポーチ色分け/ハンガー×2/薄紙

□ スマホ/充電/IC・カード・小銭/身分証/予約情報/常備薬

□ 帰宅後:完全乾燥→収納→シリカゲル交換日→改善メモ


付録B:用語ミニ辞典(旅で役立つひとことメモ付き)

各項目は意味 → 旅で役立つポイントの順で簡潔にまとめます。


1) 着物・襦袢まわり

  • 着物(きもの)

    正装~普段着まで幅広い和服の総称。

    → 旅はポリ/リサイクル正絹の二軸が実用的。
  • 長襦袢(ながじゅばん)

    肌着と着物の間に着る下着。衿だけ外から見える。

    半衿付きを持参すると時短。
  • 半衿(はんえり)

    長襦袢の衿に縫い付ける細長い布。汚れ防止&アクセント。

    → 旅は化繊が洗えて安心。色物で“差し色”に。
  • 衣紋抜き(えもんぬき)

    襦袢の背に縫い付け、首後ろの抜き具合を安定させる布。

    → 写真でうなじの抜けがきれいに。
  • おはしょり

    着丈調整で帯下にできる折り返し。

    フラットだと全身が一段きれいに見える。
  • 裄(ゆき)/身丈(みたけ)

    袖の長さ/着物の長さの実寸。

    → リユース購入は裄±1cm、身丈=身長±5cmが目安。

2) 帯・結び

  • 名古屋帯

    普段~きれいめ用。お太鼓結びにする前提の帯。

    → カフェ・美術館・神社めぐりなど万能で活躍。
  • 半幅帯(はんはば)

    幅が狭い帯。軽くカジュアル。貝の口・カルタなど多彩。

    → 長時間移動・座る日向き。
  • お太鼓(おたいこ)

    名古屋帯の代表的な結び。背中に四角い太鼓型ができる。

    → 帯枕の高さは肩甲骨下に安定させる。
  • 貝の口(かいのくち)

    半幅帯の平たい結び。背もたれOK。

    → 列車・カフェで疲れにくい。
  • カルタ結び

    半幅帯を薄い板状に重ねる結び。すっきり軽快。

    → 夏・食べ歩き日に。
  • 三分紐(さんぶひも)

    幅細の帯締め。帯留を通すのに使う。

    → 旅は一本で表情チェンジが効く。
  • 帯留(おびどめ)

    帯締めに通す飾り。ガラス・陶・金工など多彩。

    主役の色を拾うと統一感。
  • 帯板(おびいた)

    帯の前面を平らに保つ板。

    → スーツケースで仕切りとしても有能。
  • 帯枕(おびまくら)

    お太鼓の上部を支えるクッション。

    → 長時間は低めが楽。

3) 着付け小物

  • 腰ひも

    体に着物を留める布ひも。

    3本あれば安心(襦袢・着物・補整)。
  • 伊達締め(だてじめ)

    襦袢や着物の上から巻いて面を整える布。

    2本(襦袢用・着物用)が基本。
  • コーリンベルト

    クリップ付きゴムベルトで衿をキープ。

    → 風の日の衿崩れ防止に強い。
  • 襟芯(えりしん)

    半衿の中に入れる細い板。衿をシャープにする。

    → 写真で首元がすっきり
  • 和装クリップ

    一時固定用クリップ。袖留め・衿仮止めに。

    → 手水・食事の袖保護に必携。

4) 生地・季節語

  • 正絹(しょうけん)

    絹100%。光沢・落ち感が美しい。

    → リユースで挑戦コストが下がる。雨は即応乾燥。
  • ポリ(ポリエステル)

    しわ・雨に強く扱いやすい。

    雨予報の日の主役
  • 木綿/ウール

    普段着ゾーン。動きやすく温度適応も良い。

    → 城下町散策・冬旅に。
  • 紬(つむぎ)

    節のある糸で織った素朴な風合いの生地。

    → サイド光で地の表情が映える。
  • 銘仙(めいせん)

    大正~昭和の鮮やかな普段着絹織物。

    → 一点もの感が強く主役に最適。
  • 博多帯

    博多織の帯。ハリがあり締めやすい。

    → 旅でも緩みにくい
  • 袋帯

    礼装寄りの帯。観光旅では出番少なめ。

    → 荷物は名古屋中心で軽量化。
  • 絽・紗(ろ・しゃ)

    夏用の透ける生地。

    → 真夏の涼感に。

5) 仕立て・構造

  • 胴裏(どううら)

    袷の着物の内側の裏地。

    → 黄変は着用不可ではないが、白襦袢との透けコントラスト要注意。
  • 八掛(はっかけ)

    裾回りの裏地。歩くとチラ見え。

    擦れやすいので畳む角に薄紙。
  • おくみ線

    前身頃の切替ライン。

    → 畳み時の整え基準

6) 状態・メンテ用語

  • ヤケ

    日光等で色が薄くなる経年変化。

    → 帯位置・小物配色で視線コントロール
  • 色泣き

    濡れで染料がにじむ現象。

    → 濃色・古布は濡れ拭き厳禁
  • しみ抜き

    汚れを専用処理で落とすこと。

    → 旅行中は広げず止めるまで。帰宅後プロへ。
  • 悉皆(しっかい)

    洗い・染め替え・仕立て直しなど和装全般の職人サービス。

    → 旅用リユースは信頼先を1つ持つと安心。

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7) たたみ・収納

  • 本だたみ

    標準の畳み方。

    面で押さえ、つままないがシワ防止。
  • 袖畳み

    袖を先に折るコンパクト畳み。

    20–25Lリュックに収まりやすい。
  • たとう紙

    和紙の保管包み。通気・湿度調整に優れる。

    → ホテル到着後は即吊るす前提で使用。
  • ガーメントバッグ

    吊り下げて運ぶケース。

    → 雨天はレインカバー併用。
  • 不織布袋/薄紙

    通気袋/角の擦れ防止用紙。

    → ビニール密閉はNG(結露の原因)。

8) アウター・小物

  • 羽織(はおり)

    着物の上に着る上着。屋内もOK。

    → 冷房対策・写真のレイヤー感に。
  • 道行コート

    外套。四角い衿が特徴。

    → 冬旅・風対策に。
  • ショール

    帯上に掛けて保温・撥水・目隠し。

    帯面ガードの最終兵器。
  • 草履カバー

    雨用の透明カバー。

    → 1組で足元ストレス激減

9) レンタル・購入周り

  • サイズ展開

    店舗による在庫サイズの幅。

    → 予約時に裄・身丈・草履サイズを伝えます。
  • 安心補償

    汚損時の修理費用をカバーするオプション。

    泥・化粧・雨染みの扱いを必ず確認しましょう。
  • 返品・交換

    通販リユースでのルール。

    → 到着後は衿・袖口・裾・匂いを即チェックしましょう。

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