リユース着物 たんす屋

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2025年10月07日

リサイクル着物で叶える!男のカジュアル着物デビュー完全攻略(選び方・着付け・ケアまで)後編

カジュアル着物デビュートップ画像

前編・中編で着物選びの準備を整え、実践的な知識を学んだあなた。この後編では、リサイクル着物(リユース着物)での男着物ライフを本格的にスタートするための「購入から日々のケア、よくある疑問の解決」までを網羅して解説します。

失敗しないための最終チェックリスト、自宅でできる手入れと保管方法、そして着物に関するQ&Aを通じて、安心して着物のある生活を始められるよう、具体的な運用フェーズをお伝えします。気軽に男の着物の世界を楽しみ、着こなしを深めていきましょう。

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目次

前編
1. 本記事のゴール
 1-1. この記事で得られること
 1-2. 前提:この記事の想定シーン
 1-3. 方針:入門でつまずかない3つの原則
 1-4. 記事の読み方(ロードマップ)
2. まずはこれだけ揃えればOK
 2-1. 各アイテムのポイント
 2-2. “最初の買い方”セオリー
 2-3. これだけチェック!
3. 予算別・入門スターターセット
 3-1. まずは3万円セット(リユース×洗える素材)
 3-2. 5万円セット(質と快適性を一段アップ)
 3-3. 7〜8万円セット(羽織込みで“きちんと感”)
 3-4. 10万円前後セット(長く使える“定番”を厳選)
4. どこで買う?入手先の選び方
 4-1. リユース専門店(店舗)
 4-2. オンライン(リユース着物店)
 4-3. フリマアプリ・オークション
 4-4. セット販売の賢い活用法

中編
5. 失敗しないサイズ選び(男着物・実践ガイド)
 
5-1. まず覚えるべき“5つの寸法”
 5-2. 自分で測る(家でできるカンタン採寸)
 5-3. 数値の“早見ヒント”と許容差
 5-4. 商品ページの採寸“読み方”と“落とし穴”
 5-5. 試着のチェック(鏡の前で“5点チェック”)
 5-6. “裄出し”などお直しの可否を見極める
 5-7. 長襦袢と羽織のサイズ関係
 5-8. 体型別アドバイス
 5-9. フリマ/個人出品での“採寸翻訳”
 5-10. 最後のチェックリスト(保存版)
6. 似合う色・柄の選び方(最初は外さない)
 
6-1. まずは“外さない”ベースカラー3本柱
 6-2. 柄は“小さく・細く・控えめ”から
 6-3. 体型・印象別の“見え方調整”
 6-4. 肌のトーン/髪色とのバランス(実用版)
 6-5. 季節感の出し方(色・素材・小物の三点セット)
 6-6. 3秒で決まる“色合わせの型”
 6-7. 羽織を足すときの色設計
 6-8. NGになりやすい組み合わせ(入門期)
 6-9. ミニカプセル・ワードローブ(2着+帯2本で回す)
 6-10. 買う前の色チェック術(オンラインで失敗しない)
7. 素材別のメリット・デメリット(洗える素材中心)
 
7-1. まずは早見表(実用優先)
 7-2. 各素材の“入門視点”詳説
 7-3. (番外)正絹の立ち位置
 7-4. 入門者あるある“誤解”を先回りで解消
 7-5. 素材を“写真だけ”で見分けるヒント(オンライン向け)
 7-6. 素材別ケアの“これだけ”ポイント
 7-7. 迷ったらこう選ぶ(入門の処方箋)
8. シーン別コーデの組み立て方
 
8-1. 普段着(カフェ・散歩・買い物)
 8-2. きちんと目(食事会・観劇・ギャラリー)
 8-3. 夏(初夏〜盛夏)
 8-4. 雨の日(旅行・通勤の悪天候)
 8-5. 1日中歩く日(旅行・街歩き)
 8-6. “写真映え”させる日の作り方(SNS・記念日)
 8-7. さらにラフに寄せたい日(カフェ・作業)
 8-8. 小物の足し算で“きちんと”に寄せる
 8-9. すぐ真似できる“完成コーデ”4選(保存版)
 8-10. 失敗を避けるチェック(出かける前の5秒)

後編
9. 買い方の手順(チェックリスト付き)
 9-1. 最短ルート(10ステップ)
 9-2. チャネル別フロー
 9-3. 15分“仮試着”プロトコル(家でやる)
 9-4. 到着後チェック(返品期限内に必ず)
 9-5. 初回メンテの手順(洗える素材)
 9-6. コピペOK:問い合わせテンプレ
 9-7. 3万円カートの“電卓ルール”
 9-8. 着物選びの落とし穴と対策
 9-9. 直前5秒チェック(家を出る前)

10. お手入れ・保管
 10-1. 洗える素材の基本プロトコル(長着・長襦袢)
 10-2. “着た日〜翌日”の時短ルーティン(5分)
 10-3. 汗・雨・においの緊急対応
 10-4. 素材別・要点まとめ
 10-5. 小物のお手入れ
 10-6. 収納・保管(シーズンイン/オフ)
 10-7. よくあるトラブルと解決
 10-8. 旅行・出張の持ち運び術
 10-9. “次もすぐ着られる”チェック(保存版) 

11. よくあるQ&A

12. まとめ(最短で始めるコツの再確認)
 12-1. 今週末から始める最短ルート(5ステップ)
 12-2. 3万円スターターの配分テンプレ
 12-3. 最初の1コーデ(保存版)
 12-4. 素材の指針(迷ったらこれ)
 12-5. “やらないこと”リスト(入門期の地雷)
 12-6. 1ページ・チェックリスト(印刷推奨)
 12-7. 次の一歩(“二枚目以降”の伸ばし方)
 

9. 買い方の手順(チェックリスト付き)

リサイクル着物での男着物ライフを本格的に始めるために、購入から日々のケア、よくある疑問の解決までを網羅した「行動順テンプレート」をご用意しました。この流れに沿って進めれば、オンラインでも店舗でも、無駄な買い物やサイズに関する失敗をほぼ防ぐことができます。

9-1. 最短ルート(10ステップ)

 1.用途と季節を決めます

例えば、街着として一年中着用される場合は、ポリエステルや木綿の素材からお選びいただくのがおすすめです。

 2.ベース色を1色決めます

濃紺、墨黒、深緑のいずれかをお選びください。

 3.自分の採寸(第5章参照)

裄は実測値から±0〜+1cm、身丈は床から1〜3cm浮く程度が目安となります。

着物のサイズイラスト

 4.予算帯を固定

3万円、5万円、7〜8万円、10万円といった予算帯に応じて、主要な3点(着物、長襦袢、帯)に予算の7割を配分されることをおすすめいたします。

 5.購入チャネルを選ぶ

初心者の方は、実店舗または返品が可能なECサイトをご利用いただくと安心です。

 6.長着を先に確定(色・サイズ・素材)

裄が合う着物を最優先で確保されることをおすすめします。

 7.長襦袢を合わせる

裄は長着から0〜1cm短めが目安で、半衿付きで洗えるものをお選びください。

 8.帯を選ぶ

柔らかめの角帯(綿またはポリエステル素材)をおすすめいたします。色は焦げ茶、からし、藍の中から1本選ぶのが良いでしょう。

 9.小物は新品セットで

腰紐×2・伊達締め×1・足袋・(必要なら衿芯)。

 10.草履を試す/交換可を確認

鼻緒の当たりを優先してください。痛いと感じる場合は、履く機会がなくなってしまうためです。

9-2. チャネル別フロー

A)実店舗

 1.全身鏡の前で裄確認 → 手首の骨±1cm。

 2.後ろ裾が床から1–3cm浮くかチェック。

 3.前幅+後幅で帯下の重なりが4–7cmあるか。

 4.状態:肩テカり/衿黄ばみ/裾擦れ/匂いがないか。

 5.お直し可否:裄出し最大何cm可能か?費用・納期は?

 6.草履の試し履き:5分歩けるか。

 7.返品・交換規定を確認して購入。

B)オンライン(返品可のECサイト)

 1.採寸表(身丈“背から”表記か)と写真(自然光)を確認。

 2.裄の基準(背中心〜手首 or 肩幅+袖幅)を統一して比較。

 3.返品条件:到着後○日以内/タグ外し不可/送料。

 4.色名・混率・洗濯表示をチェック。

 5.草履は交換可表記のものを選ぶ。

 6.迷えば問い合わせ(テンプレは9-6へ)。

C)フリマ・オークション
  少しでも不安があれば、以下のことを確認しましょう。

 1.採寸の取り方を指定して確認(裄=背中心〜手首)。

 2.部分写真 (肩・衿・裾・裏地)などの写真を追加依頼しましょう。

 3.匂い・保管環境を質問。

 4.返品ポリシー(“説明にない重大欠陥”時の対応)を確認します。

 5.評価前に検品(9-4の到着後チェック参照)。

着物の出品件数の多いフリマ・オークションサイト

ヤフーオークション
楽天ラクマ
メルカリ

9-3. 15分“仮試着”プロトコル(家でやる)

 1.用意:長着・長襦袢・帯・腰紐2・伊達締め・足袋・大きい鏡

 2.長襦袢を着て半衿をピンと(衿芯)。

 3.長着を羽織り、腰紐→伊達締めで胴をフラットに。

 4.裄確認:腕を下ろして手首の骨±1cm。

 5.後ろ裾:床から1–3cm浮き。階段動作を試す。

 6.帯(貝の口)を結ぶ→結び目は水平、やや脇寄せで座りやすく。

 7.3分歩く→裾の乱れ帯の緩みを確認。

 8.写真を正面・横・背面で撮り客観視。

9-4. 到着後チェック(返品期限内に必ず行うこと)

☐ 採寸:裄/身丈/袖丈/前幅・後幅が表記通り

☐ 色味:自然光で許容範囲

☐ 状態:肩テカり・衿黄ばみ・虫食い・スレがないか

☐ 匂い:カビ・樟脳が強すぎない

☐ 洗濯表示:洗える表記か

☐ 長襦袢の半衿:清潔・交換可

☐ 草履:鼻緒の当たりOK(5分歩いて痛くない)

※問題があればタグは外さず写真を添えて出品者に期日内に連絡します。

9-5. 初回メンテの手順(洗える素材の場合)

 1.ネットに入れる(長着・長襦袢・半衿は白物と分ける)

 2.弱水流+中性洗剤(短時間)

 3.軽脱水→陰干し(肩幅広めハンガー)

 4.シワは当て布アイロン(半乾きがベスト)

 5.収納は不織布カバー+防虫剤(ウールは特に)

きもの保存袋ゆったり長尺タイプはこちらから→
防虫効果があるきもの収納袋はこちらから→

9-6. コピペOK:問い合わせテンプレ

EC・フリマ向け

・裄は「背中心〜手首」で何cmでしょうか?(肩幅+袖幅の内訳も分かれば助かります)

・身丈は「背から」採寸でしょうか?

・前幅/後幅/袖丈の実寸を再確認いただけますか?

・生地のテカり・ヤケ・虫食いの有無と、該当箇所のアップ写真をお願いできますか?

・洗濯表示のタグ写真を拝見できますか?

返品連絡(期日内)

〇月〇日着の注文番号XXXです。商品説明にない「(例:右肩の虫食い/強いカビ臭)」を確認しました。未使用(タグ付き)で保管しており、写真も添付します。返品方法をご案内ください。

9-7. 3万円カートの“電卓ルール”

着物デビューの予算を3万円に設定した場合、各アイテムにどれくらいの費用を割り振れば良いのでしょうか。

ここでは、限られた予算で後悔しないための「電卓ルール」をご紹介します。

  • 長着:40%/長襦袢:20%/帯:15%/草履:20%/小物:5% の割合がお勧め

    例)30,000円 → 長着12,000/襦袢6,000/帯4,500/草履6,000/小物1,500

9-8. 着物選びの落とし穴と対策

着物選びで成功するためには、裄(ゆき)を最優先し、濃い色で無地から細縞を選び、洗える表示のものを確認し、返品条件をチェックし、草履は履き心地を重視しましょう。

一方、失敗を避けるためには、「安いから」という理由でサイズを妥協しないことが重要です。光沢の強いものや大きな柄にいきなり手を出さないこと、タグをすぐに外さないこと、草履を「見た目だけ」で決めないことが重要です。

9-9. 直前5秒チェック(家を出る前)

☐ 半衿がピンとしているか(衿芯OK)

☐ 帯水平(貝の口の角がまっすぐ)

☐ 裾1–3cm浮き

☐ 袖の長さ左右同じ

☐ 予備の腰紐1本替え足袋をバッグへ

10. お手入れ・保管

入門の合言葉は「洗える・乾かす・しまう、を“同じ手順”で回す」。

ここでは洗い方/干し方/におい&汗対策/シーズンオフ保管まで、次もすぐ着られる状態をキープするコツをまとめます。素材別の注意点も併記します。

10-1. 洗える素材の基本プロトコル(長着・長襦袢)

対象:ポリエステル・木綿・麻・ポリ混(※タグで洗濯可の表示があるもの)

  1. 仕分け
    • 白半衿や白長襦袢は白物へ、濃色は濃色へ。
    • 帯は基本洗濯機不可(汗抜きは陰干し&拭き取りで済ませます)。
  2. 前処理
    • 衿や袖口の皮脂汚れには、少量の衣料用中性洗剤を軽く叩くようになじませてください。
    • 白半衿の黄ばみには、酸素系漂白剤の薄め液に短時間つけ置きすることをおすすめします(塩素系漂白剤は使用しないでください)。
  3. 洗い
    • 洗濯ネット(できれば大判)に畳んで入れる。
    • 弱水流/短時間(10–15分)/水 or ぬるま湯
    • 柔軟剤は静電気対策にも有効(ポリ・ポリ混)。
  4. 脱水
    • 短時間(20–40秒)で十分。シワの素になるので長回しは厳禁です。
  5. 干し
    • 陰干し一択肩幅広めのハンガー(着物ハンガー推奨)に通し、縫い目を整えて干してください。
    • 裾の重みでシワが落ちるように、下辺を軽く叩いて整えてください。
  1. 仕上げ
    • 当て布アイロン
      • ポリ/ポリ混:低温(110℃前後)押し当てのみ。
      • 木綿:中温(150℃前後)
      • 麻:高温(170–200℃)半乾きでスチームが最短。
      • ウール(基本ドライ):低温で押さえるだけ(滑らせない)。

※乾燥機、直射日光での乾燥、塩素系漂白剤のご使用、長時間のつけ置きは避けてください。

10-2. “着た日〜翌日”の時短ルーティン(5分)

 1.ハンガーに掛けて陰干し(30分〜数時間)

 2.霧吹きで軽く湿らせ→シワを手でのばす(ポリは特に効きます)

 3.衿と袖口を濡れタオルで軽く拭く(皮脂対策)

 4.においケア:無香料スプレー or 竹炭・シリカゲルを近くに置く

 5.完全に乾いたらたとう紙 or 不織布カバーで保管

10-3. 汗・雨・においの緊急対応

  • 汗びっしょり:当日中に陰干し→衿・脇裏を水拭き。翌日短時間洗い
  • 雨に濡れたタオルで押さえ取り→形を整え陰干し。ポリはそのまま乾燥でOK。木綿・麻は色移りに注意(濃淡を合わせて干すように)。
  • においが残る:風通しの良いところで一晩陰干し。それでも残るときは消臭スプレーを衣類の“裏面”中心に軽く掛けます
  • シワ強め:シワが強い場合は、浴室の湿気(シャワー後など)を利用して5〜10分ほど吊るし、その後、当て布をしてアイロンをかけることをおすすめします。

10-4. 素材別・要点まとめ

  • ポリエステル:最強のイージーケア。静電気対策で柔軟剤 or 静電スプレー。
  • 木綿初回は単独洗いで縮み具合を把握。干す前に縫い目をまっすぐ整えるとシワが残りません。
  • 半乾きでアイロンがコツ。シワは“味”ですが、座りジワは霧吹きでリセットしましょう。
  • ポリ混(レーヨン混など)タグ最優先。長時間の濡れ放置でテカり跡になることがあります。
  • ウール:基本はブラッシング→陰干し。洗うならドライが推奨です。虫食い対策を徹底しましょう。

10-5. 小物のお手入れ

  • 半衿(白):汚れやすいので予備を2–3枚用意しておくと安心です。半衿は取り外して手洗いし、アイロンで形を整えてください。もし取り外しがご面倒な場合は、差し込み式や替え半衿テープのご利用をおすすめいたします。
  • 足袋:洗濯ネットに入れ、弱水流で中性洗剤を使用し、形を整えて陰干ししてください。白足袋の汚れが気になる場合は、酸素系漂白剤で短時間ポイントケアを施すことをおすすめいたします。
  • :帯は基本的には陰干しのみで結構です。汚れが付着した場合は、固く絞った布で軽く叩くように拭き取り、完全に乾燥させてください。強いシミがある場合は、専門店にご相談いただくことをおすすめいたします。


「たんす屋」は着物に対する深い愛情と専門知識を持つスタッフがおり、お客様の思い入れや想いに寄り添ったサービスを提供しています。着物のお手入れのご相談はたんす屋へご用命ください。

たんす屋の着物お手入れサービスはこちらへ→

10-6. 収納・保管(シーズンイン/オフ)

通年:直射日光・高温多湿を避け、風通しの良い場所に収納・保管しましょう。

収納資材

 1.たとう紙(和紙)または不織布カバーをご利用ください(ビニール袋は「こもり臭」やカビの原因となる場合があります)。

 2.防虫剤や乾燥剤は、直接衣類に触れないように配置し、種類の異なるものを併用することは避けてください。化学反応により異臭が発生する場合があります。

配置:重ねすぎないように配置し、圧シワを防ぎましょう。また、月に一度は換気を行い、空気を入れ替えることをおすすめいたします。

シーズンオフ

 1.クリーニング or 家庭ケアで汗抜き

 2,完全乾燥させてください

 3.新しいたとう紙に入れる(1〜2年で交換目安)

 4.防虫剤・乾燥剤を入れて収納

「たんす屋」は着物に対する深い愛情と専門知識を持つスタッフがおり、お客様の思い入れや想いに寄り添ったサービスを提供しています。着物のお手入れのご相談はたんす屋へご用命ください。

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10-7. よくあるトラブルと解決

  • 衿の黄ばみ:酸素系漂白剤を薄めて短時間でケアすることをおすすめいたします。それでも落ちない場合は、半衿を交換する方が早い解決策となります。
  • テカり(当たり)アイロンの温度が高すぎることが原因です。当て布をして低温で、滑らせずに軽く押さえるようにしてください。
  • 色移り濃い色と淡い色の洗濯物を分けて洗うこと、特に新しい濃い色の木綿製品は最初に単独で洗うことをおすすめいたします。
  • 虫食い(ウール):虫食いを発見した場合は、ブラッシングと乾燥を行った後、防虫剤を使用することをおすすめいたします。また、近接の衣類も合わせてご確認ください。
  • カビ臭:長時間陰干しした後、重曹水で拭き取り、完全に乾燥させることをおすすめいたします。匂いが強い場合は、専門店にご相談ください。

10-8. 旅行・出張の持ち運び術

  • 畳み方本だたみ(一般的な着物の畳み方)→帯は別袋に
  • 持ち物:ミニ霧吹き/静電気防止スプレー/当て布に使える薄手ハンカチ替え半衿/予備の腰紐1本。
  • 現地ケア:浴室の湿気でシワ戻し→ハンガー陰干し。

10-9. “次もすぐ着られる”チェック(保存版)

☐ 洗う前に衿・袖口を前処理した

弱水流・短時間・ネットを守った

陰干しで完全乾燥させた

当て布アイロンで形が整っている

不織布カバー+防虫剤で保管した

☐ 月1の換気デーをカレンダーに入れた

11. よくあるQ&A(サクッと解決)


迷いやすいポイントを実務目線でまとめました。悩んだらここへ戻ればOK。

Q1. 単衣と袷、最初はどっち?

A. 迷ったら袷(あわせ)かやや厚手の単衣。秋冬〜春先まで使えます。真夏は麻や薄手単衣を追加していくのがお勧めです。

Q2. 角帯と兵児帯、入門は?

A. 角帯がおすすめ(結びは貝の口だけ覚えればOK)。さらにラフな日や作業用に、慣れてから兵児帯を1本足すと幅が広がります。

Q3. 足袋は白じゃないとダメ?

A. 街着は自由。白は清潔感、黒・紺はシックで汚れも目立ちにくい。最初は白+黒の2足が便利。

Q4. リユースで避けたいダメージは?

A. 肩のテカり/衿の黄ばみ/裾の擦れ/虫食い(ウール)/強い樟脳臭やカビ臭。写真のクローズアップで必ず確認。

Q5. サイズで最優先は?

A. 裄(ゆき)最優先。実測±0〜+1cm内に収まるもの。身丈は「床から1〜3cm浮く」なら多少の前後OK。

Q6. 洗える素材、結局どれにする?

A. 最初の1着=マット調ポリエステル(濃色無地)が最強。2着目で木綿、夏にを足す流れがラク。自信がついてきたら絹の着物に挑戦してみましょう。

Q7. コスプレ感を避けるには?

A. 濃色無地〜細縞 × マット質感 × 帯は渋色。半衿は白 or 生成りで清潔に。光沢強め・大柄は慣れてから。

Q8. 夏が不安。どう涼しくする?

A. 麻長着+麻角帯+メッシュ半衿/薄手襦袢。インナーは吸汗速乾。羽織は基本オフ。

Q9. 冬は寒くない?

A. 起毛インナー+足袋インナーで体感が激変。羽織をやや厚手に、必要ならコートを追加。

Q10. 雨の日は?

A. ポリエステル一択+撥水スプレー。合皮台の草履替え足袋をビニールで携帯。帰宅後は陰干し

Q11. 帯の長さはどのくらい必要?

A. 男性角帯はおおむね4m前後。体格が大きい人は**長め(4.2m前後)**を選ぶと結びやすい。

Q12. 女性物を誤購入しないコツは?

A. 袖丈:男物は約49cmが多い。前幅+後幅が広いのも男物の特徴。打ち合わせ(左前)・柄の雰囲気も確認。

Q13. 初回の着付け、どれくらい時間かかる?

A. 10〜15分が目安(慣れると5〜8分)。腰紐2本+伊達締め1本、帯は貝の口に固定。

Q14. 返品はどこまで可能?

A. ショップの規定次第。到着後すぐ採寸再確認・自然光で色味確認・写真記録→タグは外さず期限内に連絡。

Q15. 裄出しはどのくらい伸ばせる?

A. 個体差あり。合計2〜3cmが目安。肩山・袖付けの縫い代写真を見せてもらい判断。

Q16. 草履が痛い…対策は?

A. 鼻緒の当たりが原因。鼻緒調整可の店を選ぶ/柔らかい布鼻緒/足に当たる部分へ当て布。最初は短時間のお出かけで慣らす。

Q17. 羽織はいつ買う?

A. 2歩目のアイテム。長着で外出に慣れたら、同系色の羽織を足すとシーン対応力が一気に上がる。

Q18. クリーニングは必要?

A. 洗える素材は家庭ケアでOK正絹/ウールは基本専門店へ(汗抜き・しみ抜き)。普段着ならシーズン終わりに。

12. まとめ(最短で始めるコツの再確認)

男着物入門のカギは、たった3つ

 1.裄(ゆき)最優先

 2.濃色無地〜細縞 × マット質感

 3.“洗える表示”の素材(ポリ/木綿を軸に)

この3点を守れば、3万円からでも失敗なく始められます。

12-1. 今週末から始める最短ルート(5ステップ)

 1.色を決める:濃紺/墨黒/深緑のどれか1色

 2.採寸:裄=実測±0〜+1cm/身丈=床から1〜3cm浮き

 3.長着を先に確定洗える&マット調/サイズは裄重視

 4.長襦袢→帯→小物→草履の順に揃える

    〇 襦袢は半衿付き&洗える

    〇 帯は柔らかめ角帯(焦げ茶/からし/藍)

    〇 小物は新品セット(腰紐2・伊達締め1・足袋)

    〇 草履は鼻緒の当たり重視(交換可だと安心)

 5.15分“仮試着”:前合わせ・裄・後ろ裾・帯水平をチェック(第9章)

12-2. 3万円スターターの配分テンプレ

  • 長着 40%(例:¥12,000)
  • 長襦袢 20%(例:¥6,000)
  • 帯 15%(例:¥4,500)
  • 草履 20%(例:¥6,000)
  • 小物 5%(例:¥1,500)

    合計¥30,000前後で“街に出られる一式”が完成。

12-3. 最初の1コーデ(保存版)

  • 濃紺ポリ長着(マット) × からし角帯 × 白半衿 × 黒鼻緒草履

     …清潔・洒落感・写真映えの三拍子。帯を焦げ茶に替えるだけで落ち着きモードにも。

12-4. 素材の指針(迷ったらこれ)

  • 1着目:マット調ポリエステル(洗える・雨OK)
  • 2着目:木綿(細縞)で“街着の奥行き”を追加
  • :麻長着+生成り or 藍の帯
  • :ポリ長着+起毛インナー or ウール長着
  • 見た目UP見た目UP:ポリエステルとレーヨンなどの混紡素材(ポリ混)が、しなやかな「落ち感」を演出してくれるためおすすめです。

12-5. “やらないこと”リスト(入門期の地雷)

  • 裄が足りない着物を“安いから”で買ってしまう
  • 光沢ギラギラ&大柄で突撃する(まずはマット&細柄)
  • タグ即外し(到着後チェックの前にやるのは不可)
  • 草履を見た目だけで決める(鼻緒の当たりが最優先)

12-6. 1ページ・チェックリスト(印刷推奨)

購入前

☐ 用途=街着/季節=通年

☐ 裄=実測±0〜+1cm、身丈=床から1〜3cm浮き

洗える表示/マット質感/濃色無地〜細縞

☐ 返品条件(到着後の期限・送料)を確認

到着後(期限内)

☐ 採寸・色味・状態(肩テカり/衿黄ばみ/虫食い)

☐ 草履の鼻緒は痛くない

☐ 問題あればタグ外さず写真添付で連絡

外出前(5秒)

☐ 半衿ピンと/帯水平(貝の口)

☐ 裾1〜3cm浮き/裄は手首の骨±1cm

☐ 予備の腰紐1本+替え足袋をバッグへ

12-7. 次の一歩(“二枚目以降”の伸ばし方)

  • 帯を色違いで1本追加(焦げ茶+からしの二刀流)
  • 羽織を同系色で導入(きちんと感と防寒を同時に)
  • 季節特化:麻(夏)・ウール or 厚手羽織(冬)
  • 正絹は羽織から少量投入(扱いに慣れてから)


最後に
後編では、リユース着物での購入から日々のケア、よくある疑問解決まで網羅しました。裄(ゆき)を最優先し、「濃色無地〜細縞×マット質感」「洗える素材」を選べば、3万円からでも失敗なく始められます。

自宅での試着プロトコルやお手入れ法を実践し、気軽に男着物ライフを楽しんでいきましょう。さあ、あなたも今日から、新たな着物との出会いを始めましょう。

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リユース着物を活用し、少ない荷物でシワや型崩れを抑え、旅を楽しむヒントを3部構成でお届け。パッキング、現地ケアまで、着物旅を実現する実践的な情報が満載。さあ、あなたも着物で旅に出ましょう!

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着物で旅行!  準備・コーデ・マナー完全版:前編
旅に最適な着物の素材選びから、少ない枚数で着回すコーディネート術、シワや型崩れを防ぐ持ち運び方、さらには旅先での応急処置まで、着物旅の準備と知っておきたいマナーを徹底解説します。

伝統色の着物と茶道

着物を彩る日本の伝統色|四季の色と意味をわかりやすく解説
「色を知れば、着物の装いに物語が宿る」
 四季や自然と結びついた日本の伝統色の意味を知ることで、着物のコーディネートに深みとメッセージが加わり、単なる「服」ではなく「表現」となります。

How to Find the Best Used Kimonos

Vintage Kimono Guide: How to Find the Best Used Kimonos in Tokyo & Kyoto
Discover the ultimate guide to finding your perfect vintage kimono in Japan! Whether you’re in Tokyo or Kyoto, this guide provides insider tips on how to choose, try on, and budget for a pre-loved kimono. 

着物を普段着に

おうち時間を彩る!リユース着物で始める普段着和装ライフ
“おうち着物”の始め方を徹底解説。中古着物を賢く選び、自分らしく着こなすための素材選び、着付けのコツ、汚れ対策、おしゃれなコーディネート例まで、役立つ情報が満載。

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