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2025年07月31日

夏の歌舞伎座で出会った市川團十郎「新歌舞伎十八番」

歌舞伎座7月大歌舞伎

今年の夏、歌舞伎座で体験した「新歌舞伎十八番」の公演は、いつもの夏とは違う、心に残る特別なものでした。

市川團十郎さんが、これまであまり知られていなかった歌舞伎の魅力を、私たちに改めて教えてくれた、そんな温かい舞台でした。

この記事では、この公演が歌舞伎座に刻んだ「新しい歴史の1ページ」を、私自身の感動や、色々な方の感想を交えながら、皆さんにそっとお伝えしていきたいと思います。歌舞伎が初めての方にも、きっとその魅力が伝わるはずです。

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目次

はじめに

1. そもそも「新歌舞伎十八番」って?
 1-1. 市川宗家に伝わる“二つの十八番”
 1-2. 明治の演劇改良運動と九代目團十郎
 1-3. 2025年一挙上演が持つ三つの意味
 1-4. 初めての方でも楽しめた3つのポイント
2. 演目ガイド&観劇者レビュー
 2-1. 『大森彦七』— 偽狂乱が暴く武士のプライ ド
 2-2. 『船弁慶』— 静御前と怨霊・知盛の二面劇
 2-3. 『高時』— 退廃のカリスマと天狗の饗宴
 2-4. 『紅葉狩』— 家族共演が彩った秋色スペクタクル
3. メディアが語る「新歌舞伎十八番」―プロの目は何を見たか
 3-1. 『大森彦七』──26年ぶりの“再評価”プロジェクト
 3-2. 『船弁慶』──静と怨霊、團十郎が見せた二極の美学
 3-3. 『高時』──巳之助が刻んだ“退廃のフィジカル”
 3-4. 『紅葉狩』──宗家の未来を示す“ファミリー・キャスト”
 3-5. 総括──“公演”は成功したのか?
4. まるやま・京彩グループの「着物・ゆかたの日」で気分高揚!
 4-1. “ハレの日”を彩る特典の数々
 4-2. お得に“粋”をまとえる観劇プラン
 4-3. “着崩れ”知らずの安心サポート
 4-4. 観劇ビギナーへのワンポイントアドバイス
5. はじめての歌舞伎 Tips — これだけ押さえれば安心!
6. まとめ — 伝統と未来が交差する真夏のパノラマ

はじめに

2025年7月、東京・銀座の歌舞伎座で行われた「松竹創業百三十周年 七月大歌舞伎」は、いつもの夏の公演とは全く違うものでした。

昼の部では、これまで誰もやったことのない挑戦が行われたんです。市川宗家が代々受け継いできた「新歌舞伎十八番」という演目の中から、『大森彦七』『船弁慶』『高時』『紅葉狩』という4つの重要な作品を、なんと一度に上演したのです。こんなことは今まで一度もありませんでした。

この公演は、ただのお祝いイベントではありませんでした。市川團十郎さんが、これまであまり注目されてこなかった歌舞伎の歴史を現代の私たちに改めて問いかけ、その素晴らしさを証明しようとした、とても意味深い芸術的な挑戦だったのです。

この記事では、2025年7月のこの公演が、実は3つの大切な目的を達成するために、とても計算されて作られた企画だったということをお話しします。

1つ目は、九代目市川團十郎の偉大な業績を現代によみがえらせるという、宗家としての大切な役割を果たすこと。

2つ目は、「新歌舞伎十八番」という演目群が持っている芸術的な幅の広さと、現代でも通用する価値を証明すること。

そして3つ目は、21世紀の今でも、歌舞伎界の名門である市川一門が持っている変わらぬ力強さを改めて見せることでした。

筆者も、まるやま・京彩グループ観劇プランに合わせて、楽日に歌舞伎座に足を運んできました。

そこで、この記事では、歴史的な背景をじっくり調べ、さまざまなメディアの劇評も合わせて考えることで、この公演がどのようにして歌舞伎座に「新しい歴史の1ページ」を刻んだのかを、一人の歌舞伎ファンの視点から明らかにしていきたいと思います。

歌舞伎座7月大歌舞伎ポスター

1. そもそも「新歌舞伎十八番」って?

従来の「歌舞伎十八番」が七代目團十郎ゆかりの荒事十八本を指すのに対し、「新歌舞伎十八番」は九代目團十郎が明治期の演劇改良運動の中で選定した“得意芸(おはこ)”の総称です。今回の一挙上演は、その芸術的価値を現代に検証し直す大胆な試みでした。

1-1. 市川宗家に伝わる“二つの十八番”

まず押さえておきたいのは、ご存じの方も多い「歌舞伎十八番」「新歌舞伎十八番」がまったく別物だという事実です。

  • 歌舞伎十八番は七代目市川團十郎が1830年代に選定した十八の荒事レパートリーで、『勧進帳』『暫』など豪快な演目が並びます。
  • それに対し新歌舞伎十八番は、七代目の構想を九代目團十郎が継承し、1887年ごろにまとめた“得意芸のカタログ”で、最終的に18演目に確定したものです。数字の18は「おはこ」の慣用句となっています。

その中身は大きく二系統――

  1. 能や狂言を題材にした舞踊劇 松羽目物
  2. 史実重視のリアリスティックな歴史劇 活歴物

    で構成され、今回の歌舞伎座はこの対照的な二ジャンルを交互に並べて“多様性ショーケース”に仕立てました。

1-2. 明治の演劇改良運動と九代目團十郎

なぜ九代目は「活歴物」を創ったのか――答えは明治維新後の欧化主義ブーム

従来の歌舞伎は「荒唐無稽な旧弊」と批判され、近代国家にふさわしい芸術を目指す気運が高まります。その危機感から九代目團十郎は写実的な歴史劇=活歴物を提案し、歴史学者や画家と協働して衣裳・小道具まで徹底考証した舞台を打ち出したのです。今回上演された『大森彦七』『高時』は、その代表作にあたります。

1-3. 2025年一挙上演が持つ三つの意味

今年の歌舞伎座が4 演目まとめて新歌舞伎十八番を上演したのは、単なる松竹創業 130 周年の祝祭興行にとどまりません。

  1. 九代目の遺産を現代に蘇らせる — 宗家としての責務
  2. 作品群の芸術的射程を検証し直す — 多様性と現代性の証明
  3. 一門の健在ぶりを示す — 團十郎・新之助・ぼたんの世代共演による家の力学

これら三つをワンセットで観客に提示することで、劇場は「過去を再獲得し、未来を定義する」という大胆なステートメントを発したと言えるでしょう。

1-4. ビギナーでも楽しめた3つのポイント

  1. 4 本立てで“歌舞伎入門セット”
    • 能や狂言を題材にした舞踊劇から、歴史スペクタクルまでバラエティ豊か。一本観ただけでは分かりにくい歌舞伎の魅力を、半日で総ざらいできたこと。
  2. 市川團十郎一家の“ファミリー共演”
    • 舞台では十三代目市川團十郎を中心に、息子の市川新之助、娘の市川ぼたんがそれぞれ瑞々しい演技を披露。ベテランと次世代が同じ物語を紡ぐ姿は、歌舞伎がいまも生きた芸能であることを実感させます。
  3. “着物・ゆかたの日”& まるやま・京彩グループの特典
    • 千秋楽の 7 月 26 日は劇場公認の「着物・ゆかたの日」。着物で来場するとタオルハンカチのプレゼントなど嬉しいサービスが用意されていました 。
    • さらにまるやま・京彩グループは、一等席チケットに着付け無料&オリジナル特典を付けた観劇プランを提供し、初心者の“着物デビュー”を後押してくれました 。

普段は敷居が高いと感じがちな歌舞伎ですが、劇場側と企業スポンサーが一体になって“体験型のお祭り”に仕立ててくれたおかげで、私を含むビギナーから目の肥えた観客までも気負わずに楽しめました。

幕が上がる瞬間の、客席全体がふわりと華やぐあの空気――賑やかなお囃子、色彩豊かな舞台のしつらえと場面展開に併せた職人芸とも言える照明。これこそ夏の歌舞伎座ならではの醍醐味です。

2. 演目ガイド&観劇者レビュー

“松羽目物”の静謐な舞踊と、“活歴物”のドラマチックな心理劇──真逆のテイストを交互に浴びる半日は、まさに歌舞伎のショーケースでした。ここではビギナーにも分かりやすいあらすじと、現場で感じた熱気をメディア評と照らし合わせてご紹介します。

2-1. 『大森彦七』— 偽狂乱が暴く武士のプライド

  • あらすじ

    南北朝の武将・大森彦七が、討ち取った敵将の娘を匿うため、追手の前で“わざと発狂”して欺く活歴物。緊張とユーモアが綯い交ぜの心理戦です 。
  • ここがスゴい!

    市川右團次が長台詞で示す武士の矜持と、「偽狂乱」で客席を“共犯者”にしてしまう一体感が絶賛されました 。馬のぬいぐるみが花道を駆ける豪快な趣向には、思わず童心に返る歓声も 。
  • 観劇メモ

    右團次の計算された狂気は、笑いの中に武家社会の残酷さを浮き彫りにし、終幕後には背筋が伸びる思いでした。25年以上上演されていなかったとは思えないほど瑞々しく、右團次の「偽狂乱」の迫真ぶりに、客席からは笑いと拍手が起こりました。
新歌舞伎十八番の内大森彦七

2-2. 『船弁慶』— 静御前と怨霊・知盛の二面劇

  • あらすじ

    義経との別れを嘆く静御前の舞と、後半で船を襲う平知盛の怨霊。これを市川團十郎が全く逆のキャラを演じ分ける松羽目物*です。

    *松羽目物とは能や狂言を題材にした舞踊劇のことです。
  • ここがスゴい!

    市川團十郎は“儚い女”と“恐怖の亡霊”の切り替えで劇場の空気を一変させ、「長刀を振りかざす瞬間に客席の温度が2度上がった」との劇評が注目されます。SPICEの観劇レポは「静と動の対比が色彩まで変える舞台美術」と評しています 。
  • 観劇メモ

    花道にずぶ濡れの知盛が登場した瞬間、背筋が凍りつきました。能楽的なリズムと荒事のダイナミズムが共存する、歌舞伎らしさが凝縮された演目でした。船底の揺れを表現する所作と鼓の音だけで荒れ狂う海を想起させる――歌舞伎ならではの「省略の美」を実感しました。

新歌舞伎十八番の内船弁慶

2-3. 『高時』— 退廃のカリスマと天狗の饗宴

  • あらすじ

    鎌倉幕府末期、闘犬に耽る執権・北条高時が天狗の狂乱に巻き込まれる活歴物。史実に基づきつつ怪奇ファンタジーへ雪崩れ込む構成が特徴 。
  • ここがスゴい!

    坂東巳之助の“ヒール役が板に付いた”狂乱ぶりは「天狗並みの身体能力」と絶賛 。悪逆だけでなく虚無も漂わせる演技が「退廃美の肖像」と高評価でした 。
  • 観劇メモ

    火炎太鼓のような鳴り物と、巳之助と八人の天狗(八羽の?)の見たことのない跳躍がシンクロする舞踏の場面は、アスリートのパフォーマンスのようでした。舞台でありながらスポーツ観戦のような高揚感がありました。闇を切り裂く稲妻の照明とともに躍り出る高時は、ロックコンサートのような瞬発力で、歌舞伎初心者にも響く場面ではないでしょうか。

新歌舞伎十八番の内高時

2-4. 『紅葉狩』— 家族共演が彩った秋色スペクタクル

  • あらすじ

    平維茂が美女の酒宴に誘われ、正体が鬼女と見破る松羽目物。紅葉の山を背景に色と音が炸裂する舞踊劇です 。
  • ここがスゴい!

    紅葉の紙吹雪が舞う中、團十郎の鬼女への変化は「美しさと不穏さがくっきり」と評され、見得を切るたびに万雷の拍手が。特に、優雅に舞う美女が一瞬見せる恐ろしい鬼女の素顔には、ひときわ大きな拍手が沸き起こりました。

    また市川新之助(山神)と市川ぼたん(侍女・野菊)の瑞々しい踊りが“歌舞伎の未来”とやんやの喝采を浴びていました 。
  • 観劇メモ

    幕開きの真紅の舞台は、劇場全体が壮大な絵巻のようでした。子供たちの伸びやかな所作からは、伝統が次世代へと受け継がれる様子が伝わり、感動を覚えました。

    最後の大見得では、一瞬暗転した後に客席もぱっと明るくなり、紅葉の赤と主人公二人の決めポーズが観客の目に飛び込んできます。これぞ歌舞伎の醍醐味で、体の芯が熱くなる瞬間でした。

    市川ぼたんの澄んだ身のこなしには“未来の女形”の片鱗を、市川新之助の跳躍には“荒事のDNA”を感じ、思わず胸が熱くなりました。


新歌舞伎十八番の内紅葉狩

歌舞伎座看板

3. メディアが語る「新歌舞伎十八番」―プロの目は何を見たか

“歌舞伎の王道と革新が 4 本立てで一気に味わえる豪華版

──エンタメ情報サイト SPICE の見出しより

7 月大歌舞伎について、各メディアの劇評をざっと俯瞰すると、キーワードは「蘇演(よみがえり)」「二面性」「身体性」「次世代」の 4 つに集約されます。ここでは新聞・ウェブレビュー・専門誌を横断して、観客目線で気になったポイントを整理してみましょう。

SPACE 『七月大歌舞伎』昼の部観劇レポート

3-1.『大森彦七』──26 年ぶりの“再評価”プロジェクト

  • 熱量の高さ

    批評家は「熱のこもった芝居」と形容。右團次が語る楠木正成の最期は、声の張りと抑揚で“敵将への敬意”まで伝えたと絶賛されています。
  • 観客を巻き込む快感

    花道を馬で駆け抜けるクライマックスは「勇ましく痛快」。歴史劇がただの古典に留まらず、エンタメとして成立することを証明しました。

3-2.『船弁慶』──静と怨霊、團十郎が見せた二極の美学

  • 二役の鮮烈な対比

    団十郎の静御前は“別れを受け入れる覚悟”が滲み、後半の知盛の霊では「凄みのある顔」で劇場を圧倒──万雷の拍手が起こったと報じられています。
  • “見えない世界”を立ち上げる演出

    雪・鶯の鳴き声など能の様式美を通じ、超自然の気配を可視化することが作品の肝だと團十郎自身が語っています。

3-3.『高時』──巳之助が刻んだ“退廃のフィジカル”

  • “天狗並み”の身体能力

    巳之助の狂乱の舞は「驚異的な身体性」「ヒール役が板に付いた」と満場一致の高評価。
  • ダークファンタジー的世界観

    舞台全体を包む虚無感が“活歴物”の枠を越え、新たな心理劇として機能したと分析されています。

3-4.『紅葉狩』──宗家の未来を示す“ファミリー・キャスト”

  • スペクタクルの頂点

    紅葉に染まる山々、三種の音楽が一体となる舞台は「眼福の一語」と評されました。
  • 次世代の輝き

    侍女・野菊役の 市川ぼたん(13 歳)は“年齢以上の成熟”、山神役の 市川新之助 は「声にも表情にも華があり、愛らしい踊り」で観客を魅了したと絶賛。
  • “宗家のステートメント”

    父(團十郎)・息子・娘が同じ舞台で喝采を浴びる構図が、血脈による芸の継承を高らかに宣言する場となった――と専門誌はまとめています。

3-5.総括──“公演”は成功したのか?

評論家たちは「九代目團十郎が掲げた新歌舞伎十八番のビジョンが、現代の観客にも届くことを証明した」と総括しています。四演目を通して伝統・革新・世代交代が立体的に浮かび上がり、メディア評価は軒並み “大成功” で一致しました。

4. まるやま・京彩グループの「着物・ゆかたの日」で気分高揚!

4-1.“ハレの日”を彩る特典の数々

今年の七月大歌舞伎は7月26日(土)が「歌舞伎座 着物・ゆかたの日」とされました。昼夜いずれの部でも、鳳凰丸があしらわれたタオルハンカチが全観客に配られ、場内スタッフも浴衣姿でお出迎え——劇場中がほのかな和の香りに包まれました。

歌舞伎座「着物・ゆかたの日」のお知らせ

4-2. お得に“粋”をまとえる観劇プラン

この日に合わせ、全国に呉服店を展開するまるやま・京彩グループは一等席チケットと着物ケア券4,000円分がセットになった「特典付きお得な観劇プラン」(18,000円)を発売。さらに、購入者にはゆかたの無料着付けサービスが付いていました。

【開催報告】2025年7月26日(土)「歌舞伎座、着物‧ゆかたの日」が開催されました

4-3. “着崩れ”知らずの安心サポート

「着物がはだけたらどうしよう……」という不安も不要。ロビーには着崩れお直しコーナーが常設され、プロスタッフが随時フォロー。初心者でも一日中きれいな着姿を保てました。

二階食事処「鳳」が臨時ドレッシングルームに

普段はお食事処として人気の二階「鳳(おおとり)」がこの日だけ“臨時ドレッシングルーム”に早変わり。装飾も華やかで、支度を整えるだけでテンションが上がります。「心強い」「ありがたい」という声が続出したのも納得です。

4-4. 観劇ビギナーへのワンポイントアドバイス

  1. 予約は1か月前が目安—チケットと着付け枠が一緒に確保できます。
  2. 足元は草履かサンダルで—下駄は場内を歩きにくいのでNG。
  3. 荷物は小さめの巾着に—着物にも客席にも収まりがよく、写真映えも抜群。
  4. 幕間はフォトスポットへ—劇場外観×和装は最強のSNS映え。

実際に筆者も本プランを利用。幕が上がる前から“客席も舞台の一部”という歌舞伎ならではの高揚感を味わえました。

終演後にタオルハンカチを手に帰路に就くと、まるで役者を見送る裏方の気分──「また来よう」と素直に思える仕掛けが満載でした。

歌舞伎座舞台と幕

5. はじめての歌舞伎 Tips — これだけ押さえれば安心!

シーン    具体的ポイントワンポイント解説
チケット公式サイト「歌舞伎美人」かチケットぴあで発売。昼・夜の部とも3〜4時間、途中に30〜40分の幕間あり。初心者は 一等席(1階中央) か 椅子席(2階最前列) が花道と全体の両方を見渡しやすくおすすめ。
服装7 月26日の「着物・ゆかたの日」は和装ならハンカチのプレゼントあり 。ただし 下駄は NG 。もちろん普段でしたら洋服でOK。また1月にも「着物の日」としての催しがあります。浴衣+草履なら OK。洋装の日は動きやすい服と体温調節できる薄手の羽織を。
荷物と靴荷物が多くても大丈夫。大きなバッグはロッカーへ。客席には巾着や小さめショルダーが便利。
マナー写真撮影はロビーと外観のみ。上演中は私語・スマホ操作を避け、拍手は見得(キメポーズ)の後に。幕間に売店で“幕の内弁当”や焼き菓子を味わうのも歌舞伎座ならでは。また、二階の鯛焼きも楽しみにしている人が多い人気アイテムです。

迷ったら… 幕見(まくみ)席※という“当日ワンシーンだけ格安で観る”システムも。気軽に雰囲気を確かめてから本格的な観劇デビューをするのもアリです。

※2025年7月公演では夜の部『鬼平犯科帳』に設定ありました(販売状況は月ごとに変動します。詳しくは歌舞伎美人のサイトをご覧ください)

6. まとめ — 伝統と未来が交差する真夏のパノラマ

七月大歌舞伎は、九代目團十郎が遺した《新歌舞伎十八番》という“眠れる秘宝”を現代の光で磨き上げる挑戦でした。メディアは「文化的キュレーションの勝利」と総括し、伝統・革新・世代交代の3点を高く評価しています 。

とりわけ『紅葉狩』での市川新之助と市川ぼたんの躍動は、観客の記憶に鮮烈な一頁を刻みました。

  • ぼたんは “年齢以上の成熟” と評され、伸びやかな所作が侍女・野菊に瑞々しい命を吹き込み 、
  • 新之助は 「声にも表情にも華があり」「愛らしい踊り」で山神役に神秘性を添えたと絶賛 。

父・團十郎の鬼女と子どもたちの踊りが同じ舞台上で交わる瞬間、歌舞伎は“家”という仕組みで時間を超える芸能なのだと改めて感じさせられます。

最後に一言

もしあなたが「歌舞伎は難しそう」と感じているなら、この夏の歌舞伎座体験こそ最高の入口です。歴史とエンタメ、豪華絢爛な舞台美術、そして未来を担う若い才能――すべてを一度に味わえる“真夏のフルコース”。ぜひ銀座の劇場で、冷たい麦茶(麦酒?)片手に“生きた伝統”を体感してみてください。

・・・

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