2025年07月01日
男の着物、初心者さんの『わからない』を解決する入門ガイド

着物に関心があるけれど、何から始めて良いか分からない男性へ。この記事では、着物デビューをためらうあなたの不安を解消します。
着物選びからお手入れ、着こなしまで、プロが実践的なヒントをお届け。あなたの疑問を解決し、着物ライフへの第一歩を楽しく踏み出しましょう。
はじめに
1. まずはここから!「着るシーン」をイメージする
1-1.「日常着」「普段着」として楽しむ場合
1-2.「少しあらたまった場所」で着る場合
1-3.「フォーマルな式典」で着る場合
2. 着物ライフを始める「お得」な方法
2-1. レンタル着物を試す
2-2. 洗える着物(ポリエステル)を選ぶ
2-3. リサイクル着物を活用する
3. 素材を知って賢く選ぶ!メンテナンスの基礎知識
3-1. ポリエステル(洗える着物)
3-2. 木綿(コットン)
3-3. 絹(正絹 – シルク)
3-4. その他:ウール、麻(リネン)
4. これだけ揃えれば大丈夫!必要なものリスト
4-1. 最低限必要なもの
4-2. 基本的な着こなしに必要なもの
4-3. 現代的なアレンジもOK!
5. 完璧な着姿を追求!サイズと季節の着こなし
5-1. サイズ選び:既製品 vs. オーダー
5-2. 季節の着こなし:合わないは野暮?
5-3. 着こなしのコツ:羽織と帯で個性を演出
まとめ
はじめに
なぜ今、男の着物なのか?
近年、男性の着物への関心が高まり、ファッションアイテムや自己表現の手段として見直されています。街中で見かける機会も増え、SNSでも注目を集めるなど、個性を追求する動きの一環とも言えるでしょう。
しかし、「何から始めればいいか分からない」「着付けが難しそう」といった疑問や不安も少なくありません。この記事では、そのような男性の着物デビューを応援するため、着物選びの基本から着こなしのポイントまで、初めての方でも安心して始められるよう解説します。着物業界のプロの知見も踏まえ、あなたの着物ライフへの第一歩をサポートします。
1. まずはここから!「着るシーン」をイメージする
着物を選ぶ上で最も大切なことは、「どんなシーンで着たいのか」を具体的にイメージすることです。あなたのライフスタイルに合わせた着物を選ぶことで、無理なく着物ライフを始められます。
1-1.「日常着」「普段着」として楽しむ場合
自宅でのリラックスタイムやテレワークに。近所の買い物や友人とのカジュアルな食事、街歩きに。
この場合、着物だけを着用する「着流し」スタイルがおすすめです。ルールに縛られず、自由に楽しむことができます。
「着流し」スタイルとは羽織や袴を着用せず、着物に帯を締めただけのラフでカジュアルなスタイルを指します。

1-2.「少しあらたまった場所」で着る場合
ホテルでのランチやちょっとしたパーティー、茶道の稽古など。
このようなシーンでは、着物に羽織をプラスするのがおすすめです。羽織は洋服でいうジャケットのような役割を果たし、きちんと感を演出できます。
1-3.「フォーマルな式典」で着る場合
厳格なルールや着こなしが求められます。初めての着物としては、まずはカジュアルなシーンから始めるのが良いでしょう。
2. 着物ライフを始める「お得」な方法
着物には高価なイメージがあるかもしれませんが、手軽に始める方法もたくさんあります。
2-1. レンタル着物を試す
購入前に、まずはレンタルで実際に着物を体験してみるのがおすすめです。着心地や動きやすさを試すことで、自分に合った着物のイメージが掴みやすくなります。
2-2. 洗える着物(ポリエステル)を選ぶ
ポリエステルの着物は、新品でも比較的安価で手に入ります。
例えば、ジャージ素材のポリエステル着物なら、仕立て上がりで2万円程度で購入できます。オーダー仕立てでも、海外縫製であれば4万円程度から作れるケースもあります。
2-3. リサイクル着物を活用する
- リサイクル店のメリットとしては、手頃な価格で着物を購入できる点が挙げられます。ただし、リサイクル着物の購入には注意が必要です。特に、産地や品質(本場大島紬か、韓国産や村山大島紬かなど)を見極めるのは、専門家でも難しい場合があります。そのため、信頼できるお店で購入することが非常に重要です。
- 全国のたんす屋では、男性用リユース着物を幅広く取り揃えております。特に、初めて着物を購入される方には、たんす屋の活用をおすすめしています。例えば、着物と羽織がセットになった紬のアンサンブルであれば、1万円から3万円程度で手頃に購入できるものもあります。
- もちろん、中には生地だけで数十万円もするような最高級品が見つかることもありますが、多くの場合はリーズナブルな価格で良質なリユース着物を見つけることが可能です。
たんす屋各店では、経験豊富なスタッフがお客様のご要望に応じて適切なアドバイスをいたしますので、ご安心ください。
リサイクル着物を上手に活用することで、予算を抑えつつ、着物ライフを始めることができます。
3. 素材を知って賢く選ぶ!メンテナンスの基礎知識
着物の素材は、見た目や着心地だけでなく、お手入れのしやすさにも大きく関わってきます。ライフスタイルに合った素材を選ぶことが、着物ライフを長く続ける秘訣です。
3-1. ポリエステル(洗える着物)
- メリット: 自宅の洗濯機で丸洗い可能な点が最大の魅力です。シワになりにくく、乾いた後もたたんで収納できるため、お手入れが非常に簡単です。食事などで汚す心配がある場合にも便利で、普段使いに最適です。価格も手頃なものが多いです。
- デメリット: 通気性があまり良くないため、暑い日には熱がこもりやすいことがあります。また、静電気が発生しやすい場合もあります。
3-2. 木綿(コットン)
- メリット: 絹と同じ天然素材で着心地が良く、自宅で丸洗いができる素材です。浴衣にも多く使われます。
- デメリット: 洗濯後にシワになりやすく、アイロンがけが必要になることが多いです。絹に比べるとカジュアルな印象になります。
3-3. 絹(正絹 – シルク)
- メリット: 高い高級感と美しい光沢があり、着心地も非常に良い素材です。体によく馴染み、ドレープ性も豊かです。
- デメリット: 自宅での洗濯はできず、専門のクリーニング店や着物専門店でのケアが必要です。価格も比較的高めです。

3-4. その他:ウール、麻(リネン)
- 初心者の方には、まずはお手入れが簡単なポリエステルや木綿の着物から始めるのがおすすめです。
4. これだけ揃えれば大丈夫!必要なものリスト
着物を着るために必要なものは、「意外と少ない」と感じるかもしれません。
4-1. 最低限必要なもの
着物
帯
これだけでも「着物ライフ」をスタートできます。
4-2. 基本的な着こなしに必要なもの
- 長襦袢(ながじゅばん): 着物の下に着る肌着のようなものです。
- 足袋(たび): 足袋型のソックス。
- 履物(雪駄や草履): 和装用の履物。
- 羽織: ジャケットのような役割。
- 羽織紐(はおりひも): 羽織を留める紐。
これらのアイテムがセットになった「フルセット」も販売されており、初めての方には便利です。
4-3. 現代的なアレンジもOK!
長襦袢の代わりにTシャツを着たり、足元をスニーカーやブーツにするなど、洋服と組み合わせて自由に楽しむ着こなしも増えています。
譲り受けた着物や小物がある場合は、足りないものだけを買い足すのも良いでしょう。
5. 完璧な着姿を追求!サイズと季節の着こなし
着物の着姿は、サイズ感と季節感が合っていると、より一層引き締まって見えます。
5-1. サイズ選び:既製品 vs. オーダー
既製品の着物:
メリット: 購入してすぐに着用できる手軽さがあります。SSから4Lまで幅広いサイズ展開があり、標準体型であればおおよそ着用可能です。
デメリット: 細かいサイズ(裄丈や身丈)が体にぴったり合わない場合があり、着姿が「ツンツルテン」に見えたり、だらしなく見えたりする可能性があります。色柄の選択肢も限られます。
オーダー(お仕立て)の着物:
メリット: あなたの体型に合わせて仕立てるため、完璧な着姿が実現できます。反物の種類が豊富なので、色柄や素材を自由に選び、こだわりの一枚を作れます。
デメリット: 仕立てに1〜2ヶ月以上かかる場合があり、すぐに着たい場合には不向きです。既製品よりも費用がかかる傾向があります。
5-2. 季節の着こなし:合わないは野暮?
着物には裏地の有無で「袷(あわせ)」と「単衣(ひとえ)」の2種類の仕立て方があります。
袷(あわせ): 裏地が付いている着物で、10月から5月頃まで着用されます。
単衣(ひとえ): 裏地がない着物で、6月から9月頃まで着用されます。
特に暑い7月、8月は、単衣の中でも透け感のある「薄物(うすもの)」が好まれます。
しかし、最近では冷暖房の普及や気候変動により、単衣の着用期間が長くなったり、状況に応じて柔軟に選ぶことが一般的になってきています。
5-3. 着こなしのコツ:羽織と帯で個性を演出
着物と羽織の色合わせ: 昔は同じ色のアンサンブルが主流でしたが、現代的(平成・令和)な着こなしでは、着物と羽織の色や柄を変えるのが一般的です。例えば、着物を無地にし、羽織に柄物を選ぶなど、コントラストを楽しむことでおしゃれ度がアップします。
まとめ
男性の着物への関心が高まる中、「何から始めれば?」という初心者の疑問を解決する本記事では、着物選びの基本から着こなしのコツまでを解説しました。
まず「着るシーン」を具体的にイメージし、日常使いからフォーマルまでシーンに合わせた選び方を紹介。手軽に始めるには、レンタルや洗えるポリエステル着物、リサイクル着物の活用がおすすめです。
素材選びでは、お手入れが簡単なポリエステルや木綿が初心者向き。必要なものは「着物と帯」から始められ、Tシャツやスニーカーとの組み合わせなど、現代的なアレンジも楽しめます。
体型に合うオーダーメイドで「完璧な着姿」を目指すステップアップや、季節の着こなし、羽織と帯で個性を演出するポイントも紹介しました。
着物に興味はあるけれど、「難しそう」「自分には似合わないかも」と躊躇していませんか?大丈夫です。着物は、性別や年齢を問わず、誰でも気軽に楽しめる日本の素晴らしい文化です。
一歩踏み出してみれば、きっと新しい自分に出会えるはず。着物を着ることで得られる喜びや感動は、想像以上ですよ。心配はいりません。このガイドが、あなたの「わからない」を一つずつ解決し、失敗しない着物ライフを応援します。さあ、一緒に着物の世界へ飛び込んでみませんか?
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