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2025年10月31日

【完全保存版】初心者が知っておくべき「きもの」の基本!

初心者が知っておくべき着物の基本トップ画像

「着物を着てみたいけれど、何から始めたらいいかわからない」。そんな悩みを抱えていませんか。この記事を読めば、着物選びの基本から着付け、お手入れ方法まで、初心者に必要な知識がすべてわかります。着物の世界への第一歩を、安心して踏み出せるように、基礎知識をわかりやすく解説いたします。さあ、一緒に着物の扉を開けてみましょう。

目次

第1章:着物初心者の購入ガイド|価格相場と最初の一枚の選び方
 1-1. 初心者におすすめの着物
 1-2. 価格相場を知ろう
 1-3. 購入場所の選び方
第2章:着付けに必要な小物リスト完全版【初心者向け】
 2-1. 必ず揃えたい必須小物
 2-2. 着付けを助ける便利アイテム
 2-3. 装いを彩る装飾小物
第3章:着物の種類と格を徹底解説!TPO別の選び方ガイド
 3-1. 最も格が高い「礼装」
 3-2. 幅広いシーンで活躍する「準礼装」 
 3-3. 気軽に楽しむ「普段着」
第4章:初心者必見!着物のサイズの測り方と選び方
 4-1. 身丈(みたけ):着物の長さ
 4-2. 裄(ゆき):腕の長さ
 4-3. 身幅(みはば):体の横
第5章:季節で変わる着物の種類|袷・単衣・薄物の違いと着用時期
 5-1. 袷(あわせ):10月〜5月
 5-2. 単衣(ひとえ):6月・9月
 5-3. 薄物(うすもの):7月・8月
第6章:着物の柄に込められた意味と季節別の選び方
 6-1. 季節を先取りする「柄」の美学
 6-2. 春夏秋冬を彩る代表的な柄
 6-3. 幸せを願う「吉祥文様」
第7章:【完全図解】着物の部位名称と役割を覚えよう
 7-1. 着物の基本構造を知る
 7-2. 美しい着姿のポイント「衿・袖・裾」
第8章:初心者でもできる!着物の着付け手順を写真で解説
 8-1. 着付け前の準備
 8-2. 長襦袢と着物の着付け
 8-3. 帯結び:名古屋帯の一重太鼓
第9章:着物の正しいお手入れ方法|クリーニング・保管・たたみ方
 9-1. 着用後のお手入れ
 9-2. クリーニングの頻度と種類
 9-3. 正しいたたみ方と保管方法
第10章:リサイクル着物の賢い選び方|失敗しないための注意点
 10-1. サイズは必ず実寸で確認
 10-2. シミ・ヤケ・臭いをチェック
 10-3. 生地や縫製の状態
まとめ

第1章:着物初心者の購入ガイド|価格相場と最初の一枚の選び方

着物ライフを始める第一歩は、自分だけの一枚を見つけることです。ここでは、初心者が失敗しないための着物の選び方、価格相場、そして購入場所について解説いたします。

小紋・色無地・紬のイメージ写真

1-1. 初心者におすすめの着物

最初の一枚としておすすめなのは「小紋(こもん)」です。小紋は、全体に模様が繰り返し描かれている着物で、いわば「着物の普段着」です。洋服でいうワンピースのような感覚で、観劇や友人との食事など、幅広い場面で気軽に楽しめます。

また、紋を入れれば少し格が上がる「色無地(いろむじ)」も、帯を変えるだけでさまざまな着こなしができるため、長く使える一枚として重宝するでしょう。

最後に、先染めの糸で織られた「紬(つむぎ)」も、丈夫で普段使いしやすく、着れば着るほど体に馴染むため、着物ライフを長く楽しみたい初心者におすすめの一枚です。

1-2. 価格相場を知ろう

着物の価格は、素材や仕立て、購入場所によって大きく異なります。たとえば、新品のポリエステル製小紋なら3万円程度から、正絹(しょうけん)※の小紋であれば10万円以上が目安になります。

リサイクル着物なら、数千円から探すことも可能です。まずは無理のない予算を立て、それに合わせて着物や帯、小物を選んでいくのが賢い方法といえるでしょう。

初めてのリサイクル着物|実店舗&ECサイト購入の注意点と賢い選び方はこちら

※正絹:絹100%の生地のこと。

1-3. 購入場所の選び方

購入場所には、呉服店、デパート、ネット通販、リサイクルショップなど、さまざまな選択肢があります。専門知識が豊富なスタッフに相談したいなら呉服店、気軽に下見をしたいならデパートがおすすめです。

着物の専門家との対話は、あなたの着物ライフをより豊かにし、疑問や悩みを解決する上で大いに役立つでしょう。

ネット通販は種類が豊富ですが、実物を確認できないため上級者向けといえます。初心者は、まず実店舗で専門家のアドバイスを受けながら選ぶと、失敗が少ないでしょう。

一方、リサイクルショップやアンティーク着物店は、数千円から着物を見つけられる可能性があり、予算を抑えたい方や個性的な一点物を探したい方には魅力的な選択肢です。

第2章:着付けに必要な小物リスト完全版【初心者向け】

着物を着るためには、着物本体と帯以外にも、たくさんの小物が必要です。ここでは、着付けに最低限必要なものをリストアップし、それぞれの役割を解説いたします。

着物と小物のイラスト

2-1. 必ず揃えたい必須小物

美しい着姿を作るためには、土台となる下着や補正具が欠かせません。肌襦袢(はだじゅばん)と裾除け(すそよけ)は、汗や皮脂から着物を守る肌着の役割を果たします。

長襦袢(ながじゅばん)は、着物の下に着るもう一枚の着物で、衿元や袖口からちらりと見え、着こなしのポイントにもなります。これらは、着物を美しく着るための基礎となる大切なアイテムです。

2-2. 着付けを助ける便利アイテム

着物を着付けていく過程では、腰紐(こしひも)や伊達締め(だてじめ)といった紐類が活躍します。これらは、着物がはだけないように固定するためのものです。

また、帯の形を美しく整えるためには、帯板(おびいた)や帯枕(おびまくら)が必須です。最近では、着付けクリップやコーリンベルトなど、初心者でも簡単に着付けができる便利な道具もたくさん市販されています。

帯関連小物の画像
帯と帯に関わる小物類

2-3. 装いを彩る装飾小物

着こなしの仕上げに欠かせないのが、帯周りの装飾小物です。帯締め(おびじめ)は帯の中央で結ぶ紐で、帯を固定する役割と装飾的な役割を兼ね備えています。

帯揚げ(おびあげ)は、帯の上辺を飾る布で、コーディネートに彩りを添えます。これらの小物の色や素材を変えるだけで、同じ着物でもがらりと印象が変わり、着こなしの幅がぐっと広がります。

帯揚げ・帯締め・帯留めのイメージ写真

第3章:着物の種類と格を徹底解説!TPO別の選び方ガイド

洋服にフォーマルとカジュアルがあるように、着物にも「格」が存在します。場面に合わない着物を選んでしまうと、恥ずかしい思いをすることもあります。ここでは、TPOに合わせた着物選びの基本を学びましょう。

着物フォーマル度イメージ画像
黒留袖・振袖・訪問着・小紋 左に行くほどフォーマルに

3-1. 最も格が高い「礼装」

礼装(れいそう)は、冠婚葬祭など、とくに格式高い儀式の場で着用される着物です。代表的なものに、既婚女性が着る「黒留袖(くろとめそで)」や、未婚女性が着る「振袖(ふりそで)」があります。

これらは、結婚式や披露宴で、主催者側や主賓が着用する着物です。家紋を5つ入れるのが正式で、最も格が高い装いとされています。

3-2. 幅広いシーンで活躍する「準礼装」

準礼装(じゅんれいそう)は、礼装に次ぐ格の着物で、結婚式のゲストや子どもの入学式・卒業式、格式あるパーティーなどで着用されます。「訪問着(ほうもんぎ)」や「色無地(いろむじ)」がこれにあたります。

訪問着は、肩から裾にかけて模様が繋がるように描かれているのが特徴で、華やかな印象を与えます。色無地は、黒以外の一色で染められた無地の着物で、紋を付けることで格を調整できます。

3-3. 気軽に楽しむ「普段着」

普段着の着物は、友人との食事や観劇、街歩きなど、日常のおしゃれとして楽しむためのものです。第1章で紹介した「小紋(こもん)」や、先染めの糸で織られた「紬(つむぎ)」が代表的です。

紬は、もともと日常の作業着として使われていた歴史もあり、非常に丈夫で味わい深い風合いが魅力です。これらは、洋服のワンピースやジャケットのような感覚で、自由にコーディネートを楽しめます。

着物の種類と格の違い|初心者でもわかるフォーマル度ガイドについてはこちらをご覧ください

第4章:初心者必見!着物のサイズの測り方と選び方

着物を美しく着こなすためには、自分の体に合ったサイズを選ぶことが非常に重要です。ここでは、着物選びの基本となる3つの寸法と、その測り方を解説いたします。

着物サイズの採寸イメージ画像

4-1. 身丈(みたけ):着物の長さ

身丈は、着物の長さを表す寸法で、肩から裾までの長さを指します。一般的に、自分の身長と同じくらいの長さが目安とされています。

女性の着物は、腰の部分で生地を折り返して長さを調整する「おはしょり」を作るため、少し長めに作られています。リサイクル着物などを選ぶときは、この身丈が自分の身長±5cm程度の範囲に収まるかを確認しましょう。

4-2. 裄(ゆき):腕の長さ

裄は、首の付け根の中心から、肩を通り、手首のくるぶしまでの長さを測ります。これが着物の裄の長さの目安です。

裄が短いと、手首が見えすぎてしまい、少し幼い印象になります。逆に長すぎると、だらしない印象になってしまいます。自分の腕の長さにぴったり合った裄の着物を選ぶことが、すっきりとした着姿のポイントです。

4-3. 身幅(みはば):体の横幅

身幅は、着物の横幅のことで、体の厚みに関係します。一般的には、ヒップサイズを基準に選びます。着物は体の前面で生地を重ね合わせて着るため、ヒップをぐるりと一周できるくらいの幅が必要です。

既製品の場合は、S・M・Lなどのサイズ展開がありますが、ヒップが100cmを超える場合などは、幅が広いサイズを選ぶか、仕立てることを検討するとよいでしょう。

着物のサイズ直し完全ガイド|直せる範囲・費用相場・おすすめ依頼先まで紹介する記事はこちら

第5章:季節で変わる着物の種類|袷・単衣・薄物の違いと着用時期

四季の移ろいが美しい日本では、着物も季節に合わせて衣替えをします。ここでは、季節ごとの着物の種類と、それぞれの着用時期について解説いたします。

単衣・薄物・袷の着物画像

5-1. 袷(あわせ):10月〜5月

袷は、裏地が付いている着物のことで、肌寒くなる秋から春先まで、最も長い期間着用されます。

裏地があるため、生地がしっかりとしており、保温性にも優れています。結婚式などで着る留袖や振袖、訪問着といった格の高い着物は、ほとんどがこの袷仕立てです。多くの人が「着物」と聞いてイメージするのは、この袷の着物でしょう。

5-2. 単衣(ひとえ):6月・9月

単衣は、裏地が付いていない着物のことです。初夏と初秋の、季節の変わり目に着用されます。袷に比べると軽く、風通しが良いのが特徴です。

単衣(ひとえ)の着物や浴衣などの場合、補強、透け防止、縫い目の開き防止、汗汚れ防止などの役割で居敷当てと呼ばれる布を付ける場合があります。 

見た目には袷との違いが分かりにくいですが、着てみるとその軽やかさに驚くかもしれません。近年は温暖化の影響もあり、5月や10月でも汗ばむような日には、単衣を着る人が増えています。

5-3. 薄物(うすもの):7月・8月

薄物は、盛夏に着る、透け感のある涼しげな生地で作られた着物です。「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」といった織り方が代表的で、見た目にも涼やかです。

浴衣もこの時期に着られますが、薄物は長襦袢を下に着用するため、よりフォーマルな印象になります。夏の結婚式やお茶会など、きちんとした場面で活躍する、日本の夏ならではの装いです。

単衣と夏用の薄物の違いについてはこちらの記事をご覧ください→シーラ・クリフの -元気・笑顔・着物-(第3回 単衣)

第6章:着物の柄に込められた意味と季節別の選び方

着物の柄には、さまざまな意味が込められており、季節感を表現する重要な要素です。柄の意味を知ることで、着物選びはさらに奥深く、楽しいものになります。

識別の着物柄画像
四季にまつわる着物柄

6-1. 季節を先取りする「柄」の美学

着物の柄は、実際の季節を少し先取りして着るのが「粋」とされています。たとえば、桜の柄であれば、満開の時期よりも少し前の、つぼみが膨らみ始める頃から着始めます。これは、これから訪れる季節を心待ちにする、日本人の美意識の表れです。逆に、季節が過ぎてしまった柄を着るのは、あまり好ましくないとされています。

6-2. 春夏秋冬を彩る代表的な柄

春には桜や梅、藤、牡丹といった花々の柄が好まれます。夏には、紫陽花や朝顔、涼しげな流水文様などが描かれます。秋は、紅葉や菊、桔梗など、実りの季節を感じさせる柄が中心です。そして冬には、寒さに耐える松や竹、雪輪文様などが用いられます。これらの柄を身にまとうことで、自然との一体感を楽しむことができます。

6-3. 幸せを願う「吉祥文様」

季節を問わず、おめでたい席で一年中使えるのが「吉祥文様(きっしょうもんよう)」です。長寿を象徴する鶴や亀、子孫繁栄を表す唐草模様、さまざまな宝物を集めた宝尽くし文様などがあります。これらの柄は、着る人や周りの人々の幸せを願う気持ちが込められています。結婚式で着る留袖や振袖には、これらの吉祥文様がたくさん描かれています。

吉兆文様の振袖の画像
吉兆文様の振袖

第7章:【完全図解】着物の部位名称と役割を覚えよう

着物の世界には、独特の言葉がたくさんあります。着付けを習うときや、お店で着物を選ぶときに、部位の名称を知っていると、会話がとてもスムーズになります。ここでは、代表的な部位の名称と役割を解説いたします。

着物の部分名称イラスト
着物の部分名称

7-1. 着物の基本構造を知る

着物は、基本的に直線で裁たれた布を縫い合わせて作られています。体の中心となる「身頃(みごろ)」、腕を通す「袖(そで)」、首周りの「衿(えり)」、そして前を合わせる部分の「衽(おくみ)」が、着物の主要なパーツです。

このシンプルな構造が、着る人の体型に合わせて柔軟にフィットする、着物の美しさの秘密でもあります。

7-2. 美しい着姿のポイント「衿・袖・裾」

衿は、顔に最も近い部分であり、着姿の印象を大きく左右します。長襦袢の衿との重ね方や、首の後ろの抜き方(衣紋の抜き加減)で、粋にも上品にも見せることができます。袖は、その長さや形によって着物の格が決まる重要な部分です。そして、着物の一番下の縁である「裾(すそ)」のラインが美しく決まっていると、立ち姿全体が洗練されて見えます。

第8章:初心者でもできる!着物の着付け手順を写真で解説

いよいよ、自分で着物を着るための実践編です。最初は難しく感じるかもしれませんが、手順を一つひとつ覚えていけば、必ず自分で着られるようになります。ここでは、基本的な着付けの流れを紹介いたします。

8-1. 着付け前の準備

まず、美しい着姿の土台となる「補整」を行います。着物は、洋服のように体のラインを強調するのではなく、寸胴な体型の方が美しく着こなせるとされています。そのため、タオルなどを使って、腰回りや胸元のくぼみを埋めていきます。補整が終わったら、肌襦袢、裾除け、そして足袋(たび)を身に着け、準備は完了です。

8-2. 長襦袢と着物の着付け

次に、長襦袢を着ます。衿元がきちんと左右対称になるように合わせ、首の後ろは少し空間をあけて「衣紋(えもん)を抜く」のがポイントです。長襦袢が着られたら、いよいよ着物を羽織ります。裾の長さを決め、体の前面で生地を合わせ(上前・下前)、腰紐で固定します。そして、余った生地を腰の部分で折り上げて「おはしょり」を作り、形を整えます。

8-3. 帯結び:名古屋帯の一重太鼓

初心者が最初に挑戦する帯結びとして一般的なのが、名古屋帯(なごやおび)を使った「一重太鼓(いちじゅうだいこ)」です。帯を胴に二周巻き、背中の部分で枕を使ってお太鼓の形を作ります。最後に帯締めと帯揚げを整えれば完成です。最初は難しくても、動画サイトなどを参考に繰り返し練習することで、きっと結べるようになります。

「着付け教室選びの落とし穴回避術」はこちらから

第9章:着物の正しいお手入れ方法|クリーニング・保管・たたみ方

大切な着物を長く美しく保つためには、正しいお手入れと保管が欠かせません。ここでは、着用後のケアから、専門的なクリーニング、そして日々の保管方法までを解説いたします。

9-1. 着用後のお手入れ

着物を脱いだら、すぐに畳んでしまわずに、まずは着物専用のハンガーにかけて湿気を飛ばしましょう。直射日光が当たらない、風通しの良い場所で一晩ほど陰干しするのが理想です。

その際に、食べこぼしなどのシミや、裾の泥はねがないかをチェックします。軽い汚れであれば、固く絞った布で軽く叩くようにして落とせる場合もあります。

「着物を着て汗をかいた後のNG習慣と長持ちの秘訣」はこちらから

9-2. クリーニングの頻度と種類

正絹の着物は、家庭での洗濯はできません。専門のクリーニング店に依頼する必要があります。ファンデーションが付きやすい衿元や、汗をかきやすい脇の部分は、シーズン終わりに「部分洗い」をしておくとよいでしょう。

また、染みをみつけたらできるだけ早く応急処置を行うことが重要です。まずは絶対にこすらず、乾いた白い布やティッシュで汚れた部分を軽く押さえるようにして、汚れを吸い取りましょう。特に正絹(しょうけん)の着物は水に弱く、家庭での処置はかえって輪ジミを作る原因にもなりかねません。シミの種類が判断できない場合や、ご自身で対処するのが不安な場合は、無理せず着物専門のクリーニング店にすぐに相談するのが最も安心で確実な方法です。時間が経つほどシミは落ちにくくなるため、発見したら早めの対応を心がけましょう。

着物全体を洗う「丸洗い」は、3〜5回着用したら一度、というのが目安です。頻繁に洗いすぎると生地を傷める原因にもなるため、汚れの状態を見て判断します。

下記は悉皆屋さんの染み抜き作業の過程です。染みを見つけたら専門家に相談することをお勧めしま
す。

まるやま・京彩グループの悉皆屋さん「こうじ屋」はこちらから→

着物のシミ抜き工程画像
着物の染み抜き作業



美しい着物を長く楽しむために!正しいクリーニングとお手入れ方法はこちら→

9-3. 正しいたたみ方と保管方法

着物をたたむイメージイラスト

着物の保管には、湿気と虫、そしてシワが大敵です。保管する際は、縫い目に沿ってまっすぐに折る「本だたみ」という方法でたたみます。そして、着物専用の保管用の紙である「たとう紙」に包み、桐のたんすなど、湿気の少ない場所に平らに寝かせて保管します。年に一度、空気が乾燥した時期に虫干しをすると、カビや虫食いの予防になります。

第10章:リサイクル着物の賢い選び方|失敗しないための注意点

着物の世界に慣れてきたら、手頃な価格で個性的な一枚が見つかるリサイクル着物も魅力的です。ここでは、質の良いリサイクル着物を見極めるためのポイントを解説いたします。

10-1. サイズは必ず実寸で確認

リサイクル着物を選ぶうえで最も重要なのがサイズです。とくに、裄(ゆき)と身丈(みたけ)は、自分のサイズに合うかを必ず確認しましょう。古い着物は、現代の女性の体型に比べて小さめに作られていることが多いです。お店で試着させてもらうか、自分のサイズを測ったメモを持参して、着物の実寸と照らし合わせることが失敗しないための鍵です。

10-2. シミ・ヤケ・臭いをチェック

次に、着物の状態を細かくチェックします。目立つ場所にシミや汚れがないか、生地が日光で変色していないか(ヤケ)、そして古い着物特有の臭いがないかを確認しましょう。とくに、衿元や袖口、裾は汚れやすい部分なので、念入りに見る必要があります。少しのシミであれば気にしないという考え方もありますが、後から後悔しないように、納得したうえで購入することが大切です。

10-3. 生地や縫製の状態

長年保管されていた着物は、生地そのものが弱っている場合があります。生地を少しつまんでみて、張りがあるか、ペラペラになっていないかを確認します。

また、縫い目がほつれていないか、裏地にカビやシミがないかもチェックポイントです。リサイクル着物は一期一会ですが、長く着ることを考えるなら、多少値段が高くても状態の良いものを選ぶことをおすすめいたします。

リサイクル着物・中古着物で失敗しない!品質チェックと選び方の詳細情報はこちらから→

まとめ

カフェでくつろぐ着物の女性画像

着物選びの基本から、着付け、お手入れの方法まで、10の章にわたって解説いたしました。この記事を参考に、まずは最初の一枚を探しに出かけてみませんか。着物は、知れば知るほど奥が深く、あなたの日常を豊かに彩ってくれるはずです。この記事が、あなたの素敵な着物ライフの始まりとなることを願っています。

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