リユース着物 たんす屋

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2025年07月21日

着物の価値を次世代へ:家族の着物を受け継ぐ意味と方法

着物の承継イメージ

大切な着物が眠っていませんか?母や祖母から受け継いだ着物には、文化、芸術、家族の記憶、そしてサステナビリティという多面的な価値が秘められています。

本ブログでは、着物の価値を識り、適切な保存・活用法、そして「次なる担い手」へ手渡すための売却・寄付・相続の知識まで、着物とのより良い関係を築くためのヒントを専門家の視点からご紹介します。あなたの着物に新たな命を吹き込み、未来へつなぐ一歩を踏み出しましょう。

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目次
1. 織り込まれた魂 ― 家族の着物が持つ価値を識る
 
1-1. 文化と歴史の証人
 1-2. 芸術品としての輝き
 1-3. 記憶の器として
 1-4. サステナビリティという現代的価値
 本章のまとめ
2. 最初の対話 ― 受け継いだ着物の状態を見極め、守る
 
2-1. 着物の戸籍調べ:種類の見分け方と状態の確認
  1) まずは“格”を判定する
  2) 健康診断チェックリスト
 2-2. 永らえるための作法:基本の保管方法
 2-3. 呼吸をさせる手入れ:虫干しとクリーニング
  1) 家庭でできる“虫干し”
  2) 専門家に委ねるクリーニング
 本章のまとめ
3. 新たな命を吹き込む ― 現代の暮らしで着物を活かす
 
3-1. 晴れの日に纏う:TPOに合わせた着こなし
 3-2. 今の自分に合わせる:寸法直し・仕立て直しという選択
 3-3. 形を変えて寄り添う:リメイクという創造
 本章のまとめ
4. 次なる担い手へ ― 手放すときの3つの選択肢
 
4-1. 価値を最大化する「売却」という道
1) 査定額を左右する4大要素
2)3つの買取スタイル
 4-2. 社会に活かす「寄付」という道
 4-3. 相続資産として考える ― 法と税務の知識
 本章のまとめ
5. 最良の道標 ― 着物の専門家「悉皆屋」との付き合い方
 
5-1. 「悉皆屋(しっかいや)」とは何者か
 5-2. 相談相手を選ぶ3つのルート
 5-3. 相談前に整える“カルテ”
 5-4. 依頼から受け取りまでのフロー
 本章のまとめ
まとめ

1. 織り込まれた魂 ― 家族の着物が持つ価値を識る

1-1. 文化と歴史の証人

着物は、日本の風土と精神性を映し出すものです。いわば「動く文化財」とでも言えるものです。

奈良時代の原型から平安貴族の十二単、町人文化が花開いた江戸の友禅、明治以降の洋装との融合まで、時代ごとに姿を変えながらも、人びとの暮らしと切り離せない存在として発展してきました 。

また、七五三や成人式、結婚式など人生儀礼の節目には、それぞれの場にふさわしい「格」を備えた着物が必ず用意されてきたことから、着物が社会的役割を担う儀礼服として日本文化に深く根付いていることがわかります 。

 ひと言解説|格(かく)

着物にはTPOを示すヒエラルキー(階層)があり、黒留袖・振袖・訪問着…といった種類ごとに「第一礼装」「準礼装」などの格付けが決まっています。これを守ることで着こなしが洗練され、周囲への敬意も示せます。

1-2. 芸術品としての輝き

着物は、素材選び・染織・刺繍などあまたの職人技が結晶した総合芸術です。

例えば、京友禅の華麗な染め、西陣織や大島紬に代表される高度な織り、そして立体感を生む刺繍。それぞれが重要無形文化財として世界に誇るクオリティを生み出しているのです。

その芸術性は海外でも高い評価を受け、V&Aやケ・ブランリ美術館で大規模な“KIMONO”展が開催されるほどです 。

Sortir à Paris ケ・ブランリー美術館の素晴らしい展覧会では、特別な夜のイベントが開催されます

1-3. 記憶の器として

母の振袖を娘が成人式で纏う「ママ振袖」は、親子二代の思い出を共有する象徴的な体験です 。

また、祖母の帯や日常着を手入れしながら着直すことで、今は亡き家族を身近に感じられるという人は多いのではないでしょうか。着物は単なる衣服を超え、家族史を語り継ぐタイムカプセルと言ってもよいものですね。

一方で、市場価値と感情価値のギャップに戸惑うこともしばしばあるのも事実です。まずは「思い出の尊さ」を正しく認識することが、大切な着物のこれからを後悔なく選択する第一歩になります 。

糸繰り車イメージ
糸繰り車

1-4. サステナビリティという現代的価値

一枚の着物を仕立て直し、染め替え、最後は座布団や雑巾にまで使い切る。このような「物を大切にする心」は、いま世界で求められる循環型社会の思想そのものであり、日本人の価値観に深く根付いているものです 。

実際、レンタル市場の拡大やリメイクブームは「体験する」「継承する」「創造的に活用する」道へ人々がシフトしている証拠ではないでしょうか 。

本章のまとめ

家族の箪笥に眠る着物は、文化・芸術・記憶・環境という多層的な価値を秘めてと言えます。

まずはその尊さを知り、「着ないまま仕舞っておく」のではなく、もう一度袖を通す・仕立て直す・リメイクする・価値を分かってくれる人に継承するなど、あなたらしい形で命を吹き込み直すことを考えてみませんか。

次章では、受け継いだ着物と最初に向き合う方法、すなわち「種類の見分け方」や「状態チェックのコツ」を詳しく解説します。

2. 最初の対話 ― 受け継いだ着物の状態を見極め、守る

2-1. 着物の戸籍調べ:種類の見分け方と状態の確認

1) まずは“格”を判定する

着物は TPO と着る人に応じておおまかに8種類に分かれます。

以下のポイントを頼りに、ご自身の着物の「戸籍」を調べてみましょう。

  • 黒留袖:既婚女性の第一礼装。裾だけに絵羽模様、背・胸・袖に五つ紋がある。
  • 色留袖:地色が黒以外で、紋を入れる数で格が変わります。
  • 振袖:袖丈が長い(約100〜115 cm)。未婚女性の第一礼装です。
  • 訪問着:模様が肩山から裾へ途切れず繋がる「絵羽模様」。紋は任意です。
  • 付け下げ:模様が肩・胸・裾に分散し、「上前から後ろ身頃へ逆八の字」で流れています。
  • 色無地:無地一色。背に一つ紋を入れると準礼装扱いになります。
  • 小紋:反物全体に小さな模様が繰り返される。街着・お洒落着に。江戸小紋、京小紋、加賀小紋などがあります。
  • :節のある糸を先染めして織る日常着。証紙が付く産地物は資産価値が高い傾向にあります。特に、大島紬、結城紬、牛首紬などが有名です。
大島紬
奄美大島産大島紬 ラベルは正規品であることの証

2) 健康診断チェックリスト

着物を白布の上に広げ、明るい自然光で次を確認します。

  • シミ・黄変:衿・袖口・胸元・膝前は汗や皮脂が酸化して黄変しやすいので要注意
  • カビ・カビ臭:白い斑点や湿った匂いは早期隔離が必須です
  • 虫食い・生地の傷み:小穴や薄くなった箇所。ウールと同居させている場合は要注意 です
  • 寸法:身丈・裄を自分の体と比べ、仕立て直しの必要を判断 しましょう

2-2. 永らえるための作法:基本の保管方法

“4つの敵”――湿気・光・虫・ホコリ

着物の保管は「しまう」のではなく 環境を管理して4つの敵から守る 行為です。4つの敵から着物

を守るためになくてはならないのが次の3つの道具です。

  1. 桐たんす(または桐チェスト)
    • 桐材は呼吸する木で、湿度が高いと吸湿し、低いと放湿します。また、防虫成分も含んでいます。
  2. たとう紙
    • 一枚ずつ包む和紙。1〜2 年に一度、新しいたとう紙へ交換 しましょう。
  3. 防虫剤・調湿剤
    • 防虫剤、調湿剤は種類を混ぜない直接触れさせない期限を守るが鉄則 です。

2-3. 呼吸をさせる手入れ:虫干しとクリーニング

1) 家庭でできる“虫干し”

  • 目的:湿気を追い出し、カビ・虫を防ぎつつ早期トラブルを発見
  • 適期
    • 梅雨明け後(7月下旬〜8月上旬)
    • 秋晴れ(10月〜11月)
    • 冬の乾燥期(1月下旬〜2月)
  • 方法:直射日光を避けた風通しの良い場所で、着物ハンガーに掛け数時間〜1日 干します。

虫干しの詳しくはこちらの記事をご覧ください

【着物の虫干し】自宅で簡単にできる方法をお教えします

2) 専門家に委ねるクリーニング

工程概要いつ依頼?
丸洗い解かずに専用溶剤で全体洗浄。皮脂汚れ・ホコリに有効 年1回・着用後すぐ
洗い張りいったん反物に戻し水洗い。寸法直し・染め替え前の必須工程 大幅なリフォーム時
染み抜き頑固なシミ・古い黄変を専用薬剤で処理。高度技術が必要 見つけたら早急に

本章のまとめ

受け継いだ着物と向き合う第一歩は、正体を知り、現状を把握し、敵を遠ざけること。

この3ステップを踏めば、たんすの奥で眠る一枚が、もう一度輝く準備が整います。

次章では、「現代の暮らしに着物を生かす具体策」――TPOに合わせた着こなしと寸法直し・リメイクのノウハウを解説します。

3. 新たな命を吹き込む ― 現代の暮らしで着物を活かす

3-1. 晴れの日に纏う:TPOに合わせた着こなし

結婚式・入学卒業式・七五三・お茶会……。フォーマルシーンで家族の着物をまとうことは、布に宿る物語を“いま”へ接続する最良の方法です。

ただし洋装以上に「格(かく)」のルールが厳格なので、立場に応じた種類選びが肝心です 。

立場最適な着物補足
新郎新婦の母・仲人夫人黒留袖(第一礼装)五つ紋入り・裾に絵羽模様
親族女性色留袖紋の数で格調が変わる
未婚女性友人振袖袖丈が華やかさを演出
既婚友人・同僚訪問着/付け下げ/一つ紋色無地ゲストは親族より格を控えるのが礼儀

ワンポイントマナー

花嫁と被る白一色や、婚礼衣装に見紛う派手柄は避けると安心です 。

着物の格についてはこちらの記事をご覧ください。

【着物入門】初心者でもわかる 着物の種類とフォーマル度

3-2. 今の自分に合わせる:寸法直し・仕立て直しという選択

「素敵だけどサイズが合わない」、それは多くの人がぶつかる壁です。

現代人は祖母世代より平均身長・裄(ゆき)が伸びており、そのままでは着崩れの原因になります。

しかし着物は直線裁ちのパーツ構成ゆえ、仕立て直しがしやすいという強みがあります。小さくて着られないからもうダメと判断する前に、専門家に相談してみましょう。

  • 寸法直し:裄・身丈・身幅を部分的に調整。縫い代や足し布で意外と伸ばせる場合も多いものです 。
  • 仕立て直し(洗い張り+作り替え):一度解いて反物に戻し、袖を短くして振袖→訪問着に、羽織→道行コートに、など大胆なリフォームが可能です 。
  • 前処理としての洗い張り:水洗いで汗を根本から落とし、生地をリフレッシュしてから仕立て直すのが定石 。

相談先:和裁士や悉皆(しっかい)屋は全国に名簿があり、事前見積りで費用感を把握しましょう 。

着物のサイズ直しに関する基本知識から、費用・依頼先の選び方・注意点まで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説しているこちらの記事を参考にしてください。↓
着物のサイズ直し完全ガイド|直せる範囲・費用相場・おすすめ依頼先まで紹介

3-3. 形を変えて寄り添う:リメイクという創造

傷みや派手柄で再着用が難しい着物も、リメイクで第二の人生を歩めます。これは「最後の手段」ではなく、布の芸術性を現代生活に再定義する“価値創造”です 。

人気のリメイク例

  • 洋服:ワンピース・ドレス・ジャケット・スカートに仕立てれば、既製服にはない一点物の存在感 が周りの注目を集めます。
  • バッグ・小物:日傘・トート・クラッチ・アクセサリー。洋服と同柄でセットアップも可能です 。
  • インテリア:クッション、タペストリー、ランプシェードなど“見せる収納”で和モダンな空間にしつらえることもできます。

業者選びのチェックポイント

実績写真の豊富さ、明朗な料金体系、思い出への配慮。この三つは必ず確認しましょう 。

全国対応の専門店も増えているので、オンライン相談を活用するのもお勧めです。

この章のまとめ

TPOに合わせて纏う・身体に合わせて直す・ライフスタイルに合わせて作り替える――これら三つのルートが、たんすの中の着物を“今日の主役”に変える鍵です。小さな工夫と専門家の知恵で、家族の物語を未来へつなげてみませんか?

次章では、「手放すときのベストな選択肢」――売却・寄付・相続のポイントを解説します。

4. 次なる担い手へ ― 手放すときの3つの選択肢

本章のポイント

  1. 高価買取を狙うなら「証紙・作家名・状態・寸法」をそろえて査定へ。
  2. 想いをつなぐ寄付は、団体の目的と受け入れ条件を必ず確認しましょう。
  3. 相続では“5万円ルール”と専門家鑑定でトラブルと税務リスクを回避できます。

4-1. 価値を最大化する「売却」という道

タンスに仕舞われたままだった着物が、意外な高値で売れることがあります。ご自宅の着物ももう一度しっかりと見極めてみましょう。

1) 査定額を左右する4大要素

  • 証紙:大島紬・結城紬など産地証明は“鑑定書”に匹敵する威力を持っています。
  • 作家・ブランド:人間国宝や老舗呉服店の作は、美術品として加点されます。
  • 状態:未使用・しつけ糸付きが最上位。逆に、シミ・カビ・匂いは減額要因となります。
  • 寸法:現代体型に合う長身・長裄ほど需要大なので、高値がつくことがあります。

2) 3つの買取スタイル

スタイル特徴向くケース
出張買取査定士が自宅訪問。大量一括処分に便利量が多い・運搬が困難
宅配買取梱包キットで送付、非対面で完結忙しい・地方在住
店頭買取その場で現金化都市部在住・即金希望

業者選びの鉄則

  • 必ず相見積もりを:査定額が数十倍開くこともあります
  • 手数料ゼロ(査定・出張・キャンセル)を確認してください
  • 実績豊富な専門業者――例:たんす屋・バイセル・福ちゃん・ザ・ゴールドなど

着物の買取についての詳細はこちらの記事をご覧ください

【着物買取】価値が分からない?判断基準と高く売るコツ

4-2. 社会に活かす「寄付」という道

寄付先3タイプとチェックリスト

寄付先活用イメージ費用負担・条件
NPO法人国内外でリユース、洋裁訓練教材など送料自己負担+寄付金/正絹限定もあり
博物館・研究機関歴史的資料として保管・展示事前相談必須、希少性が条件
テーマ型団体「着物を世界遺産に」など目的特化活動理念との共感が鍵

送料・手数料の目安

セカンドライフ:送料+2,100円〜の支援金、受入はほぼ全種OK

リボーン京都:送料+箱あたり3,000円、絹100%のみ可

4-3. 相続資産として考える ― 法と税務の知識

相続税の基本

着物も課税対象となりうる動産です。基礎控除内でも申告不要とは限りません。高価なものとわかっているのであれば、しっかり査定するべきです。

評価の原則

  • 評価日は被相続人の死亡日=時価評価
  • 家庭用財産一括計上:1点5万円以下なら家財一式へまとめられます
  • 精通者意見価格:人間国宝作品などは専門家鑑定を添付しましょう

トラブルを防ぐ段取り

  • 価値が高そうな品をリストアップしましょう
  • 専門家(買取業者・古美術商等)に査定依頼するのが無難
  • 査定書を相続人全員と共有し、分割協議書へ反映させます

本章のまとめ

“手放す”も文化継承の一形態

  • 売却で市場へ戻し「着たい誰か」へバトンを渡すことも着物を生かす一つの有効な方法です。
  • 寄付で社会貢献し、布の命を延命させる。古い着物ほど、資材がしっかりしているケースも多いものです。
  • 相続で家族史を整理し、争いなく次世代へ託しましょう。

どの道を選んでも大切なのは、「価値を正しく見極め、透明性を持って引き継ぐ」こと。

眠っている着物が、あなたの想いと共に新しい場所で輝く未来を描いてみましょう。

次章では、「着物のよろず相談役 ― 悉皆屋(しっかいや)の活用法」 を解説します。

5. 最良の道標 ― 着物の専門家「悉皆屋」との付き合い方

5-1. 「悉皆屋(しっかいや)」とは何者か

「悉皆(しっかい)」は“ことごとく皆”の意。その名の通り、悉皆屋は 洗い張り・染み抜き・染め替え・寸法直し・紋入れ・ガード加工・リメイク相談まで、着物に関わるあらゆる課題をワンストップで請け負う、いわば“着物の総合病院”です。

悉皆は、加工が細分化された現代の呉服業界で、染色補正技能士や和裁士、染め屋など複数の職人を束ね、最適な治療計画を編み出すプロデューサー兼コーディネーターの役割を果たします。

5-2. 相談相手を選ぶ3つのルート

ルート特徴こんな人におすすめ
町場の京染悉皆・洗い張り店代々続く職人系。直接職人と話せる安心感地元で長く付き合いたい
呉服店経由の窓口店員が要望を通訳してくれる初めてで専門用語が不安
オンライン専門店全国から配送受付。写真とメールで完結忙しい・近隣に店がない

近年は宅配キットを使って全国から依頼を集める実績豊富なネット系悉皆屋も増加しています。

5-3. 相談前に整える“カルテ”

  1. 現物を持参/詳細写真を送付

    実物を見てもらうことで状態診断と見積もりの精度が格段に向上します。
  2. ゴールを具体的に伝える

    例)「左袖のワイン染みを消したい」「裄を3 cm出して洋装にも合う長さに」など、数字や用途を明確にすると仕上がりの齟齬を防げます。
  3. 必ず見積もりを取る & 比較する

    作業内容・納期・料金を文書で提示してもらい、複数店で相見積もりを取ると安心です。

5-4. 依頼から受け取りまでのフロー

  1. カウンセリング:持ち込み・写真送付で状態確認
  2. 診断 & 見積もり:加工工程・費用・納期を提示
  3. 職人手配:悉皆屋が各専門職にディレクション
  4. 中間確認:高額加工や染め替えは途中経過を共有
  5. 仕上がり受領:仕上がりチェックとアフターケア説明

ワンポイント

「思い出の品なので染み抜き優先」「予算内で最大限直したい」など、優先順位を共有するとディレクションがより的確になります。

この章のまとめ

  • 悉皆屋は着物メンテナンスの総合プロデューサー
  • 町場・呉服店・オンラインの3ルートから、自分のライフスタイルに合った窓口を選ぶ。
  • 現物提示・目的の明確化・見積もり比較の3ステップが、満足のいく仕上がりへの近道。

「どこに相談すれば良いかわからない…」と悩む前に、まずは悉皆屋へ一報を。適切な専門家ネットワークと豊富な経験が、あなたの家族の着物に新しい息吹をもたらしてくれるはずです。

次はいよいよ 終章:未来へつなぐ、一枚の布――これまでのポイントを総括し、“眠る着物を再び輝かせるためのアクションプラン”を提案します。

まとめ

未来へつなぐ、一枚の布 ― “たんすの着物”再生アクションプラン

1. ここまでの内容を総括

キーコンセプト得られたヒント
第1章文化的・芸術的・感情的・環境的価値着物は“動く文化財”であり家族史のタイムカプセル
第2章現状把握と保管「戸籍調べ → 健康診断 → 敵(湿気・光・虫・ホコリ)対策」
第3章活用と変身TPOに合わせて纏う・寸法直し・リメイクで現代にフィット
第4章手放す選択売却・寄付・相続で“次の担い手”へ価値をつなぐ
第5章悉皆屋との連携専門家を“総合病院”として活用し、最適プランを設計

2. いますぐ始める5ステップ・チェックリスト

  1. 棚卸し
    • 家族全員で着物を広げ、種類・状態・想いを共有する
    • スマホで写真+寸法メモを残し、デジタル管理
  2. 優先順位づけ
    • もう一度着たい / 形を変えたい / 手放したい の3カテゴリへ仕分けする
    • 感情価値が高いものは“思い出枠”として別管理
  3. プロと対話
    • 悉皆屋・和裁士・買取業者などに相見積もりをしてもらう
    • 見積もりの「内容・納期・費用」をエクセル等で比較
  4. アクション実行
    • 直す:寸法直し・染み抜き・染め替えなど
    • 纏う:フォーマル機会を見つける/街着コーデで日常に取り入れる
    • 変える:リメイクで洋服・雑貨・インテリアへ
    • 渡す:売却・寄付・相続で新しいステージへ
  5. 循環を続ける
    • 年に1度は“虫干し&棚卸しデー”を家族イベント化する
    • 新たに仕立てた/譲った着物のストーリーを記録し、次世代へ共有

3. 明日への一歩 ― メッセージ

着物は、しまわれている間にも時を刻み続けます。

箪笥を開け、布に触れ、物語を語り合う――その瞬間から、着物は再び息を吹き返します。

あなたの行動が、家族の記憶と日本の染織文化を未来へ手渡すバトン です。

さあ、最初のステップとして“今週末の棚卸し”から始めてみませんか?

もし迷いが生まれたら、この記事を道標に、そして悉皆屋や専門家の知恵を借りながら、一枚一枚に新しい光を当てていきましょう。

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  • 適正な価格査定: 着物の価値を熟知した専門家が、一点一点丁寧に査定します。証紙の有無、作家名、状態はもちろん、現代の需要なども考慮し、適正価格を提示してくれるでしょう。
  • 幅広い買取対象: 訪問着や振袖などのフォーマル着物から、小紋や紬といった普段着、帯や和装小物まで、幅広く買い取っています。「こんなものでも?」と思うような品にも、思わぬ価値が見出されるかもしれません。
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