大島紬は、鹿児島県奄美大島や鹿児島市などで織られている絹織物で、世界三大織物に数えられ、結城紬と並ぶ高級紬の代表として知られていますが「織」の「カジュアル」のきものに分類される普段着です。
緻密な図柄、つやつやした色味、しなやかな肌触り、軽やかな着心地が魅力です。

大島紬の起源
大島紬の起源は明確にはわかっていませんが、鹿児島県の奄美大島で古くから養蚕が行われていたことから、その頃から紬織りが始まったと考えられています。そのほか、諸説ありますが、大島紬は、奄美大島の豊かな自然と、人々の暮らしの中で育まれた伝統的な織物であると言えるでしょう。

大島紬の魅力
手織り：すべて手織りで作られるため、一枚一枚が個性豊かです。
泥染め: 大島紬の代表的な染め方である泥染めは、泥の中に布を漬け込むことで、深みのある黒色を出します。濡羽色（ぬればいろ・濡れ羽色）などと表現されることもあります。
世界三大織物: 大島紬は、フランスのゴブラン織り、イランのペルシャ絨毯とともに、世界三大織物の一つに数えられています。
歴史: 江戸時代には、大島紬は献上品として珍重され、その後も高級な着物として人々に愛されてきました。

一枚の大島紬が完成するまでには、多くの工程と職人の手仕事が積み重ねられています。
泥大島、泥藍大島、草木染大島、白大島など製法や染色方法も様々な種類に分類されており、長く愛用できる、丈夫で、着るほどに風合いが増していくのも魅力の一つです。

屋久杉染： 屋久杉染は、屋久杉の樹皮や木部を煮出して得られた染液で、絹や木綿などの布を染める技法です。屋久杉は生長が非常に遅く、伐採が制限されているため、高価で希少な染料です。屋久杉染の着物は、その深みのある色合いと自然な風合いが魅力です。
着用シーン：一般的に、大島紬は普段着として親しまれています。 結婚式や入学式など、フォーマルな場ではなく、ちょっとしたお出かけや、ご友人とのお食事会、お茶会、観劇など、少しおしゃれをして出かけたい、カジュアルシーンに着用します。
帯：白やベージュなどの淡い色の無地の袋帯は、爽やかさを引き立てます。名古屋帯もカジュアルな場や普段使いに最適です。大島紬に合わせる帯は、一つとして同じコーディネートはありません。様々な組み合わせを試して、自分らしいコーディネートを見つけてみてください。

その他（証紙）：窪田織物株式会社謹製